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- 新興イン | 相対的に割安な新興国高配当株式~PER水準別・投資期間別の株価騰落率に注目
●新興国高配当株式のPERは他の資産と比べて低い水準で、かつ過去平均を下回る
●過去の実績ではPERの水準が低いほど、その後の株価上昇率が高い傾向
●一段のPER縮小のリスクは比較的小さく、中長期的な投資機会となる可能性もあるとみる
■ 新興国高配当株式の株価収益率(PER)は、他の資産と比べて低い水準
2022年に入り、世界の株式市場は、ウクライナ情勢の緊迫化や主要国の利上げなどを背景に株価が調整する局面がみられます。
こうしたなか、新興国高配当株式の株価収益率(PER)は、8.0倍(2022年7月末)と他の資産と比べて低い水準です。また、過去平均を大きく下回っています。
■ 新興国高配当株式のPERは過去平均を大きく下回る
新興国高配当株式のPERは、過去平均(1995年12月末~2022年7月末)を大きく下回っています。
株式市場では米国のテクノロジーセクターなど成長株などが注目を集めるなかで、見過ごされたことなどが新興国高配当株式のPERが低水準となった背景だと考えられます。
過去の実績では、新興国高配当株式のPERは、地政学リスクの高まりや金融市場の危機時に大きく低下し、その後株価は上昇する傾向が見られました。
■ PERの水準が低いほど、その後の株価上昇率が高い傾向
新興国高配当株式のPERの水準別にその後の株価騰落率をみると、過去の実績ではPERの水準が、低いほど、その後の株価上昇率が高くなっています。2022年7月末の新興国高配当株式のPERは8.0倍です。過去の実績(1995年12月末~2022年7月末)で9倍未満をつけたときには、株価は1年後の平均で44%、3年後で70%、5年後で142%上昇しています。
新興国の株式市場については、1)新興国の経済成長、2)世界貿易の拡大、3)高水準の資源価格、4)主要国に先んじた中国の景気回復、5)米ドルに対して割安な新興国通貨などが、今後の株価上昇のポイントになるとみています。
今後もウクライナ情勢のいっそうの緊迫化、米国の金融政策動向などが金融市場のボラティリティ(価格変動)を高める要因となることには留意する必要があります。市場全体が大きく調整し、リスク回避の動きが強まる局面では、新興国高配当株式も大きく調整する可能性も考えられます。
新興国高配当株式のPERは、8.0倍と新興国株式の平均PER11.0倍(いずれも2022年7月末)に対して、割安感があります。
市場の調整局面でも、新興国高配当株式の一段のPER縮小のリスクは比較的小さいと見ており、中長期的な投資機会となる可能性も考えられます。
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