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- 業績見通しの上方修正局面で注目すべき株式は?
世界の企業業績見通しは回復基調にある。コンセンサス予想EPS(1株当たり利益)は、米国と欧州それぞれで底打ちの兆しが出ており、米・欧それぞれ緩やかな上昇トレンドとなっている。大方の予想通り、新型コロナウイルスのワクチンが来年供給されれば、コンセンサス予想EPSはさらに上方修正される可能性がある。そのような状況で注目すべき株式とは何か?
予想EPSは底打ちから上昇トレンドへ
米国のコンセンサス予想EPS(12ヵ月先)は今年5月に底打ちし、欧州もその約1ヶ月後に底打ちした。その後は、回復ペースに差はあるとはいえ、米・欧ともに緩やかな上昇トレンドが形成されている。コロナショック後の世界の株式市場は実体経済と乖離した株高だと言われ、バリュエーションの拡大だけが相場をけん引する歪な状況が指摘されてきたが、足元ではようやく企業業績の回復に道筋が見えてきた。
欧米はこれから7-9月期決算の発表シーズンに突入する。7-9月期の予想EPS(前年同期比)は依然として「減益」が想定されているが、これは概ね織り込み済みであり、投資家の目線はすでに来年の「増益」に向かっている。2021年の四半期別増益率は米・欧ともにプラスに転じており、(今年の減益率が大きいため来年の増益率がより強調される「ベース効果」は否めないものの)新型コロナウイルスのワクチン供給による経済活動の回復をある程度前提としたモデルだと推測される。
業績見通しの上方修正局面で注目すべきは「景気敏感株」
新型コロナワクチンが来年供給されることになれば、消費/企業マインドの改善によって、経済活動はさらに活性化することが想定されるため、コンセンサス予想EPSの上振れ余地が出てくる可能性がある。
このような状況で注目すべきは「景気敏感株」だ。文字通り、景気に敏感な(左右されやすい)株式のことを指し、一般消費財サービスや資本財サービス、素材セクターなどに分類される株式が多い。これらの予想EPSは底からリバウンドしているとは言え、情報技術やヘルスケアと違い、まだまだ2019年12月末の水準を下回っている。よって、コロナ禍で競争上優位とされたGAFAMだけでなく、今後は経済活動の更なる再開を見越して景気敏感株が注目されても不思議ではない。
新型コロナワクチンの供給が遅れる可能性があることはリスク要因として認識すべきだが、遅かれ早かれ、景気敏感株の本格的な回復を織り込む局面に備えるべきだろう。
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