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- 米国の輸入先、中国首位脱落、メキシコが1位に
●米中貿易摩擦を背景に、米国の輸入先、中国首位脱落、メキシコが1位に
●若い労働力と安い賃金、サプライチェーン(供給網)構築隣接性が優位に
●モノの流れの変化や国内の好調な投資を反映し、メキシコ株式はアウトパフォーム
■ 米国の輸入先、中国首位脱落、メキシコが1位に
2023年上期(1-6月)には米国の国別輸入金額(6カ月累計)において、メキシコが中国を抜き、首位となり、足元(2023年9月)でも中国を上回って推移しています。米中対立を背景に、米国が進める友好国とのサプライチェーン(供給網)構築が、メキシコからの輸入拡大の追い風とみられます。
2020年7月には、 関税免除のための域内原産割合が高まるとともに、非市場経済国とのFTA(自由貿易協定)締結を阻む、米国・カナダ・メキシコ協定(USMCA)が発効されています。
こうした動きが、生産拠点を消費地の近隣国に移転するニアショアリングの流れを後押しし、メキシコにおける投資活性化に寄与しています。2023年上半期の対内直接投資額は過去最高を記録し、その後も拡大しています。また、2023年上半期の国内総固定資本形成(メキシコ国籍企業の投資を含む)は、前年同期比18%増と、GDP成長の最大のけん引役となり、雇用や消費の拡大に波及しています。
こうしたモノの流れの変化や国内の好調な投資を反映するように、2020年8月末以降、株式市場も堅調に推移し、メキシコ株式は、中国株式や新興国株式を大きくアウトパフォームしています。
■ 中長期的に労働人口の増加は経済成長や株価に寄与
労働人口の増加は、生産活動や消費拡大につながり、経済成長や株価の上昇に寄与すると考えられます。過去の実績では、メキシコは、労働人口の増加とともに、GDPが拡大し株価も上昇してきました。メキシコでは、今後も2035年に向けて、労働人口は増加すると予想されています(世界銀行予想)。
■メキシコの低い賃金水準は直接投資を呼び寄せ、輸出拡大要因に
競争力のある豊富な労働力がメキシコの強みです。メキシコの製造業の賃金は、一般ワーカーで米国の8分の1程度、エンジニアで3分の1程度、中国や他の新興国と比べても低い水準です。また、同国の平均年齢は29歳と若い労働力を有しています。メキシコへの多国籍企業進出に向けた諸要因の影響調査では、米国との近接性に次いで、安い給与水準が大きく影響している結果となっています。
■ メキシコ銘柄紹介:フォメント・エコノミコ・メヒカーノ(メキシコ、飲料)
会社概要:
非アルコール飲料を生産・販売。中南米の飲料事業では、時価総額第2位、メキシコ株式指数で時価総額第3位の銘柄。(MSCI指数構成銘柄の時価総額ランキング(米ドルベース、2023年11月末時点)
1890年にビール会社として創業を開始。同社の連結利益のおよそ2割(2022年度)を占めるコカコーラ・フェムサ(メキシコ、飲料)の株式を保有し、コカコーラ社システムの一部としてメキシコをはじめ中南米で事業展開。世界最大規模のコカコーラのボトリング事業を担っており、 「コカ・コーラ」ブランドの炭酸飲料、水、ジュース、コーヒー、紅茶、ミルク、乳製品、スポーツドリンクなど無炭酸飲料を生産。
同社の利益のおよそ半分を占める小売事業では、中南米を中心に事業を展開。米州最大級の店舗数を誇るコンビニの「OXXO(オクソ)」、中南米最多の店舗を有するドラッグストア関連ビジネス、ガソリンスタンドなどを展開。
中南米における小売事業の出店ペースは、コロナ禍前のレベルに戻る可能性が高いとみられ、同社の収益拡大を後押しすると期待される。2019年から2022年にかけては様々な業種にわたる20以上の買収を発表。欧州でも買収によりコンビニ事業を拡大。
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