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- 12月米雇用統計発表後のナスダック総合指数の値動きに注目
12月米雇用統計発表後に米10年国債利回りがさらに上昇したことが嫌気され、7日の米国株式市場は続落する展開となった。しかし、週明けの10~11日は特にナスダック総合指数において積極的な押し目買いの動きが見られた。このきっかけになったのも米10年国債利回りの動きだ。
2021年12月雇用統計発表直後の金融市場の動き
1月7日に発表された2021年12月の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19.9万人増と市場予想の45.0万人増を下回ったが、失業率は3.9%と市場予想の4.1%を下回ったほか、平均時給が前年同月比+4.7%と市場予想の同+4.2%を大幅に上回った。
これを受けて、マーケットではFRB(米国連邦準備制度理事会)による金融引締観測がさらに高まる展開となり、7日の米10年国債利回りは一時1.799%(2020年1月以来の水準)まで上昇した(図表1)。
また、7日の米国フェデラル・ファンド金利先物市場では、今年のFRBによる利上げを約3.4回(1回は0.25%の利上げ、 6日時点は約3.3回)まで織り込む動きとなり、今年3月の利上げ観測も6日時点の約0.8回から7日は約0.9回へと利上げの織り込みが進んだ(図表2)。
7日の米国株式市場は主に米10年国債利回りの上昇が嫌気され、S&P500指数は前日比0.41%安となったほか、ナスダック総合指数も同0.96%安となった。一方、成長株の組入が相対的に少ないNYダウ指数は同0.01%安にとどまった。
1月10~11日は押し目買いの動きが活発化
しかし、1月10~11日の米国株式市場は全面的な「リスクオフ」とはならなかった。きっかけは米10年国債利回りの頭打ちだ。10日はザラ場で一時1.8%台をつける場面もあったが、その後は押し目買いから米10年国債利回りは反落する展開となり、11日も1.7%台での推移となった。
これを受けて米国株式市場でも押し目買いの動きが顕著となった。特に目立ったのがナスダック総合指数における日中の値動きだ。10日のナスダック総合指数はギャップダウン(前日の終値よりも当日の始値が安値で寄り付くこと)で始まり、一時は前日比2.7%安(200日移動平均線割れ)まで売り込まれる場面もあったが、その後は急速に「窓を埋める」(ギャップダウンで生じたチャート上の空間を埋めるように上昇する)かたちで押し目買いが入り、10日終値は前日比0.05%高まで値を戻した。また、11日も同1.41%高と続伸となった(図表3)。
今後は1月12日発表予定の12月米消費者物価指数や1月25~26日開催予定のFOMCなどが注目イベントとなるが、マーケットはひとまず「雇用統計をきっかけとしたインフレ懸念」や「FRBによる早期金融引締め観測」といった材料を織り込みつつあるようだ。
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