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クレジット⑤ 〜クレジット投資の種類③ : ハイブリッド証券(1)
2019/07/17

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概要
  • ハイブリッド証券は、株式と債券の両⽅の特性を併せ持った証券のことをいいます。具体的には、転換社債(CB)、CoCo債、劣後債、優先証券などが該当します。以下に転換社債(CB)とCoCo債について、その特徴を説明いたします。



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転換社債(CB)

CBは発⾏時に決められた条件で、投資家の意志でいつでも株式に転換できる権利が付いている社債のことです。株式に転換するまでは定期的に利⾦が受け取れ、満期を迎えた場合は額⾯で償還されます。利率は⼀般の普通社債よりも低く設定されています。社債のままか株式に転換して売却するか、どちらが有利かを⽰しているのがパリティです。これは株価を転換価格で割って求めるもので、株価のほうが⾼い場合は株式としての価値が⾼くなっているので転換して売却する⽅が有利となります。反対に、株価のほうが低い場合は債券としての価値が⾼いため、社債として売却することが有利となります。


インテルの株価とCB価格の推移
(2012年4⽉末を100として指数化、期間:2012年4⽉末〜2015年4⽉末)

 

CBのリターン:
・株価とCB価格を⽐較すると、株価が下落する局⾯ではCBは底堅く推移しました。(上図:債券的)⼀⽅、株価が上昇する局⾯では、CB価格の上昇は株式には及びませんが追随しています。(上図:株式的)
・このようにCBのリターンは社債として⼀定の利⾦を受け取りつつ、株価の動向によってキャピタルゲインも期待できます。
CBのリスク:
・社債同様、信⽤リスクと流動性リスクがあります。


CoCo債

CoCo債は、Contingent Convertible Bondsの略称で偶発転換社債と訳され、投資家の意思に関係なく株式への強制転換の可能性がある制限条項(トリガー条項)の付いた証券のことです。発⾏体である⾦融機関の⾃⼰資本⽐率が⼀定⽔準を下回るなどの条件に該当すると、株価⽔準にかかわらず強制的に株式に転換されます。CoCo債は、強制転換条項付きのため、⼀般の社債よりも⾼い利息を受け取ることができます。


ソシエテ・ジェネラルの株価とCoCo債価格の推移
(2013年12⽉末を100として指数化、期間:2013年12⽉末〜2018年3⽉末)

 

CoCo債のリターン:
・CB同様⼀定の利息を受け取りつつ、株価の動向によってキャピタルゲインもしくはロスが発⽣します。
CoCo債のリスク:
・社債同様、信⽤リスクと流動性リスクがあります。
・加えて、発⾏体の⾃⼰資本⽐率が⼀定⽔準を下回るなどの条件に該当すると、株式への強制転換が発⽣します。その場合、⼤きく価値の低下した株式に転換されることになるのが通常と認識しておく必要があります。


出所:ブルームバーグのデータを使⽤してピクテ投信投資顧問作成
※記載された銘柄はあくまで参考として紹介したものであり、その銘柄・企業の売買を奨励するものではありません。データは過去のものであり、将来の運⽤成果等を⽰唆あるいは保証するものではありません。


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