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- iTrustバイオ|2023年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント
●2023年1-3月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは下落したものの、バイオ医薬品株式の代表的な指数を上回る
●金利上昇には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
2023年1-3月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは下落したものの、バイオ医薬品株式の代表的な指数を上回る
ピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは、2023年1-3月に-1.4%の下落となりましたが、バイオ医薬品株式の代表的な指数であるナスダック・バイオテクノロジー指数(円ベース)の同-2.3%は上回りました(図表1参照)。
2023年1-3月のバイオ医薬品株式市場(ナスダック・バイオテクノロジー指数)は、株式市場が米国の利上げペース減速期待や中国のゼロコロナ政策解除による景気回復期待などを背景に情報技術セクターを中心に上昇する中、米国株式市場(S&P500種株価指数)を下回るパフォーマンスとなりました。またシリコンバレー銀行破綻の影響などにより中小型銘柄が軟調な動きとなったことも、中小型銘柄の多いバイオ医薬品株式市場にとってマイナス要因となりました。
2022年1-3月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドのパフォーマンスがナスダック・バイオテクノロジー指数を上回った要因としては、組入上位のサノフィ(フランス)が堅調な株価推移となったことや、軟骨無形成症(小人症)患者向けのFGFR阻害経口薬の良好な治験結果を発表したブリッジバイオ・ファーマ(米国)、3月13日にサノフィによる買収が発表されたプロベンション・バイオ(米国)など株価が大きく上昇した銘柄の保有が挙げられます。一方、2022年12月に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療薬候補についての良好な治験結果を発表し株価が高騰した反動で2023年1-3月は株価が下落したマドリガル・ファーマシューティカルズ(米国)、鎌状赤血球の遺伝子治療薬の米食品医薬品局(FDA)への承認申請が遅れているブルーバード・バイオ(米国)の株価下落などはマザーファンドのパフォーマンスにとってマイナス寄与となりました。なおブルーバード・バイオは、4月24日にFDAに承認申請を行っています。
今後のポイント~金利上昇には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
バイオ医薬品企業は金利水準に敏感な一面があることから、米国や欧州などの利上げ長期化などには注意が必要です。また新型コロナ関連の売り上げが多かった企業についても、今後、感染が収束していけば、業績面で逆風に直面する可能性があるとみられます。
一方で、バイオ医薬品企業は、画期的な治療薬を提供し続けるものと予想され、相対的に高い利益成長が期待されます。また魅力的な新薬候補や高い技術力を求めて大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の動きは、2023年に入りファイザー(米国)によるシージェン(米国)の買収(買収金額:約430億米ドル)、メルク(米国)によるプロメテウス・バイオサイエンシズ(米国)の買収(買収金額:約108億米ドル)などの大型案件がみられており、今後も継続することが期待され、バイオ医薬品株式にとってプラスに寄与するものとみています。
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