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- エコディス|欧州委員会がエネルギー転換計画「REPowerEU」の詳細を発表
2022年5月18日、欧州委員会は、ロシア依存からの脱却のためのエネルギー転換計画「REPowerEU」の詳細を発表しました。この計画により、今後、再生可能エネルギーの普及加速やエネルギー効率化対策の強化が見込まれることから、現在、「クリーン・エネルギー」関連に注目して投資しているエコディスカバリーに長期的なプラス要因となることが期待されます。
ロシアへのエネルギー依存脱却のためのエネルギー転換計画「REPowerEU」の詳細を欧州委員会が発表
2022年5月18日、欧州委員会は、エネルギーのロシア依存からの脱却を図るため、欧州のエネルギー転換を加速させる「REPowerEU」計画の詳細を公表しました。
同計画には、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー効率化対策の強化、グリーン水素と産業の脱炭素化、天然ガス輸入先の多様化などの施策が含まれ、2027年にかけて2,100億ユーロが投入される見通しです(「ご参考:「REPowerEU」計画の概要」を参照ください)。
「REPowerEU」計画はエコディスカバリーの投資対象企業の業績にとってプラス寄与となる可能性
ピクテ・エコディスカバリー・アロケーション・ファンド・シリーズ(以下、エコディスカバリー)では、現在、8つの環境関連分野のうち「クリーン・エネルギー」に関連する「再生可能エネルギー」、「エネルギー効率化」、「省資源化」の3つに注目した運用を行っています(「8つの環境関連分野と現在、注目する3分野」参照)。
8つの環境関連分野と現在、注目する3分野
※上記はあくまでもイメージであり、実際の状況と異なる場合があります。実際の投資にあたっては、上記の環境関連分野すべてに投資するわけではなく、またこれら以外の分野に投資することもあります。※写真はイメージです。
今回の「REPowerEU」計画では、「再生可能エネルギー」関連として太陽光発電の容量を2025年までに倍増、2030年までに4倍とすることや、公共施設や商業施設、新築住宅へのソーラー・パネル設置の法的義務を段階的に課すことなど、「エネルギー効率化」関連としてエネルギー効率を高めるためにヒートポンプの導入を今後5年間で2倍とする計画など、エコディスカバリーの投資テーマに関連する施策が多く盛り込まれています。
欧州が「REPowerEU」計画を発表するなど、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、政府、企業、消費者の間では、脱炭素化という喫緊の課題に加え、エネルギーの自立性と安全保障が長期的に重要な課題として重視されるものと考えます。
これらの課題を克服するためには、再生可能エネルギーの利用拡大だけでなく、運輸分野におけるEVなどe-モビリティの普及、建物におけるヒートポンプの導入などによるエネルギー効率化の強化、産業における低CO2生産プロセスや自動化、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、エネルギー貯蔵の利用など、幅広い分野での取り組みが必要となり、このことはエコディスカバリーの投資対象企業にとってプラス寄与となることが期待されます。
ご参考:「REPowerEU」計画の概要
<※以下は、ピクテ・グループの海外拠点が作成したレポートをピクテ投信投資顧問が翻訳・編集したものです。>
「REPowerEU」計画で採用された主な関連施策の概要は以下の通りです。
【再生可能エネルギー】
発電、産業、建物、輸送における再生可能エネルギーの利用を大幅に拡大し、エネルギーの自立性を高めるため、2030年の再生可能エネルギー比率の目標を45%(現在の目標は40%)に引き上げる。
・2025年までに太陽光発電の容量を倍増、2030年までに容量をほぼ4倍にすることで、太陽光発電の普及を大幅に加速させる。
・2027年までにすべての新規の公共・商業施設に、2029年までにすべての新築住宅にソーラー・パネルを設置する法的義務を段階的に課す「ソーラー屋上イニシアチブ」を実施。
・再生可能エネルギープロジェクトの許可プロセスの短縮化、簡略化。
【エネルギー効率化】
長期的なエネルギー効率化対策を全体的に強化し、欧州連合(EU)全体のエネルギー効率化目標を2030年までに9%の改善から、13%の改善に引き上げる。
・建物:ヒートポンプの年間導入計画を、今後5年間で 2倍に。
・運輸:欧州委員会は、貨物輸送部門のエネルギー効率を大幅に向上させることを目的としたパッケージを提示する予定。また、公共交通機関におけるゼロエミッション車の割合を増やすための法案や、2035年からガソリン車、ディーゼル車などの内燃機関車の新車販売を禁止する可能性も検討。
【グリーン水素と産業の脱炭素化】
脱炭素化が困難な産業において天然ガス、石炭、石油に代わるものとして、2030年までに再生可能な水素の域内生産量を1,000万トン、輸入量を1,000万トンとする目標を設定。
また欧州委員会は、産業界におけるグリーン水素の導入をサポートするためのさまざまなインセンティブを展開し、イノベーション・ファンド(革新的な低炭素技術の実証を目的とした世界最大級の資金調達プログラム)の下ですでに前倒しされた約30億ユーロのプロジェクトとともに、産業の脱炭素化を促進。
【天然ガス輸入先の多様化】
国際的なパートナーと協力し、ロシア以外からの天然ガス、LNG(液化天然ガス)の調達先の多様化を図る。
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