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- 2024年の社債市場の見通し
・債券利回りの上昇がピークアウトすることで、2024年は債券全体が株式よりも優れたリスク調整後のリターンを提供する可能性があると考えられます。
・社債市場においては、低格付けのハイ・イールド社債やバンクローン(レバレッジド・ローン)など、最もリスクの高い分野には亀裂が入りつつあると見られます。そのため、2024年は信用力の高い社債に優位性があると予想します。
2023年は高リスクの社債投資が報われた年
米国および欧州の社債市場は、信用スプレッドの縮小と高水準の利回りを背景に、年初来でプラスのパフォーマンスを記録しました。また、国債利回りの上昇と強気な株式市場の推移を背景に、米国と欧州のハイ・イールド社債(HY社債)市場は投資適格社債(IG社債)市場をアウトパフォームしました。ICEバンク・オブ・アメリカ(ICE BofA)の米国と欧州のHY社債指数は、構成銘柄の平均デュレーションがIG社債指数より短く、クーポンがIG社債指数より高かったため、金利が上昇する場面において相対的に底堅く推移しました。米国HY社債指数は2023年11月27日現在、年初来で8.5%上昇しました。欧州の社債市場では、欧州HY社債指数が7.3%上昇し、欧州IG社債指数の上昇率の4.4%を上回りました。
しかし、低格付けのHY社債やレバレッジド・ローンなど、最もリスクの高い社債の分野には亀裂が入りつつあると見られます。金利上昇に伴い資金調達コストが上昇したことで、特に変動金利が適用されるレバレッジド・ローンにおいてデフォルト率が急上昇しています。
資金調達コストが高水準となったことに伴い、借り換えを先延ばしにするなどの対応をとる企業が増えており、HY社債の発行額は例年より減少しています。その結果、今年に入ってHY社債指数の構成銘柄の平均デュレーションは、米国HY社債指数で4.0年から3.5年に、欧州HY社債指数では3.1年から2.8年に急低下しました。
2024年は信用力の高い社債に優位性があると予想
企業の資金調達コストは上昇傾向にあり、その傾向は特に投資適格の企業において顕著です。欧州IG社債指数構成銘柄のクーポンは、年初の平均1.7%から2.1%に上昇しました(2023年11月27日現在)。ただし、歴史的に見るとIG社債とHY社債の発行体にとって、資金調達コストは依然として低水準にあるといえます。今後数年のうちに社債が満期日を迎えることで新たな資金調達(借り換え)が必要となる発行体はIG社債の発行体のほうが多いと予想されますが、IG社債の発行体は相対的に低いコストで資金調達が可能であると考えられます。一方で、HY社債の発行体は借り換えの緊急性が相対的に低いものの、資金調達コストの面ではより大きな困難に直面する可能性があります。
詳細は以下をご覧ください。
2023年12月6日発行 グローバル・マーケット・ウォッチ 「2024年の社債市場の見通し」
安定した事業基盤を持つ公益企業の債券に投資
ピクテ・グローバル・インカム債券ファンド(隔月決算型)/(1年決算型)は、世界の公益企業が発行する債券を投資対象としています。公益企業には電力・ガス・水道・電話・通信・運輸・廃棄物処理・石油供給などの企業が含まれますが、いずれも日常生活に不可欠な公益サービスを提供しているため、短期的な景気変動の影響を受けにくい安定した事業基盤を持っているといえます。
景気後退に伴う財務状況の著しい悪化などから、債券の発行体が利息や償還金をあらかじめ定めた条件で支払えなくなることを債務不履行(デフォルト)と言い、このデフォルトに関するリスクが顕在化した場合、その債券の投資家は債券価格の下落による損失を被る可能性があります。債券の発行体がデフォルトすることなく債務を履行する確実性を信用力といいますが、業績の安定性の高さは発行体の財務状況の安定性にも寄与し、信用力評価にも影響を与えると考えられるため、債券投資における重要なポイントであるといえます注1。
注1:公益企業であれば必ずしも信用力が高いとは限らず、信用力が相対的に劣ると評価される公益企業も存在します。一般的に、発行体の信用力の評価は民間の格付機関が付与する信用格付によって表されますが、信用力の評価には発行体の業績以外にも資本構成や企業統治など多様な項目の評価が考慮されます。また、信用力評価は発行体が債務不履行に陥る可能性がないことを保証するものではありません。信用力評価が高い債券の利回りは低く、信用力評価が低い債券の利回りは高い傾向にあります。
(ご参考)公益企業の事業基盤のイメージ
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