POINT
⚫ 値動きの異なる資産を組み合わせることで、ポートフォリオの運用効率の改善が期待できます。

■  分散投資による運用効率の改善

分散投資の効果の1つに、リスク・リターンのバランスが良くなる、つまり運用効率が良くなるというものがあります。運用効率とは、取ったリスクに対するリターンの大きさのことで（リターン÷リスク）、この数値が高いほどリターンの獲得効率が良いということを意味します。今回は、分散投資をすることで得られる運用効率の改善について、具体的にご説明いたします（図表1）。

米国株式と米国国債を、それぞれ米ドルベースで組み合わせたポートフォリオを構築したとします。両資産の保有比率を10%ずつ変更し、ポートフォリオのリスク・リターンのプロットを繋ぎ合わせた曲線が図表1です。縦軸にリターン、横軸にリスクを取っています。この曲線は、2つの資産の相関係数が低いほど左に張り出していく性質があります。米国国債と米国株式の米ドルベースの相関係数は-0.28であり、両資産は逆の値動きをする傾向にあります。相関係数を1とした場合の灰色の点線と比較してみると、より小さいリスクで同水準のリターンが期待できる、もしくは同水準のリスクでより高いリターンが期待できることがわかります。また、米国国債100%保有よりも、米国国債を80%、米国株式を20%、組み入れたポートフォリオの方が同程度のリスクで、より高いリターンが期待できることがわかります。このように、値動きの異なる資産を組み合わせたポートフォリオを組成することで、運用効率の改善が期待できます。