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- ここ最近の当ファンドの基準価額動向について
これまでコロナ・ショックからの「リベンジ消費」の盛り上がりなどを背景に、当ファンドの基準価額は堅調に推移してきましたが、2021年8月13日(金)から8月20日(金)までの1週間で-5.6%の下落となりました。中国当局の高所得への規制強化の動きは株価下落の背景の1つと考えられますが、中国のプレミアム・ブランド需要を大きくけん引する中間所得層への影響は現時点では限定的とみています。経済活動再開の恩恵を大いに受けるとの見方、中長期的な成長期待には変化はなく、短期的な株価下落は良好な投資機会となる可能性があると考えています。
下落の背景|複数の材料が重なった
これまでコロナ・ショックからの「リベンジ消費」の盛り上がりなどを背景に、当ファンドの基準価額は堅調に推移してきましたが、2021年8月13日(金)から8月20日(金)までの1週間で-5.6%の下落となりました。
こうした下落の背景には、いくつかの要因が重なったためと考えています。
1つ目には、プレミアム・ブランド企業の利益動向について、コロナ禍からの回復はピークアウトが近いとの見方があることや、株式のバリュエーション(投資価値評価)は市場平均に比べて高水準にあることなどから、投資家がいったん利益を確定する動きを強めたことがあるとみられます。また、新型コロナウイルスのデルタ変異株による感染再拡大により、再び都市封鎖などの経済活動の制限措置が導入される地域がでてきていることから、期待されていた実店舗における販売回復や旅行需要回復などが先送りされる懸念が高まったこともマイナス材料と考えられます。
さらに、2021年8月17日に示された中国当局の高所得への規制強化の動きが、プレミアム・ブランド商品・サービスの需要にマイナスの影響があるのではないかという懸念を誘発したことも、プレミアム・ブランド企業の株価の重石となったとみています。
中国の高所得への規制強化|メインストリームの中間所得層への影響は限定的
2021年8月17日、中国の習近平国家主席が「高所得」への規制強化を打ち出しました。同日、共産党中央財経委員会の会議要旨として「高所得の規制・調整を強化するとともに、法に沿った所得を守り、過度な所得を合理的に調整し、高所得層と企業に社会への還元を増やすよう促す」方針が示されました。
多くの投資家は、2016年の出来事を思い出したのかもしれません。中国当局が汚職取締り強化の流れの中で、高級品の関税を引き上げたことを受けて、中国の人々の海外でのプレミアム・ブランド商品の「爆買い」が失速しました。このため、今回の方針が発表されたことを受けて、富裕層への課税強化やその他の締め付けが導入される可能性や、それによってプレミアム・ブランド商品・サービスの需要にマイナスの影響があると懸念する見方が強まったものと考えられます。
我々は、今回の中国当局の方針を受けて、確かに“超”富裕層にはマイナスの影響が出る可能性があるものの、中国におけるプレミアム・ブランド需要を大きくけん引している中間所得層に対する影響は限定的であるとみています。
例えば、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(フランス)などは、10万円以下で購入できる「ルイ・ヴィトン」ブランドの財布やカードケースなど小物革製品から、数千万円などと超高価な「クリスチャン ディオール」のオートクチュール・ドレスなど幅広い価格帯の商品を手がけています。プレミアム・ブランド企業の顧客には、超富裕層だけでなく、より良いモノを手にしたいという意欲が旺盛な中間所得層が多数存在します。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大下において、多くのプレミアム・ブランド企業がオンライン販売を強化してきました。これにより、実店舗網ではカバーできなかった地方都市の新たな顧客開拓(特に、若者層)につながっています。
短期的な株価下落は、投資の好機となる可能性
当ファンドの運用においては、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンやエルメス・インターナショナル(フランス)などのラグジュアリー・ブランド企業だけでなく、高級ホテル、化粧品、高級酒、スポーツ・アパレル関連企業など幅広い消費関連分野のプレミアム・ブランド企業に投資を行っています。これら、すべての消費分野において、経済活動の再開・加速によって足元の業績動向と今後の見通しは良好であり、世界的な経済回復の恩恵を大いに享受できる企業群であるとの見方には変わりがありません。また、コロナ禍の困難な局面で、コスト・コントロールをはじめ規律ある財務運営により、企業のファンダメンタル(基礎的条件)をより強固なものとしている企業も少なくありません。
さらに中長期的には、①中国をはじめとした新興国の消費者の購買力の高まり、②女性の社会進出、③富裕層の富の増大などが後押しとなり、プレミアム・ブランド需要は持続的な拡大が期待できるとの見方には変化はありません。
中国の人々の消費動向は、プレミアム・ブランド需要の動向をみる上で重要な要素であるため、中国当局の政策動向には注視していく必要はあると考えますが、経済活動再開の恩恵を大いに受けると期待されること、さらに中長期的な成長期待に変化がないことを勘案すると、今回のような短期的な株価の下落によって、やや過熱感もみられていたプレミアム・ブランド企業の株式のバリュエーション水準が低下し、確信度の高い銘柄については投資の好機となると捉えています。
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