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- 新興国の労働人口増加国の株式市場見通し
●7月半ば以降、世界的な株安と円高が進行
●新興国の株式市場については、1)予想される米国の利下げと米ドル安がプラスに寄与すること、2)先進国を上回る経済成長期待、3)米ドルに対して割安な新興国通貨、4)割安な株式のバリュエーション、などが株価を下支えするとみる
■ 足元の金融市場環境~7月半ば以降、世界的な株安と円高が進行
世界の株式市場(円べース)は、2024年7月10日を直近のピークに下落基調に転じ、8月初旬にかけて大幅下落となりました。生成AI(人工知能)の利用拡大への期待から大きく上昇してきたハイテク関連が、米国の中国に対する半導体への貿易制限を巡る懸念などから下落に転じたことや、米国景気の減速懸念の高まりなどが背景となりました。その後世界の主要株式市場は8月5日をボトムに反発していますが、値動きの大きい展開となっています。
米ドル・円為替市場では、7月末には米国が政策金利を据え置く一方、日本は政策金利を引き上げたことに加え、当局関係者の発言で更なる日米金利差縮小の観測が強まり、急激に円高が進行しました。
こうした市場環境のもと、新興国株式市場では、ハイテク関連の比率の高い韓国や台湾、総選挙後の新政権の政策や対米交渉などに不透明感が残るメキシコなどの下落率が相対的に大きくなりました。
当ファンドの基準価額も大きく下落しましたが、当ファンドの投資対象である新興国の労働人口増加国の株式の多くは、労働人口減少国の株式と比べて下落率が相対的に小さく、新興国株式平均よりも下落率が小幅にとどまりました。
■ 新興国の労働人口増加国の株式市場見通し~中長期見通しに変更なし
新興国の株式市場については、1)予想される米国の利下げと米ドル安がプラスに寄与すること、2)先進国を上回る経済成長期待、3)米ドルに対して割安な新興国通貨、4)割安な株式のバリュエーション(投資価値評価)などが、株価を下支えするとみています。
ピクテでは、米国が景気後退に陥る可能性は少ないとみていますが、インフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標に近づいていることから、必要であれば利下げに踏み切る余地があると考えています。それに伴う、米国金利低下は米ドル安要因となり、新興国株式にプラスに寄与すると予想しています。過去の推移からは、米ドルが下落する局面では新興国株式が堅調に推移する傾向がみられました。
そうしたなか、当ファンドの投資対象である新興国の労働人口増加国の株式に関しては、ハイテク銘柄の構成比が大きい台湾、韓国や、不動産問題、米中貿易規制強化や台湾との緊張などが懸念される中国などが含まれないことなども、強みになるとみています。
当面は、地政学リスクの高まりや主要国の金融政策動向などによる金融市場のボラティリティ(価格変動)の高まりが、新興国株式市場にマイナスとなる可能性に留意する必要があります。
中長期的には、新興国の労働人口増加国の経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大などの構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有すると考えており、それに伴う株価上昇が期待できるとの見方に変更ありません。
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