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- 中国の不動産リスクの新興国株式への影響は?
金融市場では、中国の大手不動産企業が債務不履行(デフォルト)となればその影響が中国の株式や社債などに留まらず、世界の金融資産に波及する可能性があるのではないかとの懸念が強まりました。中国や香港市場で関連株式や社債などが大きく下落するなか、当ファンドの投資対象である新興国高配当株式は分散しており、下落率は相対的に小さくなっています。中国および新興国の中・長期の成長の当社見通しに大きな変更はありません。
何が起こったか?
中国広東省に拠点を置く中国恒大集団(以下、恒大)は、中国国内最大級の不動産開発企業で、大きく債務を膨らませてきましたが、2020年9月に導入された金融機関による融資規制などにより、債務不履行(デフォルト) 懸念が高まり、2021年9月下旬にかけて、同社の株式をはじめ、関連株式が大きく下落しました。10月4日には上場先の香港市場で同社の株式の取引が一時停止されました。 金融市場では、同社が債務不履行(デフォルト)となれば、不動産業向け融資の不良債権化リスクが高まり、こうしたリスクが中国の株式や社債などに留まらず、世界のリスク資産に波及する可能性があるのではないかとの懸念が強まっています。
市場の不透明感が高まるなかでの分散投資の重要性
こうした市場環境下、中国株式市場は不動産株式を中心に大きく下落しました。一方、新興国株式全体や当ファンドの投資対象である新興国高配当株式は、様々な新興国や業種に分散していることから、下落率は相対的に小さくなりました。
分散投資で単一国、単一業種、単一銘柄に投資を行うよりもリスクを軽減
当ファンドでは、恒大あるいは関連の不動産開発業者の株式の組入れはありません。
当ファンドでは、銘柄の選別に関しては、財務状況の健全性や配当の継続性なども重要な選別基準としています。 恒大や関連不動産開発業者はバランスシートのリスクや配当の継続性の懸念が大きかったことから組入れていませんでした。当ファンドでは、不動産開発業者ではなく、不動産の管理を行う、バランスシートが健全で、借り入れの少ない不動産管理会社などに投資しています。
当ファンドは、17ヵ国、様々な業種、72銘柄に幅広く分散投資を行うことで(2021年8月末)、単一国、単一業種、単一銘柄に投資を行うよりもリスクを軽減することが可能になっています。
波及が想定されるリスクと中国市場の当社見通し~中・長期成長の見通しに大きな変更なし
恒大の債務不履行により波及が想定されるリスクとしては、1.中国国内不動産業界の不良債権比率の上昇、2.不動産開発業者の資金繰りの悪化、3.理財商品*の収益悪化、4.中国経済の低迷による資源需要の減少、5.中国国内不動産価格の下落などがあげられます。1に関しては、現時点では、不動産開発業者向け不良債権比率は2%以下と比較的低く、多少上昇しても制御可能な水準であるとみています。2に関しては、財務状況が脆弱な業者に影響が及ぶ可能性があります。3に関しては、理財商品による資金調達が困難になる可能性があります。4に関しては留意が必要です。5に関しては株式の買取や流動性供給を促す引き金となる、預金準備率の引き下げなど中国政府や中央銀行による支援が期待されます。
以上の当面のリスクに対する見方と以下記載の今後の展望に立つのであれば、中国および新興国の中・長期成長の当社見通しに現在のところ大きな変更はありません。1.ワクチン接種の加速に伴って、新型コロナウイルス感染拡大の経済への影響が後退すると考えられること、2.貿易が景気回復をけん引し、追って景気敏感セクターの業績改善が鮮明になると予想されること、3.経済を下支えするために、緩和的な金融政策の継続が予想されること、また、4.長期的には引き続き様々な分野で技術革新が予想されていること、5.再生可能エネルギー分野の成長も期待されていることなどです。
こうした環境下、当面市場の動向に注視は必要ですが、当ファンドの投資対象である新興国高配当株式は中・長期的には有望な投資対象であるとの当社見方に変更はありません。
*中国国内で販売されている高利回りの資産運用商品で、元本が保証されていないものも多く存在する。
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