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- セキュリティ|2022年上期の振り返りと今後の展望 先行き不透明な中、銘柄選別を強化
(ポイント)
● 2022年前半のセキュリティ関連企業の株価は総じて下落
● 「安全・安心」ニーズのさらなる高まりや、バリュエーション水準の低下は株価の下支えに
● 先行き不透明な中、ディフェンシブ・グロース性に注目した銘柄選別を強化
2022年前半は下落
2022年前半、当ファンドの投資先であるセキュリティ関連企業の株価は総じて下落しました。相対的に景気敏感な傾向がある「セキュリティ関連機器」分野の銘柄は、世界経済の先行き不透明感が重荷となったほか、インフレによるコスト増が収益を圧迫するとの懸念が高まったことなどがマイナス材料となりました。また、米長期金利の急上昇などを受けて、高バリュエーション(投資価値評価)のハイテク銘柄が売られやすい相場展開となる中で、「セキュリティ関連サービス」分野のキャッシュレス関連銘柄や「ITセキュリティ製品」分野の半導体関連やサイバーセキュリティ銘柄などが、特にマイナスの影響を大きく受けました。
【問】 今後のセキュリティ関連企業の株価動向を、どのようにみていますか?
【答】 「安全・安心」ニーズのいっそうの高まり、バリュエーション水準の低下などが株価の下支えになると考えます。
- 世界情勢の不安定化を受けた「安全・安心」ニーズの高まりは追い風
足元では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をはじめ、地政学リスクが高まっていることなどを背景に、サイバー攻撃が増加しています。こうしたことから、サイバーセキュリティの重要性が改めて注目されています。加えて、経済格差や人種、性別などに起因する様々な社会問題も世界を不安定化させています。不安定な世界情勢の中で、人々の生活に欠かせない重要インフラを守るため、より高度な入退室管理などのアクセス制御、生体認証やデジタル認証技術へのニーズが高まることも期待されています。
「安全・安心」へのニーズがいっそう高まっていることは、セキュリティ関連企業の株価の追い風となるとみています。
- バリュエーション水準は低下
昨年までの堅調な株価推移を背景にセキュリティ関連企業の株式のバリュエーションは、高水準にありました。足元の株価下落により、この水準は低下しています。特に、中長期的な成長期待が高く、かつ、強固なファンダメンタルズ(基礎的条件)を持つ銘柄については、バリュエーションが低下したことで、投資の魅力が再び高まっている可能性もあるとみています。
- M&Aが再び活発となる可能性も
バリュエーション水準の低下により、セキュリティ関連企業の間で次世代技術の獲得や規模のメリットを狙った企業の合併・買収(M&A)の動きが再び活発となる可能性もあるとみています。こうした動きが、セキュリティ関連企業の株価を押し上げる可能性もあるとみています。
【問】警戒すべきリスクはありますか?
【答】 世界経済の減速・後退により、企業業績へのマイナスの影響が懸念されます。しかし、多くのセキュリティ関連企業は、ディフェンシブ・グロースの特性を備えており、株価も相対的に底堅く推移するものと考えられます。
- 先行き不透明な世界経済、企業業績へのマイナスの影響が懸念される
足元では、さらなるインフレや、米国をはじめとした主要中央銀行のより積極的な金融引き締めなどに対する警戒感が高まっており、世界経済の先行き不透明感が強まっています。こうした流れの中で、個人消費や企業の設備投資が減速する可能性があり、この点はセキュリティ関連企業だけでなく、多くの企業の業績にマイナスの影響を及ぼすと懸念されます。さらに、インフレの影響を受けて投入コストが増加し、企業収益の圧迫要因になるとの懸念も強まっています。
- ディフェンシブ・グロースの特性が株価下支え
厳しい市場環境下、当ファンドの運用に際しては、相対的に安定したキャッシュ・フローを生み出せるビジネスモデルを有する企業を選好し、ディフェンシブ・グロースの特性をより発揮できるように銘柄選別を強化していく方針です。
データセンターやホームセキュリティなどの警備サービス、さらには各種検査受託サービスなどのサービス系の分野は、顧客との契約をベースに各種サービスを提供しています。そして、その契約期間は比較的長く、安定した契約関係を築いているのが特徴です。また、サイバーセキュリティ企業も、サブスクリプションモデル(製品やサービスを一定期間利用する権利に対して、継続的に一定金額を課金。企業側にとっては、定期的に収入が見込める)を取り入れる企業が多くなっています。こうした企業は、経済サイクルのあらゆる局面で相対的に安定したキャッシュ・フローを生み出し、長期的に安定した利益成長を実現できると考えられることから、ディフェンシブ・グロースの特性があると考えています。
こうした特性は、株価の下支えにもなり、相対的に底堅い株価推移が期待できると考えています。
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