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- 実践的基礎知識 金融/経済史編( 13 )<バブル崩壊から金融再編⑤>
バブル崩壊から金融再編(1991年〜2003年)⑤
この期間、中東では世界を巻き込んだイラン・イラク戦争、湾岸戦争、その後、イラク戦争に繋がる米国同時多発テロが勃発しました。日本においても、1995年阪神・淡路大震災が発生し、国内外ともに、暗澹たる時代でもありました。
戦争
湾岸戦争は、第二次世界大戦後はじめて世界30カ国以上が参戦した世界大戦です。発端は、1990年にイラクが隣国のクウェートに侵攻し、クウェートの併合を発表したことです。イラクは1988年まで8年間に及ぶイラン・イラク戦争を戦っていました。イラクはアラブ民族でイスラム教スンニ派、一方イランはペルシャ民族でイスラム教シーア派ですが、それまでも石油積出港のあるシャトル・アラブ川の使用権あるいは原油権益そのものをめぐっての対立や宗教宗派間の対立、民族間の対立紛争が絶えませんでした。
1979年のイラン革命によってイラン国内の体制が混乱したと判断したイラクが、イランへの侵攻に踏み切りイラン・イラク戦争が始まりました。イラン・イラク戦争は1988年に停戦しましたが、イラクは膨大な戦時債務を抱えるとともに、空襲などによって国内の原油生産設備も被害を受けていました。この困難を打破するためには原油に依存するしかないものの、第二次オイルショック当時1バレル30米ドルを越えていた原油価格は、1バレル15米ドル程度まで低迷していました。そこで、イラクは石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の25米ドルまでの引き上げを要請するも聞き入れられず、追い詰められたイラクのフセイン大統領は、クウェートがOPECの協定を無視して原油増産していることなどを理由に、1990年8月にクウェートに侵攻して併合しました。国連安全保障理事会は、イラクの即時撤退と武力行使容認を決議しました。この時、対イラクでの協調体制が冷戦の終結を象徴することとなりました。国連安保理決議に基づく多国籍軍が組織され、イラク軍はクウェートから撤退、4月に停戦協定が結ばれました。
天災
阪神・淡路大震災は、1995年1月17日に発生した大地震です。震源地は淡路島北部沖の明石海峡で、マグニチュード7.3、最大震度7で、総務省消防庁統計では死者・行方不明6,434人、重軽傷者は43,792人、ピーク時には30万人を超える人が避難所生活を強いられました。交通面では阪神高速道路神戸線が倒壊し、鉄道は阪急、阪神、JRなどが甚大な被害を受けて、復旧まで半年程度かかるなど、関西の交通網は大打撃を受けました。神戸市の人口は、震災後約10万人減少し、2004年になるまで震災前の人口に戻りませんでした。
テロ
9.11米国同時多発テロとは、2001年9月11日にアメリカで同時多発的に発生したテロ事件のことです。9月11日朝、4機の米国国内線民間航空機がほぼ同時にハイジャックされ、米国の経済、軍事を象徴する建物に相次いで突入する自爆テロが行われました。
ボストン発の2便はニューヨークのマンハッタンにある世界貿易センタービルの北棟・南棟に突入し爆発炎上、2つのビルがほぼ同時に倒壊しました。ワシントン発の便は、アメリカ国防総省(ペンタゴン)に突入、建物の一部が倒壊・炎上しました。ニューアーク発の便は、自爆テロに気付いた乗客がテロリストに反撃し、同機はピッツバーグ近郊の林に墜落しました。このテロによって、3,000人以上の死者が出ました。捜査の結果、このテロがイスラム原理主義勢力「アル・カーイダ」によって計画・実行されたと断定されました。そして、アフガニスタンを支配する「タリバーン」が「アル・カーイダ」を受け入れ、アフガニスタン国内での活動を認めていたことから、アメリカはアフガニスタンへ侵攻、そしてイラク戦争へと繋がって行きました。
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