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- ノアリザーブ1年の足元1ヵ月間の基準価額の動きについて
ノアリザーブ1年の基準価額は直近の高値である9月3日から10月4日の間に2.8%下落しています。世界的にインフレ懸念が高まる中、主要中央銀行による金融緩和策縮小の動きなどを受けて、株式、債券、金がともに下落しています。当面は不安定な市場動向が継続する可能性もありますが、景気動向や金融政策の転換など、投資環境の変化を見極め、慎重に運用していく方針です。
ノアリザーブ1年は直近の高値から2.8%の下落
2021年10月4日のノアリザーブ1年の基準価額は12,577円となり、直近の高値である9月3日の12,935円から358円の下落となりました。
同期間の変動要因をみると、株式が-273円、債券が-66円、金が-29円、為替が+24円となっています。
基準価額は、9月3日の高値から10月4日までに2.8%下落しています。
図表①:ノアリザーブ1年の基準価額の推移
日次、期間:2013年1月31日(設定日)~2021年10月4日
※基準価額は、1万口あたりで表示しています。 ※基準価額は、実質的な信託報酬等控除後。購入時手数料等を考慮せず。また、換金時の費用・税金等は考慮しておりません。
9月以降の市況:株式、債券、金がともに下落
世界の株式市場は、9月以降、下落基調にあります。9月上旬は新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大や、8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことなどから景気減速懸念が広がり、下落基調となりました。9月後半以降は、米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で量的金融緩和縮小(テーパリング)開始は利上げへのカウントダウンを意味するわけではない旨の発言をしたことなどから上昇する場面もありましたが、中国不動産開発大手の債務不履行(デフォルト)懸念や米国における債務上限や増税などを巡る不透明感、世界的なインフレ圧力の高まりと金融緩和縮小への懸念などが下落要因となり軟調な動きとなっています。
世界の国債市場は、9月以降、下落(利回りは上昇)しています。9月前半は米国の8月の雇用統計で上述のとおり非農業部門雇用者数がデルタ変異株感染拡大の影響で市場予想を大幅に下回った一方、欧米の製造業関連指数は概ね高水準を維持するなど経済指標の強弱がまちまちで世界の国債市場は方向感の定まりにくい展開でした。しかし月後半、中国不動産開発大手の債務不安について当初の懸念が後退したこと、9月のFOMCにおいてインフレ率上昇懸念を背景に利上げ時期の前倒しが示唆されたことなどを受け世界の国債市場は大幅な下落(利回りは上昇)に転じました。
金市場は、9月上旬から米国金利が上昇、米ドルも上昇したことから、金利がつかず、米ドルの代替資産と言われる金の価格は下落しました。また月半ばに発表された米小売売上高が市場予想を上回ったことも金価格がさらに下落する要因となりました。その後、中国不動産開発大手のデフォルト懸念など受けて、金価格は一時上昇する場面もありましたが、インフレ圧力や金融緩和縮小懸念などが金価格のマイナス要因となり、軟調な動きとなっています。
今後の見通し
新型コロナウイルス変異株の感染拡大による実体経済への影響、中国不動産開発大手の債務不履行(デフォルト)懸念、世界的なインフレ圧力の高まりと金融緩和縮小への懸念、などが市場の不透明感を高めています。一方、好調な企業業績の確認、中国の預金準備率の追加引き下げ、FRBのテーパリングの先送りなどによって、株式相場が強含む可能性も否定できません。
当面は不安定な市場動向が継続する可能性もありますが、景気動向や金融政策の転換など、投資環境の変化を見極め、慎重に運用していく方針です。
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