Article Title
トランプ2.0下で注目すべき新興国株式は?
2024/12/20

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●トランプ氏の追加関税の影響~新興国の労働人口増加国は漁夫の利を得る国があるとみる
●米国金利上昇の可能性があるが、新興国経済や金融市場への影響は相対的に少ないとみる
●新興国株式市場は、米国から資金流出の受け皿になる可能性も



Article Body Text

■ トランプ氏の追加関税の影響~新興国の労働人口増加国は漁夫の利を得る国があるとみる

米国大統領選で勝利したトランプ氏は、対中関税の大幅引き上げや隣国のメキシコ・カナダへの関税引き上げなどを表明しており、今後暫く、標的となった国を中心に、金融市場のボラティリティ(価格変動)が高まる可能性があります。ただし、トランプ政権の1期目の関税交渉では、早期に通商問題などについて譲歩を行い、最悪の事態を回避しようとした国もあり、最終的に課された関税は、初期に提示されたものよりも穏やかでした。ただし、中国などはトランプ政権が仕掛ける通商戦争の直撃を受ける可能性があるとみています。一方、中長期的には新興国の労働人口増加国を中心に、標的となった国からの回避やサプライチェーンの分散化の動きなどにより、好影響をうける可能性があり、短期的な株価の調整は、当ファンドの投資対象国の株式に、中長期的な投資機会を提供するものとみています。

下図は、日本貿易振興機構 アジア経済研究所(IDE-JETRO) が、公約発表時点で第2次トランプ政権が掲げる関税引き上げが各国・地域のGDPに及ぼす影響を分析したものです。米国の関税が、2025年に中国に対して60%に、その他すべての国に対して20%に引き上げられたと仮定し、ベースライン・シナリオと関税引き上げシナリオについて、2年後の2027年時点で比較し、各国・地域のGDPの差分を関税引き上げの影響としています。分析結果は、米国の関税の引き上げは、標的となった国のみならず、米国もマイナスの影響を被ることになる一方、それ以外の一部の国や地域では「漁夫の利」を得ることを示しています。

■ 米国金利上昇の可能性があるが、新興国への影響は相対的に少ないとみる

トランプ新政権は政府の効率化や規制緩和を表明していますが、社会保障費などの主要支出項目については政治的な制約を受けると同時に、減税を推し進めると思われます。米国議会予算局は、トランプ新政権の政策が実行されれば、米国の債務負担がGDPの143%に上昇すると予想しています。追加関税によるインフレの高進に加えて、米国の債務状況の悪化は、米国金利の上昇要因となるとみられます。

これまでは、米国の金利上昇は、新興国市場にとってマイナスに作用してきましたが、現在は、1990年代後半のアジア通貨危機時の状況とは大きく異なり、以下の要因を背景に、多くの新興国で、米金利上昇に対し一定の耐性がみられています。

1)相対的に軽い債務負担、高い経済成長率、良好な人口動態見通しなど、先進国より良好な新興国経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)、

2)中央銀行の信任や財政規律の改善、

3)現地通貨建て債券に対する国内需要の拡大による米ドル資金への依存度の低下など

コロナショック後も、多くの新興国の中央銀行は、全体として世界的なインフレ高騰に対して、先進国よりも機動的に対応し、インフレの高進を押さえ、先んじて政策金利の引き下げを行なっています。

米国金利の新興国経済への影響に関しては、今後更に低下していくものとみています。

■ 新興国株式市場は、米国から資金流出の受け皿になる可能性も

新興国は世界のGDPの約6割(2023年国際通貨基金(IMF)データ)を占めており、金融市場においてもその存在感を示しつつあります。新興国株式の時価総額は約7.7兆米ドルに上り、流動性も比較的高くなっています。米国株式の時価総額が約53兆米ドルであることとGDPの規模を考慮すると、新興国株式の時価総額は拡大する余地が大きいと期待されます。※新興国株式:MSCI新興国株価指数、米国株式:MSCI米国株価指数、2024年11月末現在

米国の債務状況の悪化や保護主義の台頭などを背景に、一部の政府系ファンドなどではポートフォリオの一部を新興国の資産にシフトさせる動きがみられています。今後、同様の動きが広がった場合には、新興国の金融市場は米国から流出する資金の受け皿としての恩恵を受ける可能性があると考えられます。

 

 

■ 割安な株式のバリュエーション(投資価値評価)

新興国の労働人口増加国株式の多くで、バリュエーションの一つである株価収益率(PER)は、現在、過去10年の平均や世界株式や米国株式などと比較して、低い水準となっています。

 

■ 新興国の労働人口増加国に着目する当ファンドは過去3年で新興国株式、世界株式をアウトパフォーム

過去3年間の実績では、当ファンドのパフォーマンスは、世界株式や新興国株式平均を上回って推移しました。

 

■ 超過投資収益の源泉は一般的な新興国株価指数と一線を画す国別構成比

一般的な新興国株価指数では構成比率の50%超を中国・台湾・韓国が占めていますが、2024年11月末現在、当ファンドの投資対象国ではありません。投資対象である労働人口増加国に関しては、特定地域に偏らない分散された国別構成比率となっています。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

iTrust新興国株式



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/12/09
タイトル iTrust新興国株式|「働きざかりに」に着目すると 株価パフォーマンスは好調な結果になるとみる タグ
日付
2024/09/06
タイトル iTrust新興国株式|新興国の労働人口増加国の株式に注目する理由 タグ
日付
2024/08/16
タイトル iTrust新興国株式|新興国の労働人口増加国の株式市場見通し タグ
日付
2024/06/28
タイトル iTrust新興国株式|インドだけじゃない!良質な経済成長の原動力を有する労働人口増加国に注目 タグ
日付
2024/06/25
タイトル 新興国市場:メキシコ初の女性大統領~選挙戦の後の株価調整は中長期的な投資機会とみる タグ
日付
2024/06/24
タイトル iTrust新興国株式|米国金利低下で新興国の労働人口増加国株式に注目 タグ
日付
2024/06/04
タイトル iTrust新興国株式|米中対立や地政学リスクの高まりで、 メキシコ、ブラジル株式に投資機会到来か タグ
日付
2024/04/26
タイトル iTrust新興国株式|商品価格上昇継続か?恩恵を受ける新興国株は? タグ
日付
2024/04/05
タイトル iTrust新興国株式|良好な労働人口増加国株式のパフォーマンス タグ
日付
2024/02/22
タイトル iTrust新興国株式|中東・イスラム経済圏のハブ、UAEと中東の魅力 タグ
日付
2024/01/25
タイトル iTrust新興国株式|割安な新興国の労働人口増加国株式 タグ
日付
2024/01/19
タイトル iTrust新興国株式|2050年に世界最大の人口を擁する経済圏になると予想されるアフリカの中心国、南アフリカに注目 タグ
日付
2023/12/14
タイトル iTrust新興国株式|世界において、高まる「インド」の影響力 タグ
日付
2023/12/08
タイトル iTrust新興国株式|米国の輸入先、中国首位脱落、メキシコが1位に タグ
日付
2023/07/04
タイトル iTrust新興国株式|成長が期待される新興国の労働人口増加国投資~旺盛な消費拡大が経済や株価をけん引 タグ
日付
2023/05/30
タイトル iTrust新興国株式|新興国と先進国の経済成長率格差拡大は、 新興国株式に追い風か? タグ
日付
2023/05/12
タイトル iTrust新興国株式|成長が期待される新興国の労働人口増加国投資米国株投資から次の一手として期待か タグ
日付
2022/09/05
タイトル iTrust新興国株式|相対的に堅調な株価推移となった、新興国の労働人口増加国 タグ
日付
2022/06/15
タイトル iTrust新興国株式|年初来、底堅いパフォーマンスが続く タグ
日付
2022/03/25
タイトル iTrust新興国株式|資源価格上昇が追い風に タグ
日付
2022/02/22
タイトル iTrust新興国株式|2022年年初来、相対的に堅調なパフォーマンス タグ
日付
2021/09/22
タイトル 「労働人口増加国」に注目した、ユニークな新興国株式ファンド タグ
日付
2021/01/28
タイトル 中長期的な成長期待に加えて、世界経済の回復の恩恵を享受 タグ
日付
2020/06/16
タイトル 新興国株式への長期投資のすすめ タグ
もっと見る