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- ノアリザーブ/ノアリザーブ1年|FOMCを受けた運用チームの見解
● 6月13~14日(現地時間)に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた運用チームの見解をご紹介します。
FOMCの結果概要
6月13~14日(現地時間)に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標範囲は5.00-5.25%に据え置かれました。
しかし、同時に発表されたFOMCメンバーの経済予測(SEP)によれば、2023年末のFF金利予想の中央値は5.6%と、前回3月時点の5.1%から0.5%引き上げられており、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が再びタカ派色を強めるのではとの警戒の声も聞かれます。
現状認識
2023年のコア個人消費支出(PCE)価格指数の伸び率予想の中央値が前回3月時点の3.6%から今回3.9%へと引き上げられたことに伴い、ドットチャートで示されるFOMCメンバーによるFF金利の予想も引き上げられています。しかし、現状のままでも、実質FF金利は1.2%程度*と計算され、これはニューヨーク連銀が推計する自然利子率**(2023年第1四半期のHLWモデル推計は0.6%)を0.6%も上回る水準です。ただし、過去の利上げ局面では、実質FF金利は自然利子率の推計値を0.8~1.0%上回る水準でピークをつけており、SEPであと2回の利上げ(+0.5%)が想定されていることも理解できます。
*本稿発行時点のFF金利の誘導目標範囲の中央値5.125%とSEPの2023年コアPCE価格指数伸び率3.9%より計算
**経済・物価に対して引き締め的にも緩和的にも作用しない中立的な実質金利の水準
FOMCを受けた運用チームの見解
今回、ドットチャートで更なる利上げが示唆されましたが、運用チームは追加利上げの実施には懐疑的な見方をしています。
(1)米銀の貸出が鈍化することで信用が次第にひっ迫するとみられること、(2)FRBによる量的金融引き締めが継続していることなど、利上げ以外の金融引き締め要因が存在するためです。さらに、2023年の利上げ幅が大きくなると、2024~2025年の利下げ幅が大きくなる可能性があることから、FOMCとしては平準化を図るために今年の利上げを抑制することも考えられます。
ちなみに、SEPでは2023年の実質GDP成長率予想が前回3月時点の0.4%から今回1.0%へと上方修正されましたが、ピクテのエコノミストチームは、米国の2023年後半の実質成長率は急速に低下すると予想しています。
FOMCの結果は、概ね運用チームが想定していた内容から大きく逸脱するものではありませんでした。SEPでややタカ派的な見通しが示されたことには意外感があるものの、これはインフレ率が想定通りに低下しなかった場合に備えたFRB自身の「保険」としての意味合いが強いと考えています。
このため、現時点で運用方針に変更はありません。
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