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- 欧米7-9月期決算の状況
株式市場の注目点は、引き続き米国の大統領選挙や追加景気対策であることに変わりはないだろうが、本来であれば企業決算の動向も株式市場にとって重要な判断材料のひとつになる。現在進行中の欧米7-9月期決算発表では、特に米国が大方の予想に反して堅調な内容となっており、米大統領選後の株式市場を支える支援材料となりうるだろう。
米国は回復、欧州は低迷
米国(S&P500指数)の7-9月期予想EPS(1株当たり利益)は上方修正が続いている。一時は前年同期比26%減益まで下方修正されたものの、10月23日時点では同18%減益まで上方修正された。一方、欧州(STOXX600指数)の7-9月期予想EPSは底打ちの兆しは見られず、10月16日時点では前年同期比32%減益となっている。
決算シーズンはまだ始まったばかりであり、10月26日現在でS&P500構成企業の決算発表社数は145社、SXXP600構成企業の決算発表社数は88社のみだ(注:EPSの発表が無い欧州企業は除外) 。しかし、ポジティブ・サプライズ(市場予想を上回った決算発表)の割合は米国で85%、欧州で72%といずれも好調な滑り出しとなっており、アナリスト予想が過度に悲観的になっていたことが指摘される(いずれもブルームバーグ集計)。この傾向が今後も続けば、特に米国で予想EPSがさらに上方修正される可能性があるだろう。
企業の業績ガイダンスも市場予想を上振れ
S&P500構成企業が発表する20年10-12月期の業績ガイダンスも好調だ。ファクトセットの集計(10月23日時点)では業績ガイダンスを発表した企業数は24社あり、そのうち市場予想を上回ったのは19社だった。このポジティブ・サプライズの割合は79%であり、過去5年平均の32%を大幅に上回っている。
アナリストの利益予想における上方/下方修正状況が分かる世界利益リビジョン指数は、足元で急激に上昇している。コロナショックによる反動も多分にあるが、直近の水準はITバブル崩壊後の株価回復局面にあった2004年4月、そしてリーマンショック後の株価回復局面にあった2009年8月時点に相当する。
新型コロナウイルスの感染状況によっては、10-12月以降の予想EPSが下方修正される可能性があるため、リスク要因として留意すべきだが、特に足元で見られる米国企業業績の力強い回復は評価されてしかるべきだろう。
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