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実践的基礎知識 金融/経済史編( 2 )<戦後復興期①>
2020/05/15

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概要

戦後復興期(1945年〜1954年)
1945年に終戦を迎えた日本は連合軍の統治下に置かれて、アメリカ主導での戦後復興が行われました。日本が戦前の体制からいかに脱却し、経済的にどのように復興、自立していくのか、日本の歴史上でも未曾有の混乱期を見ていきましょう。戦後の混乱を乗り越えて、日本経済は朝鮮特需という景気拡大の追い風を受けて着実に回復していきました。この次の年代において、日本は本格的な経済成長を遂げることとなります。




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ブレトン・ウッズ体制

第二次世界大戦後の世界経済をどうするかについて、まだ戦争中の1944年7月にアメリカ・ニューハンプシャー州のブレトン・ウッズに44カ国が集まり、連合国通貨金融会議が開催されました。

この会議において、アメリカが金本位制を採用して、米ドルと各国の通貨の交換比率(為替相場)を一定に保つ固定為替制度が決定されました。また、世界経済の安定と発展のために国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行(世界銀行、IBRD)が設立されました。

ブレトン・ウッズ体制では、金本位制を採用して、金1オンスを35米ドルと制定しました。そして他の国の通貨は米ドルと一定の交換比率の固定為替制度としました。アメリカ以外の国は金を準備しなくても、実質的に金本位制となる画期的なシステムでした。

IMFは戦後、国際通貨体制の守り神として設立されました。通貨の面から、再び戦争が起こることがないように、通貨の安定、為替の自由化、国際収支の安定を目指しています。特に国際収支の安定については、国際収支が赤字に陥った国への融資を行います。国際収支が赤字となって、必要なものが購入できなくなり、戦争を解決方法とすることがないようにしているのです。

一方IBRDは、戦後の復興資金の貸付を行ってきました。日本も1953年から借り入れて、全額返済したのは1990年のことでした。

民主化政策と超インフレ

終戦後、アメリカは連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)を通じて、日本の民主化のために三大改革と呼ばれる、財閥解体、農地改革、労働三法の制定を進めました。

まず財閥解体は、侵略戦争を遂行するうえでの経済的基盤となった大財閥の解体でした。三菱、三井、住友といった大財閥をはじめとして、戦争に協力した企業は解散を命じられ、役員等の経営陣も公職追放とされました。

農地改革は、従来からあった地主と小作人の関係を見直して、実際に耕作に従事しない不在地主の農地を全て安値で買い取って、小作人に分け与えました。この政策によって、従来農地の46%が小作地でしたが、この割合が10%にまで激減しました。

労働三法とは、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法の3つで、経営者による不当解雇や長時間労働が規制され、労働者の団結や組合設立が認められました。

戦後の日本は超インフレの世界となりました。この原因は一義的には、国土が焦土と化して極端な物資不足になったことによる物価上昇でした。物資不足に対応するため、GHQは傾斜生産方式を採用して、鉄鋼・石炭産業に資金と資材を集中的に投入しました。この資金を手当てするため1947年に復興金融金庫が設立され、復興金融金庫債券を発行して日本銀行が引き受け、代金を復興金融金庫に支払いました。この資金を復興金融金庫は鉄鋼・石炭産業に集中して融資しました。

この結果、物資不足は徐々に解消されていったものの、紙幣をどんどん増発したことから、復金インフレと呼ばれる物価上昇が加速しました。そして1953年、小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律(小額通貨整理法)制定され、「円」以下の単位である「銭」「厘」が廃止されました。

 

 



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