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- エコディス|米国の「インフレ抑制法案」がクリーン・エネルギーへの転換を後押しする可能性
●米国の「インフレ抑制法案」が米国議会で可決
●今後10年間でエネルギーおよび気候関連プロジェクトにおよそ3,700億米ドルの投資が見込まれる
気候変動およびクリーン・エネルギー関連の重要な政策が含まれている米国の「インフレ抑制法案」
2022年8月12日、米国議会の下院が上院(同8月7日に可決)に続き「インフレ抑制法案」を可決しました。同法案は、法人税率の引き上げから一部処方薬の薬価設定の見直しに至る幅広い施策を網羅していますが、当ファンドに関連のある気候変動およびクリーン・エネルギー移行関連の投資促進策も数多く含まれおり、米国史上でも重要な気候変動対策関連法として期待されています。
同法案には、2030年までに米国の温室効果ガス排出量を2005年比で40%削減することを目標に、今後10年間でエネルギーおよび気候関連プロジェクトにおよそ3,700億米ドルを投資することが記載されており、現在、環境関連の中でも「クリーン・エネルギー」分野に注目した運用を行っている当ファンドにとっても、クリーン・エネルギーへの転換が加速することによるプラスの影響が期待できると考えます。
「インフレ抑制法案」におけるクリーン・エネルギー関連施策
【再生可能エネルギー・プロジェクトに対する税額控除の10年間の延長】
再生可能エネルギー・プロジェクトに対する税額控除は、米国における再生可能エネルギー業界の飛躍的な成長を後押ししてきた重要な制度であり、業界にとって極めて重要な法律の一つになるものと考えられます。再生可能エネルギー業界は税額控除の適用が廃止されたとしても十分なだけの競争優位を既に確立していますが、税額控除の延長は、今後10年を通じて業界の一段の成長を支えると同時に、先行きの見通しがより確かなものになることが期待されます。
【エネルギー貯蔵に対する単独ベースの税額控除】
エネルギー貯蔵(蓄電池)プロジェクトは、これまで、太陽光発電プロジェクトと組み合わせた場合に限って、税額控除が適用されていたのに対し、単独ベースの税額控除が適用されれば、太陽光発電プロジェクトとの組み合わせという制約を受けずに、採算面で最も有利な場所でのプロジェクトが可能となることから、エネルギー貯蔵プロジェクトの飛躍的な発展が期待されます。
【電気自動車(EV)に対する税額控除の見直し】
「インフレ抑制法案」では、現行の米国の電気自動車(EV)関連政策の抜本的な見直しにつながることが予想されます。新型EVの需要喚起を図った消費者を対象とする上限7,500米ドルの税額控除に関連して、メーカーに課されていた累計販売台数の上限の引き上げ(20万台を超えると段階的に縮小・廃止)が盛り込まれる一方で、車型ごとに一定の車両価格を超過する上位モデルのEVを購入する富裕層への税額控除は適用が廃止されます。また、国内の生産施設の建設には、最大200億ドルの融資が可能となります。
【グリーン水素に対する10年間の税額控除】
グリーン水素に対する税額控除は、未だ実績の少ない国内低炭素水素プロジェクトの商業化を支援・推進することが期待されます。グリーン水素は、重工業等、特定分野における長期的な脱炭素化の可能性を秘めていると考えますが、関連技術の開発、投資機会の開拓ともに、未だ初期段階にあるため、グリーン水素に特化する企業の多くは、事業の安定性を欠き、フリーキャッシュフローは赤字に留まる状況です。当ファンドでは、今後の動向を注視しつつ、魅力的な投資機会を探っていきたいと考えます。当ファンドが保有する(クリーン・エネルギーへの)移行期にある電力会社の多くは、再生可能エネルギー事業との相乗効果を活かし、既にグリーン水素のサプライチェーンの一部を構成しています。
【メタン排出量削減プロジェクト】
「インフレ抑制法案」では、石油・ガス施設から基準値を超えて排出されるメタン排出量に対する課税を定めています。法案の記載によると、油井・ガス田およびパイプラインならびにその他のインフラ施設からのメタン漏れに対し、2026年以降、一部の事業者には、1トン当たり最大1,500米ドルが課税されますが、大手企業の大半が法案の要件を満たせず、課税を余儀なくされることが予想されます。法案の成立は、石油・ガス産業に対する再生可能エネルギー産業の経済面での競争力を一段と高めることになり、クリーン・エネルギーへの移行を加速させることが期待されます。
【国内製造業の支援】
太陽光発電や風力発電に使われる部品、電池セル、モジュール等の国内製造業者およびクリーン・エネルギーのバリューチェーンに含まれるその他「重要鉱物資源」の国内生産者には税額控除が適用されます。
(ご参考)足元の当ファンドの状況
2022年7月の世界の主要株式市場は、年初来の軟調な展開から一転して、力強く上昇しました。このような環境下、当ファンド(マザーファンド)の7月のリターンは先進国株式を上回りました。
当ファンドで保有している企業の2022年4-6月期決算では、再生可能エネルギーやエネルギー効率化、省資源化など幅広いセクターの企業が、マクロ環境の低迷にもかかわらず、総じて堅調な業績を発表しました。太陽光発電関連企業は、エネルギーの自立を目指す欧州各国の需要増を追い風に、特に堅調でした。クリーン・エネルギーへの移行を支える力強い長期トレンドは、景気循環に左右されにくく、上昇基調を維持するものと考えます。
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