Article Title
2021年5月の基準価額動向と運用方針
2021/06/30

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

2021年5月のノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました。コロナ禍からの世界経済の正常化期待が高まる中、株式市場は上昇しました。また金は米国金利に落ち着きが見られ、米ドル指数が下落したことなどから上昇しました。為替は円が主要通貨に対して下落しました。資産配分は、株式の組入れを削減し、キャッシュや金の組入れを増やしました。



Article Body Text

2021年5月の基準価額は上昇

2021年5月31日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で+138円の12,750円となりました。同期間の主な変動要因は株式が-5円、債券が+16円、金が+112円、為替が+24円でした。基準価額は前月末比+1.09%の上昇となりました(図表①参照)。なお、円資産の比率は、前月末より上昇し61.1%となりました。

運用方針:株式を削減し、キャッシュや金の組入れを拡大

当月の投資行動は、株式の組入れを削減し、キャッシュや金などの組入れを拡大しました。

株式部分では、景気回復局面の中期段階への移行に伴って、株式の組入比率をやや引下げるとともに、よりバランスを重視した運用を目指し、一部のグロース株式をディフェンシブ性の高い銘柄にシフトしました。具体的には、コア・エクイティ・ファンド内で保有するテーマ戦略厳選企業株式や、セキュリティ関連企業株式、デジタル・コミュニケーション関連企業株式、環境関連企業株式などを一部売却しました。一方で、ディフェンシブ企業株式については、コア・エクイティ・ファンドを通じて組入れを拡大しました。

金については、市場におけるインフレ高進への懸念が高まる中で、インフレヘッジ効果などを評価し組入れを引き上げました。

ファンドのリスク(価格変動)は新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下

ノアリザーブ1年の設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移してきました。当ファンドのリスク(価格変動)水準は、新型コロナウイルスの影響で先行き不透明感が高まった2020年3月に急上昇しましたが、足元では新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下しています(図表②参照)。

ノアリザーブ1年と主要資産の騰落率

2021年5月は、世界の株式市場は概ね続伸し、金は大きく上昇しました(円ベース)。

このような状況下、ノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました(図表③参照)。

世界の株式市場は世界経済の正常化期待が高まる中、上昇しました。世界国債については、インフレ懸念が高まりながらも、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇は一過性との見方を示したことから現地通貨ベースでは小幅な動きとなりました。金は米国金利が落ち着いた動きとなり、米ドルが下落基調となったことから大きく上昇しました。

今後の運用方針~現状のリスク水準を維持しつつ、徐々に保守的なスタンスに

今後の運用方針については、現状のリスク水準を維持しつつも、徐々に保守的なスタンスを強める方針です。

米国のインフレ懸念は引き続き警戒を要するものの、現時点では一時的な要因によるものが多く、FRBが景気を冷ますほどの金融政策の修正に踏み込む必要はないと考えられます。また、FRBはリバースレポ・ファシリティによる資金吸収を行っていますが、現時点における市場への影響は限定的であり、想定していたほどのマイナス材料になっていません。一方、世界経済の状況は引き続き良好であり、特にワクチン接種が進む英国やユーロ圏経済における景気のモメンタムは加速してきています。こうした認識に基づき、リスク資産に対するやや強気な現状のスタンスを継続しますが、引き続き米国における物価や金融政策の動向を注視していく方針です。

当面の変動には注意が必要

ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

ワクチンの接種は広がっており、景気回復期待も高まっていますが、新型コロナウイルスの感染動向などについては依然として先行きに不透明感があります。また、マクロ経済が堅調に推移する中、米国金利などの動向が株式や債券、金、為替に大きな影響を与える可能性があります。市場の動きに配慮しつつ、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:ディフェンシブ・セクターに注目

【市場の調整に警戒】

株式市場が大幅に上昇し、下げ相場到来の可能性が意識されるなか、予防策を講じておくことが必要だと考えています。

2021年1~3月期の企業業績が極めて堅調だったことは事実です。とはいえ、2021年通年のコンセンサス予想一株当たり利益(EPS)は前年比37%増益と既に高い水準にあります(図表1)。EPSや利益率などの2022~2025年の市場予想は楽観的と見ており、市場の下落局面が到来する可能性を警戒する必要があると考えます。現在の市場環境において脆弱性や割高感が目立つ景気変動の影響を相対的に大きく受ける傾向の強い景気敏感セクターの相対的な魅力度は低下していると考えています。一方、景気変動に左右されにくいディフェンシブ・セクターの相対的な魅力度は高まっていると考えています。景気敏感セクターに対するディフェンシブ・セクターの相対パフォーマンスが優位に転じた足元の市場環境(図表2)がこうした見方を追認しています。

【市場別の見方:英国株式に注目】

先進国のなかで、割安な水準にあり、かつ新型コロナウイルスワクチンの接種が順調に進展していることなどを背景に国内経済回復の恩恵を享受する可能性が高い英国株式に相対的に大きな上昇余地があると考えています。英国では、ワクチン接種の順調な進捗を背景に、日常サービス活動に関する指標が回復基調にあります。足元の景気回復局面で相対的に大きく上昇する傾向のある金融銘柄や優良銘柄の組入れ比率が英国の代表的な株価指数に占める割合が高いことも魅力的です。

債券・為替:安全資産を堅持

【FRBの政策動向に注目】

FRBは、直近、複数の理事が繰り返し言及しているように、来年初まで金融緩和策を維持するものと考えています。また、短期金融市場(マネーマーケット)の最近の動向からも今後のFRBの政策に関する手がかりが得られると考えています。

FRBは、5月に入って、公開市場操作(マネーマーケット・オペレーション)を通じ、銀行システムから一時的に資金を吸い上げています。このことは、短期金融市場に滞留する過剰流動性を制御するというFRBが直面する課題を象徴しています。また、流動性を吸収する公開市場操作の効果を試すことを可能とし、近い将来、市場を動揺させることなく流動性の供給量の縮小を開始する可能性があることには留意が必要です。

【米国ハイイールド債のアンダーウェイトを継続】

米国ハイイールド債のアンダーウェイトを継続します。流動性が縮小する環境では従来以上に米国ハイイールド債の脆弱さが際立つと考えられるためです。米国国債との利回り格差(イールド・スプレッド)は引き続きタイトな水準に留まっています。

【中国国債をフル・オーバーウェイト】

中国国債のフル・オーバーウェイトを継続します。中国国債は米国およびユーロ圏の株式ならびに債券とのリターンの相関が低位に留まっているなど、他の主要資産との相関が低いことから、魅力的な分散効果を提供すると見ています。また、中国国債がコロナ危機下で強い回復力を示したことも注目されます。

【中国以外の新興国債券はニュートラルを維持】

中国以外の新興国債券は、ニュートラルを維持します。新興国全域でインフレ圧力が強まっており、CPIが中央銀行のインフレ目標を上回った複数の国では利上げを余儀なくされています。さらに、中国経済の減速につられ、その他の国の経済成長率が鈍化することがあれば、新興国通貨安が進行し、現地通貨建ての新興国債券に対する逆風となる可能性には留意が必要です。

 



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド(1年決算型)



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2022/02/17
タイトル ピクテの「超分散」マルチアセット運用に迫る タグ
日付
2022/02/17
タイトル 特別対談|インフレリスクに備えて「超分散」、下落リスク抑えた資産運用を タグ
日付
2022/01/17
タイトル ノアリザーブ1年の2021年の運用パフォーマンスの振り返り タグ
日付
2021/12/23
タイトル ノアリザーブ1年:2021年11月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/11/29
タイトル ノアリザーブ1年:2021年10月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/10/26
タイトル ノアリザーブ1年:2021年9月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/10/08
タイトル ノアリザーブ1年の足元1ヵ月間の基準価額の動きについて タグ
日付
2021/09/27
タイトル 2021年8月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/08/27
タイトル 2021年7月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/07/28
タイトル 2021年6月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/05/28
タイトル 2021年4月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/04/27
タイトル 2021年3月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/03/31
タイトル 2021年2月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/02/17
タイトル 2021年1月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2021/01/27
タイトル 2020年12月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/12/24
タイトル 2020年11月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/11/18
タイトル 2020年10月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/10/30
タイトル 年初来で上昇しているノアリザーブ タグ
日付
2020/10/26
タイトル 2020年9月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/09/30
タイトル 2020年8月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/08/25
タイトル 2020年7月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/07/28
タイトル 2020年6月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/06/25
タイトル 2020年5月の基準価額動向と運用方針 タグ
日付
2020/05/22
タイトル 2020年4月の基準価額動向と運用方針 タグ
もっと見る