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- ブレグジット、正念場の英国議会承認と今後の行方
英国が10月2日に発表した提案をベースに、新たな離脱協定がEUとの間で合意となりました。ここからの注目は、英国下院で19日に行われる投票です。新たな離脱協定案が賛成多数で支持されれば10月31日に合意による離脱となりますが、投票の行方は不透明です。
英国EU離脱協定案:新たな離脱協定に合意、DUP不支持表明で議会承認は不透明
英国と欧州連合(EU)は2019年10月17日、英国とEUの新たな離脱協定/政治宣言に合意しました。16年の国民投票から3年以上混乱が続く英国のEU離脱に道筋を整える可能性があります。市場では離脱協定合意に向けた動きを受け、ポンド高が進行していました(図表1参照)。
しかし、北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)は、今回の離脱協定を支持できないと表明しています。英国議会での承認に不透明感が残ります。
どこに注目すべきか:離脱協定、バックストップ、議会承認、総選挙
英国が10月2日に発表した提案をベースに、新たな離脱協定がEUとの間で合意となりました。ここからの注目は、英国下院で19日に行われる投票です。新たな離脱協定案が賛成多数で支持されれば10月31日に合意による離脱となりますが、投票の行方は不透明です。
まず、新たな離脱協定案の主なポイントを振り返ると、メイ政権(当時)で課題となったバックストップ(安全策:協定が発動しない場合英国が関税同盟に残る懸念があった)が代替案に置き換えられたことです。代替案では北アイルランドと英国は共に関税同盟から離脱する一方で、必要な税関検査を北アイルランドと英国の間で行うという内容です。英国と北アイルランドに実質的に国境のようなものができる印象です。DUPには受け入れがたい代替案と思われます。
次に、注目の19日の票読みです。英国下院は定数650議席ですが、議長、副議長や投票に参加しないと見られるシン・フェイン党などを除くと実質320議席弱が過半数となる中、DUPが反対ならば単純に過半数は難しいと見られます(図表2参照)。野党などからの賛成が不可欠です。
不透明なのは、保守党、労働党共に必ずしも一枚岩ではないことです。保守党の強硬離脱派が「合意」の上での離脱 に賛成するのかは意見が分かれるところです。労働党の中でも、EU離脱の混乱に終止符を打つべきと、「賛成」を公に表明している議員も見られます。
保守党からの離脱が多い無所属の議員も、保守党の提案に賛成するのか微妙な問題です。以上の「不透明」な投票がすべて賛成に回れば、合意しての離脱に道筋が開かれますが、議会の承認はやや苦しい状況と見られます。
最後に、19日に成立しなかった場合の展開ですが、原則は延期法案により離脱期限延期の運びとなりますが、延期の場合、総選挙となる可能性が高いと見られています。
そこで、世論調査を見ると足元の保守党、ジョンソン首相の支持率は回復していますが、単独で過半数確保を期待するには不十分な状況です。ドラマは続きそうな予感です。
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