- Article Title
- 中東・イスラム経済圏のハブ、UAEと中東の魅力
●中東では、アラブ湾岸6ヵ国のGCCの経済協定やアジア及び欧州諸国との経済協力が拡大
●サウジアラビア、UAEを中心とした石油依存型経済からの脱却が経済成長をけん引
●中東・イスラム圏の人口は、2050年には27億人にまで増加し、経済拡大に寄与するとみる
■ イスラム圏の脱石油に向けた経済転換と人口増が中東の経済成長を後押し
【中東の経済協力の推進】
中東の集団安全保障を担う湾岸協力会議(GCC)は、中東の主要国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、クウェート、オマーンのアラブ湾岸6カ国の協力機構です。GCCでは域内関税の撤廃や域外産品に対する共通関税の設定、域内労働力の自由な移動の承認、共通通貨の創設、湾岸投資公社(GIC)の創設などの協力も進められています。こうした域内協定に加え、石油収入依存からの脱却のため国外からの投資を呼び込む政策を強化するなか、アジアや欧州諸国も、中東産油国のオイルマネーを呼び込むために、各国との経済協力を広げており、サウジアラビアやUAEを中心に域内経済の拡大や産業の多角化進行が期待されます。
【世界最大級の産油国、サウジアラビア】~経済多様化と非石油部門の成長を促進するビジョン2030が進行
中東で最も経済規模が大きいサウジアラビアは世界最大の石油輸出国です。石油産業は主要な経済の柱であり、政府の収入源ですが、経済の多様化と非石油部門の成長を促進するために、ビジョン2030と呼ばれる、観光、製造業、金融サービスに加え、交通、水処理、グリーンエネルギーへの移行などの国家プロジェクトを推進しています。特に非石油部門における外国人投資を奨励、増加している若年層の雇用創出と起業家精神の育成などにも注力しています。国家投資戦略においては、2021年から2030年にかけて約3兆ドルの外国の直接投資が行われることを目標とし、促進のために法制度を改革することや、地域統括会社(RHQ)の誘致策などを発表しています。
【イスラム経済圏のハブUAE】~10年後には世界の経済都市と金融センターのトップ入り目指す
UAEは、中東でサウジアラビアに次ぐ経済規模ですが、石油から得られた収益を元手に、空運、海運、自由貿易地域、タックスヘイブン(租税回避地)などを、イスラム圏のハブの役割を果たすべく整備してきたことで、ドバイを中心に、経済が急速に発展しています。ドバイでは2023年に、今後10年間で約9兆ドル規模の目標を掲げた経済計画を進め、貿易と外国からの投資の大幅な拡大により、「世界トップクラスの経済ハブ」を目指す方向に舵をきっています。
【経済圏の人口の増加が経済成長に寄与】
UAEやサウジアラビアをはじめ中東を中心とした、イスラム圏の人口は、2050年には27億人にまで増加すると予想されています(世界銀行予想)。脱石油に向けて活発化する中東では、脱石油に向けて経済転換が進められていくなかで、労働人口の増加が中長期的な成長に寄与するものと期待されます。
■ 中長期的に労働人口の成長は経済成長や株価に寄与
労働人口の増加は、生産活動や消費拡大につながり、経済成長や株価の上昇に寄与すると考えられます。過去の実績では、UAEやサウジアラビアでも、労働人口の増加とともに、GDPや株価が上昇してきました。今後も2035年に向けて、労働人口は増加すると予想されています(世界銀行予想)。中東・イスラム圏でも、インフラ拡充や経済協力の推進に加え、労働人口の増加が寄与し中長期的な経済成長が期待されています。
UAEでは、宗教的に寛容で多様性を促進しています。また、ドバイの経済発展と共に外国企業がドバイに進出、ロシア、香港、中国などの富裕層に加え、労働需要増を背景にパキスタン、バングラデシュ、インド等の周縁国からも、外国人が多く流入しています。ドバイ中心に人口は大幅に増加し、経済成長に寄与しています。
こうした経済成長のもと、UAEやサウジアラビア株式市場の株価は新興国株式平均を上回って推移しました。
■ (ご参考) エマール不動産(UAE、不動産)
会社概要:
エマール不動産は、2000年に設立された、アラブ首長国連邦(UAE)に本拠を置く世界的な不動産開発会社です。国内外の主要な都市で多くのプロジェクトを展開し、高品質な不動産開発が強みとなっています。不動産の投資、開発、管理サービスのほか、姉妹会社のエマール・ディベロップメントを通じて、ショッピングセンターやホテルの運営なども手がけています。
同社はドバイの不動産市場で、世界一の高さを誇る超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」、巨大なショッピングモール「ドバイモール」、高級住宅地「ドバイ・マリーナ」などの革新的なプロジェクトを手掛けてきました。また、サウジアラビア、エジプト、トルコ、インド、パキスタンなど、さまざまな国でプロジェクトを進めています。
2020年には、新型コロナウイルスのパンデミックが世界的に経済に大きな影響を与えたため、ドバイの不動産市場も一時的な減速を経験しましたが、その後、2021年には需要が増加に転じ、回復しはじめています。
また、同社は再開発に適した土地を政府より優先的に購入しています。魅力的な不動産開発が進み、経済の中心地としてUAEは発展してきましたが、近年は香港、中国、ロシアの富裕層の居住者も流入しており、経済成長が期待されます。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。