- Article Title
- 中国の不動産・金融市場の見方と新興国投資戦略
●破産法の適用申請をした中国恒大集団、破綻が懸念される碧桂園控股などの保有はなし
●市場の不透明感が強まっているため、金融や不動産セクターへの慎重姿勢が必要
●新興国の成長見通しには変更がなく、新興国は中長期的に先進国の成長を上回ると予想
■ 中国不動産大手の破綻
8月17日に、中国不動産大手の中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)が米連邦破産法15条の適用を申請し、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)がデフォルト(債務不履行)の危機に瀕するなど、不動産市場は引き続き流動性がひっ迫し、市場では先行き不透明感が強まっており、株式市場のマイナス要因となっています。
■ 破産法の適用申請をした中国恒大集団、破綻が懸念される碧桂園控股などの当ファンドの保有はなし
当ファンドでは破産法の適用申請をした中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)(※2023年8月17日時点)、破綻が懸念される碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)(※2023年8月14日時点)、遠洋集団控股(シノ・オーシャン・グループ・ホールディング)(※2023年8月17日時点)の当ファンドの保有はありません。
■ 市場の不透明感が強まっているため、金融や不動産セクターに慎重姿勢が必要
現時点では、一連の中国恒大集団の破綻法適用申請や碧桂園控股などのデフォルトの可能性が金融システムにシステミック・リスクをもたらすとは考えていませんが、市場の不透明感が続いていることが懸念されることから、金融や不動産セクターへの投資には慎重姿勢が必要と考えます。
■ 中国不動産大手の危機の背景
中国では、2021年の引き締め的政策と新型コロナウイルスの感染拡大に起因する2022年末までの厳格なロックダウン措置の後で不動産市場が鈍化し、複数の民営不動産デベロッパーがデフォルト(債務不履行)に陥るなど、同国の不動産市場は大きく揺らいでいます。中国の住宅市場を安定化させるとする政府表明を受けて市場参加者の間ではより積極的な政策支援への期待が高まっていますが、全般的にぜい弱であるマクロ環境下において消費者マインドが弱い状態であるため、これまでの断片的な措置では住宅市場の減速トレンドを食い止めることは殆どできておらず、今後の政策効果は不透明です。
■ 中国の銀行セクターは割安だが、当面慎重な見方を継続
中国の銀行セクターは割安で、配当利回りは高い水準にあるとみてはいますが、引き続き慎重な見方をしています。リスク要因として、中国では多くの融資平台(LGFV、地方政府のインフラ投資会社)の財務状況が悪化していることが挙げられます。LGFVは銀行から融資期間の延長や適用金利の引き下げを受ける可能性が高くなっています。これに加えて、特に住宅ローンを中心に全体的に金利引き下げ圧力がかかっていることは、今後数四半期にわたって銀行の純金利マージン(NIM)を圧迫する可能性が高く、銀行の収益性に対する懸念が高まっており、この点で特に慎重な見方をしています。
■ 引き続き投資機会があるとみる
中国の景気回復にはばらつきがあり経済活動の再開は順調には進んでいない状況で、消費者のマインドは停滞していますが、その一方、業績が堅調な企業は存在し、引き続き投資機会は十分にあると考えています。また、同国はデジタル化やテクノロジー、環境の改善といった重要なテーマを今後けん引していく存在であると引き続き考えています。
長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。
新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあるとみています。
当ファンドの投資対象は、様々な新興国や業種に分散投資しています。コロナ後の経済再開への期待が高まる一方、物価の高止まりによる景気後退懸念も台頭しています。こうした市場の不透明感が強まる局面では、分散投資が重要と考えます。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。
お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。
関連記事
日付 | タイトル | タグ |
---|---|---|
日付
2023/09/27
|
タイトル 新興イン | 株式投資の次の一手は? ~割安な新興国高配当株式に注目 | タグ |
日付
2023/05/30
|
タイトル 新興イン | 新興国と先進国の経済成長率格差拡大は、 新興国株式に追い風か? | タグ |
日付
2022/12/22
|
タイトル 歴史的にも相対的にも割安な新興国高配当株式(2022年11月末アップデート) | タグ |
日付
2022/08/30
|
タイトル 新興イン | 相対的に割安な新興国高配当株式~PER水準別・投資期間別の株価騰落率に注目 | タグ |
日付
2021/12/07
|
タイトル 新興国金融市場の自由化 | タグ |
日付
2021/11/26
|
タイトル 物価上昇局面では新興国高配当株式に投資すべきか? | タグ |
日付
2021/10/29
|
タイトル 商品価格の上昇は新興国株式市場に追い風か? | タグ |
日付
2021/10/13
|
タイトル 中国の不動産リスクの新興国株式への影響は? | タグ |
日付
2021/08/04
|
タイトル 景気拡大かつ物価上昇局面での新興国株式市場 | タグ |
日付
2020/12/25
|
タイトル 新興国高配当株式の投資機会到来とみる理由 | タグ |
日付
2020/09/30
|
タイトル 米ドル相場から読み解く新興国株式の今後 | タグ |
日付
2020/09/17
|
タイトル 今、改めて新興国株式の投資魅力を考える➁ | タグ |
日付
2020/09/09
|
タイトル 新興国株式で今、起きていること 2020年9月 | タグ |
日付
2020/09/01
|
タイトル 今、改めて新興国株式の投資魅力を考える① | タグ |
日付
2020/07/10
|
タイトル 新興国株式の重石となっていた資源価格に回復の兆し | タグ |
日付
2020/06/08
|
タイトル 引き続き全体としては慎重な見方を継続 | タグ |
日付
2020/06/03
|
タイトル 景気回復への確信が高まる局面での「バリュー株」復活に期待 | タグ |
日付
2020/05/27
|
タイトル 2020年年初来の新興国株式市場と当ファンドのパフォーマンス | タグ |
日付
2020/05/22
|
タイトル 新興国企業の配当持続性に期待 | タグ |