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- 景気拡大かつ物価上昇局面での新興国株式市場
足元の物価急上昇の多くが、都市封鎖が引き起こした供給制約に起因するものであったことは確かですが、今後も巨額の財政刺激、とりわけ、米国の財政出動が需要の拡大を支え、インフレ圧力が継続する状況が続く可能性もあります。過去の実績では、新興国株式は、景気拡大かつ物価上昇局面で相対的に高いリターンをあげてきました。
景気拡大かつ物価上昇は新興国株式市場に追い風
コロナショックを経て、様々な商品価格が大きく上昇し、物価も上昇しています。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の経済的打撃への対応策として2020年に主要各国‧地域の政府および中央銀行が積極的な財政政策や金融緩和策を実施したこと、2021年に入ると新型コロナウイルスのワクチン接種が進展したことに加え、米バイデン政権による追加的な大規模財政政策などを背景に世界的な景気回復期待が大きく高まったことなどがあげられます。更に、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的なサプライチェーンの混乱などが物価上昇に拍車をかけました。
足元の物価急上昇の多くが、都市封鎖が引き起こした供給制約に起因するものであったことは確かですが、今後も巨額の財政刺激、とりわけ、米国の財政出動が需要の拡大を支え、インフレ圧力が継続する状況が続く可能性もあります。
過去の実績では、新興国株式は、景気拡大かつ物価上昇局面で良好なパフォーマンスを示し、実際に、主要資産クラスの中で、相対的に高いリターンをあげてきました。1998年以降、世界の平均物価上昇率が2%を上回りかつ上昇トレンド(6ヵ月前比がプラス)で、世界主要先進国(G10)のGDP(国内総生産)成長率が過去1年平均を上回って推移していた局面では、米国株式や世界株式が20%前後のリターンをあげるなか、新興国株式や当ファンドの主要投資対象である新興国高配当株式はそれらをわずかに上回るパフォーマンスを示しました。
新興国の経済成長の3つのドライバーはいずれも好調
過去の実績では経済の拡大期には新興国株式市場は先進国株式市場わずかに上回りました。世界的に景気回復が継続するなかで、新興国の経済成長の3つのドライバーは、いずれも好調で、1)世界貿易は拡大基調を辿り、2)商品市場は活況を呈し、3)中国経済は堅調に推移してきました。
ドライバー1:世界貿易は拡大基調
世界の実質輸出は、既に2021年1月に、前年同月比+6.9%と、長期平均の水準を回復していますが、新興国の輸出の伸びが比較的大きく寄与しました。年初からの2ヵ月間の輸出は、先進国が(前年同期比)若干の減少となる中、新興国は二桁の増加となり、足元では、コロナ前の水準を上回っています。
ピクテの世界輸出指数が示唆しているように、米国など主要国の財政刺激に加えて、企業収益の改善や、中国の内需主導による景気拡大などにより、力強い景気拡大局面が継続しています。
過去の実績では、輸出の拡大と経済成長率は、先進国、新興国ともに相関が高くなっています。先進国よりも、新興国の方が、同じ輸出の増加率の水準であれば、より高い経済成長率を達成しており、世界輸出の回復は、先進国経済の成長を上回る新興国経済の成長を後押しする要因になると考えられます。
ドライバー2:商品市場は活況
世界的な需要の拡大が続くのであれば、今後も商品価格は堅調に推移するものと見ています。バイデン政権の「米国雇用計画」だけで、1.3兆ドル規模の直接的な商品需要が予想されることに加え、供給面の制約が残ることも注目されます。
ドライバー3:中国経済は堅調
コロナ禍から立ち上がった中国の景気回復は昨年までの輸出が主導する形から内需がけん引する形へ転じていくとみており、そうなれば、輸入需要の増加が続くと考えられます。こうした前提に立てば、景気回復ペースが既にピークをつけたとしても、長い目で見た中国経済の成長基調が交易を通じて新興国経済全体に好影響を与え続ける公算は大きいと思われます。
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