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新興国株式への長期投資のすすめ
2020/06/16

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概要

新型コロナウイルスの世界的な拡大の中で、世界的な株安局面で当ファンドの投資対象である新興国の労働人口増加国の株式市場も下落しましたが、足元では反発しています。当面は新興国における感染拡大状況や経済情勢など懸念される材料もありますが、株式のバリュエーションの観点からは、株価純資産倍率(PBR)などが全体的にみると過去平均を下回る魅力的な水準にあります。



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株式市場の反発局面で人口増加国の株価も回復

2020年年初以降、3月後半にかけて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の中で、世界経済や企業業績に対する懸念が高まったことなどを受けて新興国株式を含む世界の株式市場は大幅な下落を経験しました。
特に、原油をはじめ資源国の株価の下落が相対的に大きくなりました。景気減速を背景に需要の落ち込みが懸念されていることに加えて、原油は主要産油国の間での減産調整を巡る動きが不透明で供給過剰懸念があったことなどから原油価格は急落しました。原油をはじめとした資源価格の下落は、資源国の経済にとってマイナスの影響を及ぼす懸念があることが資源国の株価の下落の背景となりました。また、経済赤字や財政赤字、対外債務が多いなど経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が相対的にぜい弱である国の株価・通貨の下落率が大きくなりました。

しかし、3月後半以降、特に欧米の一部で感染拡大のペースが緩やかとなり、経済活動再開の動きがみられ始める中で、景気回復期待が高まり、世界の株式市場は反発しました。この反発局面では、下落率が大きかった新興国の国々の株価および通貨も反発しています。

当ファンドでは新興国の中でも労働人口が増加している国の株式に投資をおこなっていますが、こうした国の中には資源国や経済のファンダメンタルズが相対的に弱いとみられる国もあり、それらの国の株式市場および通貨は下落局面で大幅な下落となりましたが、反発局面では大幅回復しています。

 

新興国の労働人口増加国の株式バリュエーションは歴史的低水準に

当ファンドの投資対象である新興国の労働人口増加国の株式市場は、足元で反発していますが、バリュエーション(投資価値指標)の水準をみると全体としては魅力的な水準にあると考えられます。

主な投資国(当ファンドの2020年5月末時点の組入上位10か国)の株価純資産倍率(PBR)の足元の水準をみると、ブラジルを除く国のPBRが過去平均(期間:1995年12月末~2020年5月末)を大きく下回る水準となっていることから、全体としては過去平均を大きく下回る水準にあります。

過去の実績をみると、新興国株式市場全体でみたPBR水準とその後5年間の投資リターンの関係をみた場合、PBRの水準が低い時に投資をすると、良好な投資リターンが獲得できた実績があります。こうした関係を踏まえると、新興国の労働人口増加国における現時点のバリュエーション水準は、中長期的にみると投資の好機となる可能性もあると考えられます。


 

ただし、足元では懸念材料もある

ただし、足元では懸念材料もあります。新型ウイルス感染拡大状況について、欧米での拡大ペースは緩やかになっているとの見方ですが、ブラジルをはじめとした南米地域や、その他新興国での感染拡大が加速していることは気がかりです。
こうした感染拡大状況と今後の経済情勢によっては、足元の反発局面で期待されている景気回復が後ずれする可能性もあり、当面は注意深く状況をみていく必要はあるでしょう。

 

新興国株式への投資は、中長期的なスタンスが重要

中長期的に新興国の労働人口増加国は、若い労働力が消費をけん引することなどにより相対的に高い経済成長が期待できるとの見方に変更はありません。 しかし一般的には、新興国株式への投資は短期的にみると、値動きが大きく(リスクが高い)なる傾向があります。足元では、新型コロナウイルスの感染拡大、景気回復の遅れ、経済のファンダメンタルズ(財政赤字拡大や債務返済負担増など)の悪化といった懸念が当面は株価の重石となる可能性があります。


資産設計の中で、新興国株式への投資の位置づけは「スパイス投資」と考えられます。このため、長期スタンスで投資できる資産の一部で運用することが重要です。

足元では、様々な懸念材料もありますが、長期で投資ができる余裕資金がある場合には、足元のバリュエーションが低水準にあるため、積み立てや時間分散なども活用しながら投資をしていくことで、中長期的にみると良好なリターンを得られる可能性もあると考えます。




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