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- 実践的基礎知識 金融/経済史編( 3 )<戦後復興期②>
戦後復興期(1945年〜1954年)
戦後復興期①では、戦後、超インフレの世界になったことをお伝えしましたが、ここでは、その後のインフレ抑制に向けた対 応と朝鮮特需、第一次ベビーブームについて見ていきます。
財政法の制定とドッジライン
1947年、インフレの抑制に苦戦する中、財政に規律をもたせて物価と貨幣価値を安定させるため、赤字国債の発行と日本銀行による国債の引受けを禁止する「財政法」が制定されました。
また、超インフレを解消するために採用された政策がドッジラインでした。1949年、アメリカ政府は当時デトロイト銀行頭取であったドッジを、トルーマン大統領の特命公使として日本に派遣しました。ドッジは日本経済を分析して、日本政府の補助金と米国の援助という二つの竹馬に乗った経済とみなし、この竹馬を外すために3つの政策を導入しました。
まず、総予算の均衡です。シャウプ勧告とよばれる税制改革によって、直接税中心の歳入が確立されました。次に、あらゆる補助金の削減を図りました。最後に、インフレの主たる要因であった日本銀行引受けの復興金融金庫債の発行を停止して、増え続けた通貨量を抑えました。また、世界の通貨システムへの復帰を図るために1米ドル=360円の固定為替レートが設定されました。この結果、超インフレの解消と安定した財政基盤を得ることができましたが、一方で1950年にかけて深刻な不況をもたらしました。
朝鮮特需
1950年6月に北朝鮮が韓国に侵攻して、北朝鮮を支援する中国とソ連、韓国を支援するアメリカをはじめとする国連軍との戦争になりました。1953年7月に朝鮮戦争休戦協定が締結され、休戦状態が現在に至っています。なお、朝鮮戦争中の1951年にサンフランシスコ講和条約が締結され、日本の主権が回復しました。
朝鮮戦争勃発直後に、米軍の資材調達のための司令部が日本に置かれ、武器、弾薬をはじめとして繊維製品、セメントや鋼材等大量の物資が直接日本企業から買い付けられました。休戦までの3年間の調達金額として10億米ドル、将兵の日本での消費などを含めると1955年にかけて36億米ドル【当時の約1.3兆円(1米ドル=360円)。1950年当時のGDP約4兆円。】の特需があったと言われています。米軍から発注を受けた日本企業は、米国から最新の技術、装置、機械、大量生産、品質管理のノウハウなどを得ることができ、その後の日本の高度経済成長の基礎となりました。一方、米国への依存体質を生むことになりました。
第一次ベビーブーム
ベビーブームとは、具体的には第二次世界大戦後、戦争から帰還した将兵や戦争終結に安心した人々が、子づくりをすることができるようになったため、前後の世代と比べて極端に人口が増えた現象を指します。日本では、1947年から1949年までの3年間に合計800万人以上が出生し、1949年の出生数269万人は戦後最多です。因みに2017年の出生数は94万人で2年連続100万人割れの状態となっています。
この第一次ベビーブームに生まれた人を団塊の世代と呼んでいます。この世代が中学を卒業して就職した1962年から1965年頃にオリンピック景気、高卒から大卒で就職した1965年から1971年頃にいざなぎ景気という好景気があり日本の高度成長期となりました。この頃は人口の伸びよりも労働力人口の伸びが上回る、いわゆる人口ボーナス期となり、経済成長が後押しされました。そして、団塊の世代が子供を持つようになる1971年頃から、第二次ベビーブームが起きました。
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