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- iTrustバイオ|2024年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント
●2024年4-6月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは、バイオ医薬品株式の上昇や円安・米ドル高などが寄与し上昇
●金利の動向には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも引き続き注目
2024年4-6月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは、バイオ医薬品株式の上昇や円安・米ドル高などが寄与し上昇
ピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは、バイオ医薬品株式の上昇と円安・米ドル高などが寄与し2024年4-6月に11.3%上昇しました。なお、バイオ医薬品株式の代表的な指数であるナスダック・バイオテクノロジー指数(円ベース)の同+9.8%を上回りました(図表1参照)。
2024年4-6月の世界の株式市場は、4月は米国の利下げ開始が先延ばしされるとの見方が強まる中、米国の長期金利が上昇したことや中東情勢の緊迫化懸念などを背景に下落しました。しかし、5月以降は、米国の消費者物価指数の伸びが鈍化したことなどを背景に米国の利下げ観測が高まり、長期金利が低下したことから、世界の株式市場は反発しました。またバイオ医薬品株式についても、4月に上昇した米国の長期金利が、5月、6月と低下基調となったことや、良好な治験結果の発表、新薬の承認などが好感され、上昇しました。為替市場では、日米の金利差が意識され、円安・米ドル高となりました。
2024年4-6月に、組入上位銘柄のうちプラス寄与が大きかった主な銘柄は、アムジェン(米国)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)、アルナイラム・ファーマシューティカルズ(米国)などでした。アムジェンは、経営陣が肥満治療薬候補の治験の途中解析結果について自信を示したことなどが好感され、株価が上昇しました。バーテックス・ファーマシューティカルズとリジェネロン・ファーマシューティカルズは、2024年1-3月期決算が市場予想を上回ったことなどが株価の上昇要因となりました。アルナイラム・ファーマシューティカルズは、アミロイド神経症治療薬アムヴトラのアミロイド心筋症への適応拡大のフェーズ3治験において良好な結果を発表したことが好感され、株価が大きく上昇しました。
組入上位銘柄以外では、既存薬の気管支拡張症への適応拡大のフェーズ3治験で良好な結果が得られた米国のバイオ医薬品企業の株価が大きく上昇しました。
一方、組入上位銘柄のうちマイナス寄与が大きかった銘柄は、ギリアド・サイエンシズ(米国)などでした。ギリアド・サイエンシズは、6月にHIV予防薬の大規模な試験で良好な結果を得たことを発表し、株価が反発しましたが、4月から5月にかけて2024年通期の利益見通しを引き下げたことや抗CD47抗体薬マグロリマブの開発中止などが影響し株価が軟調だったことが影響し、当四半期を通じてみると株価が下落しました。
組入上位銘柄以外では、がん診断技術を手がける子会社の売却をめぐる不透明感などから米国の大手遺伝子解析会社の株価が下落しました。また地図状萎縮(GA)薬に強みを持つ米国のバイオ医薬品企業は、欧州での承認の行方や競合他社との競争激化懸念などの先行き不透明感から株価が下落しました。
2024年4-6月の投資行動
2024年4-6月に当ファンドでは、アミロイド神経症治療薬アムヴトラのアミロイド心筋症への適応拡大のフェーズ3治験において良好な結果を発表したことが好感され、株価が大きく上昇したアルナイラム・ファーマシューティカルズの組入比率が高まりました。
また肥満治療薬候補への期待が高まるアムジェンやHIV予防薬の大規模な試験で良好な結果を発表したギリアド・サイエンシズの組入比率を引き上げました。
一方、足元、株価が上昇していたバーテックス・ファーマシューティカルズやリジェネロン・ファーマシューティカルズなどの組入比率を引き下げました。
今後のポイント~金利の動向には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも引き続き注目
バイオ医薬品株式は、金利感応度が相対的に高い一面があります。そのため、米国では利下げ観測が高まってきてはいますが、引き続き米国のインフレや政策金利の動向には注意が必要と考えます。また、薬価引き下げの動きや米国大統領選挙の動向、治験結果の発表、決算の内容などが株価動向に影響を与える可能性などに注視が必要と考えます。
一方で、バイオ医薬品企業は、長期的に世界の人口増加と高齢化が同時に進展することが予想される中で、画期的な治療薬を提供し続けると予想されており、相対的に高い利益成長が期待されます。また特許区切れ問題に直面している大手医薬品企業は、治療薬のラインナップやパイプライン(新薬候補)を充実させることが求められています。そのため魅力的な新薬候補や高い技術力を獲得を目的とした大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の動きは、複数の大型案件がみられた2023年に続き、堅調に推移することが期待されており、バイオ医薬品株式にとってプラスに寄与するものとみています。
引き続き、当ファンドでは、事業の収益性や安定性、バリュエーション(投資価値評価)の水準、株価の下落耐性などを考慮して銘柄選定を行い、リスクを抑えたポートフォリオを構築していく方針です。
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