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- ポートフォリオの状況(2023年12月末時点)
・当ファンドは、主に世界の公益企業が発行する債券に投資
・本稿では、2023年12月末時点のポートフォリオの状況を確認
ポートフォリオの状況
当ファンドは、ピクテ・グローバル・インカム債券マザーファンド(以下、マザーファンド)への投資を通じて、主として日常生活に不可欠な公益サービスを提供する世界の公益企業が発行する債券に投資し、安定した収益の確保と信託財産の着実な成長を図ることを目的に運用を行うファンドです。以下では、2023年12月末時点のポートフォリオの状況について確認します。
図表1:ポートフォリオの状況①(2023年12月末)
ファンドの主な特性
図表1に示した通り、信用格付別構成比ではA格とBBB格の債券の組入を高位に維持したことから、2023年12月末時点の組入銘柄の平均格付注1は前月末と同様に「A-」となりました。
組入銘柄数注2は、米国の電力会社が発行する債券を新規に組入れたことなどから、前月末より増加しました。米国では、電力料金が消費者にとって公正な価格となるよう州政府が規制している場合がありますが、この規制下の事業を行う電力会社は合理的な利益を確保することが認められており、発電燃料価格や金利の上昇によるコスト増加分の電力料金への価格転嫁や、設備投資費用の増加を一定の条件で電力料金に反映させることが可能となっています。そのため、米国の規制下にある電力会社は安定的な収益の見通しが期待され、発行体の信用力の観点からも評価できると考えています。
12月末の保有銘柄の平均最終利回りは、債券市場全般で利回りが低下(債券価格は上昇)したことに伴い前月末(4.9%)より低下し、4.4%となりました。
ポートフォリオの修正デュレーションは7.3年で、代表的な世界社債指数の修正デュレーション(ICE BofA世界社債指数、6.1年)よりも相対的に長い水準を維持しています。
注1 組入銘柄の信用格付は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、S&Pグローバル・レーティング、フィッチ・レーティングスのうち最も高い格付です。平均格付は、組入銘柄の信用格付を加重平均したもので、当ファンドの信用格付ではありません。
注2 同一の企業が発行した複数の条件が異なる社債を組み入れている場合、それぞれを別の銘柄として集計しています。
※ファンドの主要投資対象であるピクテ・グローバル・インカム債券ファンド・マザーファンドの状況です。
※構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。
国別、通貨別、業種別構成比
図表2に示す通り、国別構成比では米国を中心に14ヵ国の発行体の債券に分散投資しているほか、通貨別構成比では、米ドルを中心にユーロや英ポンドなどに分散投資しています。業種別構成比では、電力を中心に通信や公益性の高いリート(携帯電話の基地局(電波塔)やデータセンターの運営など)などの業種に分散投資しています。
図表2:ポートフォリオの状況②(2023年12月末)
※ファンドの主要投資対象であるピクテ・グローバル・インカム債券ファンド・マザーファンドの状況です。
※構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。
※業種はブルームバーグのIndustry Groupを基にピクテ・ジャパン株式会社で作成し、分類・表示しています。
外貨建て債券への投資と為替の影響について
当ファンドは、上述の通り外貨建て債券に投資しているため、基準価額は為替変動の影響を受けます。外貨に対する円高は基準価額の下落要因となり、円安は基準価額の上昇要因となります。
為替は様々な要因の影響を受けて変動しますが、当ファンドの設定日(2023年8月31日)以降の為替市場では、国内外の金利差が主な変動要因の一つであったと考えられます。設定日から10月末にかけては日本銀行がマイナス金利政策などの緩和的な金融政策を維持した一方で、欧米の主要中央銀行が政策金利を長期にわたり高水準で維持する方針を示したことから内外の金利差が拡大し、円安・外貨高となりました。そのため、同期間中のマザーファンドの基準価額に対する為替要因はプラスとなりました(図表3参照)。しかし、その後は欧米で2024年に利下げが実施されるとの観測が強まった一方、日本銀行が金融緩和政策の修正を実施するとの警戒感などから内外金利差が縮小し、12月末にかけて円高・外貨安基調となりました。その結果、同期間中のマザーファンドの基準価額に対する為替要因はマイナスに作用しました。なお、設定日から12月末までのマザーファンドの基準価額の騰落率は、債券価格の変動要因や利息収入などによるプラスの効果が上回ったため、プラスとなりました。
図表3:米ドル・円の為替レートとマザーファンドの基準価額の変動要因(為替要因)の推移
(日次、2023年8月31日~2023年12月29日)
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
組入上位10銘柄
組入上位10銘柄の顔ぶれを2023年11月末と比較すると、コンソリデーテッド・エジソンなどが新たに上位銘柄に登場しました。
コンソリデーテッド・エジソンは、米国のニューヨーク州で電力や天然ガス、給湯や暖房などに利用される蒸気の供給事業を行う公益企業です。当ファンドでは、同社が2020年に発行したグリーン・ボンド(調達資金の使途を環境問題の解決に資する事業に限定した債券)を組入れました。このグリーンボンドの発行により調達した資金は、スマートメーターの導入などエネルギー消費管理の効率化を促進するインフラを構築するために使用される予定で、電力供給の最適化を行うことで温室効果ガス排出量の削減に繋がると期待されます注3。
注3 このグリーンボンドによる調達資金の使途の適合性および使用状況については、2023年3月に第三者機関(監査法人)より適正意見を受けています。
図表4:組入上位10銘柄(2023年12月末)
※ファンドの主要投資対象であるピクテ・グローバル・インカム債券ファンド・マザーファンドの状況です。
※同一の企業が発行した複数の条件が異なる社債を組み入れている場合、それぞれを別の銘柄として集計しています。
※組入銘柄の信用格付は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、S&Pグローバル・レーティング、フィッチ・レーティングスのうち最も高い格付です。
※業種はブルームバーグのIndustry Groupを基にピクテ・ジャパン株式会社で作成し、分類・表示しています。
※表で示した組入銘柄は、特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向を示唆するものでもありません。
ご参考:ファンドの利回りについて
債券の「利回り」は、ある債券に投資した場合に投資金額に対してどのぐらいの収益が手に入るかを測る尺度として用いられる指標で、いくつかの考え方が存在しますが、代表的なものが直接利回りと最終利回りです。直接利回りは、債券の購入金額に対する1年間に支払われる利息収入の割合を計算したものです。一方で、最終利回りは、利息収入に加えて購入価格と償還価格の差額も収益として考慮し、購入した債券を償還日まで保有した場合に得られる1年あたりの収益の購入価格に対する割合を計算したものです(再投資を考慮する複利と、考慮しない単利があります)。
債券利回りの計算式
なお、ファンドの実際の投資成果は、ファンドの費用や税金が差引かれる上、投資する債券の価格変動と為替変動の影響を受けるため、ファンドの特性として記載の利回りがそのまま収益として得られるものではありません。また、ファンドの分配金は収益分配方針に基づいて委託会社が基準価額の水準や市況動向等を勘案して決定するものであり、保有銘柄の平均利回りによって金額の水準が示されるものではありません。
ご参考:修正デュレーションについて
修正デュレーションは、債券利回りの変動に伴って債券価格が動く度合いを測る指標です。修正デュレーションが大きいほど利回りの変化に対する価格変化が大きくなり、修正デュレーションが7.3年の債券ポートフォリオは、為替の変動や費用等の影響を考慮しない場合、理論上は利回りが1%上昇すると価格が7.3%程度下落し、利回りが1%低下すると価格が7.3%程度上昇する可能性があると解釈することができます。
また、一般的には債券の残存期間が長いほど修正デュレーションは長く、クーポン(受取利息)が高いほど短くなります。公益企業は一般的に長期の資金調達を行う傾向があることから、発行する債券の残存期間も長い傾向にあります。
修正デュレーションと債券の価格変化の関係(イメージ)
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