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物価上昇局面では新興国高配当株式に投資すべきか?
2021/11/26

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概要

コロナショックを経て、経済の正常化の動きが進むなか、米国など多くの国で物価が上昇しています。2021年10月の米国の物価上昇率は前年同月比+6.2%となり、31年ぶりの高水準となりました。過去の実績では、物価上昇局面では新興国高配当株式のパフォーマンスは他の主要資産を上回りました。今後の新興国高配当株式の動向に注目です。



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コロナショックを経て、経済の正常化の動きが進むなか物価が上昇

コロナショックを経て、経済の正常化の動きが進むなか、世界的に物価が上昇しています。2021年10月の米国の物価上昇率(全項目)は前年同月比で+6.2%となり、1990年11月以来およそ31年ぶりの高水準となりました。

この背景にあるのは、コロナ禍で落ち込んだ世界経済が回復に向かう動きです。経済が回復するにつれて、原油や非鉄金属などの資源の需要が高まる傾向にあります。ただ、需要が増えても、すぐにその需要を満たすだけの供給はできないことが多く、特に原油などのエネルギー資源は脱炭素化の流れを受けて長期的には需要が減る可能性が高く、増産を積極的に行わないといった状況も見られます。そのため、需要に供給が追いつかず、価格が上がる要因になります。

また、世界的に物流網に制約があることも一因となっています。多くの資源や製品は産出地から需要地へ船などで運搬されますが、需要が拡大する一方、コロナ禍で港での積み下ろしなどの作業をする人手が不足する状況にあります。そのため港に船が滞留する時間が長くなり、需要に運搬が追いつかなくなっています。また、輸送費が上昇し、それが輸送される商品の価格に転嫁されるため、更に値段が上昇する要因の一つになっています。

これまで景気下支えのため世界の主要国・地域の中央銀行が行ってきた流動性供給や主要国の財政支出などは過去最高水準となっています。米国の過剰流動性供給・財政支出の水準は、物価上昇圧力が高まった1970年代のオイルショック時の水準を大きく上回っており、物価上昇圧力となると考えられます。

米国の物価上昇と新興国高配当株式

過去の実績では、新興国高配当株式のパフォーマンスは米国の物価上昇率と連動性が高い傾向が見られました。また、米国の物価上昇局面における主要資産の投資収益率を比較すると、過去の実績(1997年12月末~2021年10月末)では、新興国高配当株式は、他の主要資産と比べて上昇率が高くなっています。

米国の物価上昇局面は、世界景気が拡大局面にあり、商品価格が上昇している局面も多いようです。新興国高配当株式の投資対象国は資源国が比較的多く含まれることから、その恩恵をより多く受けることなどがその背景と考えられます。

 




 



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