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- トランプ2.0下で注目すべき新興国株式は?
●トランプ氏の追加関税の影響~新興国の労働人口増加国は漁夫の利を得る国があるとみる
●米国金利上昇の可能性があるが、新興国経済や金融市場への影響は相対的に少ないとみる
●新興国株式市場は、米国から資金流出の受け皿になる可能性も
■ トランプ氏の追加関税の影響~新興国の労働人口増加国は漁夫の利を得る国があるとみる
米国大統領選で勝利したトランプ氏は、対中関税の大幅引き上げや隣国のメキシコ・カナダへの関税引き上げなどを表明しており、今後暫く、標的となった国を中心に、金融市場のボラティリティ(価格変動)が高まる可能性があります。ただし、トランプ政権の1期目の関税交渉では、早期に通商問題などについて譲歩を行い、最悪の事態を回避しようとした国もあり、最終的に課された関税は、初期に提示されたものよりも穏やかでした。ただし、中国などはトランプ政権が仕掛ける通商戦争の直撃を受ける可能性があるとみています。一方、中長期的には新興国の労働人口増加国を中心に、標的となった国からの回避やサプライチェーンの分散化の動きなどにより、好影響をうける可能性があり、短期的な株価の調整は、当ファンドの投資対象国の株式に、中長期的な投資機会を提供するものとみています。
下図は、日本貿易振興機構 アジア経済研究所(IDE-JETRO) が、公約発表時点で第2次トランプ政権が掲げる関税引き上げが各国・地域のGDPに及ぼす影響を分析したものです。米国の関税が、2025年に中国に対して60%に、その他すべての国に対して20%に引き上げられたと仮定し、ベースライン・シナリオと関税引き上げシナリオについて、2年後の2027年時点で比較し、各国・地域のGDPの差分を関税引き上げの影響としています。分析結果は、米国の関税の引き上げは、標的となった国のみならず、米国もマイナスの影響を被ることになる一方、それ以外の一部の国や地域では「漁夫の利」を得ることを示しています。
■ 米国金利上昇の可能性があるが、新興国への影響は相対的に少ないとみる
トランプ新政権は政府の効率化や規制緩和を表明していますが、社会保障費などの主要支出項目については政治的な制約を受けると同時に、減税を推し進めると思われます。米国議会予算局は、トランプ新政権の政策が実行されれば、米国の債務負担がGDPの143%に上昇すると予想しています。追加関税によるインフレの高進に加えて、米国の債務状況の悪化は、米国金利の上昇要因となるとみられます。
これまでは、米国の金利上昇は、新興国市場にとってマイナスに作用してきましたが、現在は、1990年代後半のアジア通貨危機時の状況とは大きく異なり、以下の要因を背景に、多くの新興国で、米金利上昇に対し一定の耐性がみられています。
1)相対的に軽い債務負担、高い経済成長率、良好な人口動態見通しなど、先進国より良好な新興国経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)、
2)中央銀行の信任や財政規律の改善、
3)現地通貨建て債券に対する国内需要の拡大による米ドル資金への依存度の低下など
コロナショック後も、多くの新興国の中央銀行は、全体として世界的なインフレ高騰に対して、先進国よりも機動的に対応し、インフレの高進を押さえ、先んじて政策金利の引き下げを行なっています。
米国金利の新興国経済への影響に関しては、今後更に低下していくものとみています。
■ 新興国株式市場は、米国から資金流出の受け皿になる可能性も
新興国は世界のGDPの約6割(2023年国際通貨基金(IMF)データ)を占めており、金融市場においてもその存在感を示しつつあります。新興国株式の時価総額は約7.7兆米ドルに上り、流動性も比較的高くなっています。米国株式の時価総額が約53兆米ドルであることとGDPの規模を考慮すると、新興国株式の時価総額は拡大する余地が大きいと期待されます。※新興国株式:MSCI新興国株価指数、米国株式:MSCI米国株価指数、2024年11月末現在
米国の債務状況の悪化や保護主義の台頭などを背景に、一部の政府系ファンドなどではポートフォリオの一部を新興国の資産にシフトさせる動きがみられています。今後、同様の動きが広がった場合には、新興国の金融市場は米国から流出する資金の受け皿としての恩恵を受ける可能性があると考えられます。
■ 割安な株式のバリュエーション(投資価値評価)
新興国の労働人口増加国株式の多くで、バリュエーションの一つである株価収益率(PER)は、現在、過去10年の平均や世界株式や米国株式などと比較して、低い水準となっています。
■ 新興国の労働人口増加国に着目する当ファンドは過去3年で新興国株式、世界株式をアウトパフォーム
過去3年間の実績では、当ファンドのパフォーマンスは、世界株式や新興国株式平均を上回って推移しました。
■ 超過投資収益の源泉は一般的な新興国株価指数と一線を画す国別構成比
一般的な新興国株価指数では構成比率の50%超を中国・台湾・韓国が占めていますが、2024年11月末現在、当ファンドの投資対象国ではありません。投資対象である労働人口増加国に関しては、特定地域に偏らない分散された国別構成比率となっています。
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