- Article Title
- 商品価格や物価の上昇時に相対的に強い業種
過去20年余りの実績でみると、商品価格や物価の上昇時には、土地、建物、工場、発電施設などの有形固定資産、いわゆる実物資産を多く所有する公益事業などの業種が、情報技術(IT)株式を含むそれ以外の業種の株式に対して、相対的にパフォーマンスが良い傾向が見られました。
米国の物価上昇率は1990年以来の高い伸び
コロナショックを経て、木材や銅、石油、天然ガスなど様々な商品価格が大きく上昇したほか、新型コロナウイルスの感染拡大により世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱もあり、米国などで物価が上昇しています。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の経済的打撃への対応策として2020年に主要各国‧地域の政府および中央銀行が積極的な財政政策や金融緩和策を実施したこと、2021年に入りワクチン接種の進展などにより、世界的に景気回復が進んだことなどがあげられます。
こうしたなか、2021年10月の米国の物価上昇率(消費者物価指数)は前年同月比で+6.2%となり、1990年11月以来およそ31年ぶりの高水準となりました。
商品価格や物価の上昇時に相対的に強い業種
商品価格や物価の上昇時の業績や株価が相対的に堅調だった業種について、20年余りの実績でみると、土地、建物、工場などの実物資産、つまり有形固定資産を多く保有する業種があげられます。具体的には、土地や建物を所有していたり、石油や鉄鋼などを在庫としてもっていて、その価格の値上がりの恩恵をうける、不動産、エネルギー、素材といった業種です。発電設備、送電網などの有形固定資産を持つ公益もこの一つにあげられます。これらの業種は、総資産に占める有形固定資産の比率が相対的に高いことが特徴です。当ファンドの主な投資対象は公益企業の株式であり、当ファンドの構成銘柄の有形固定資産比率の平均値も相対的に高い水準となっています。
過去の実績では、商品価格や物価の上昇時に公益株式は相対的に優位
下図の緑色の折れ線は、商品価格の変動の影響を受けやすい有形固定資産比率の高い4業種(以下、有形固定資産(4業種))の株式が、情報技術(IT)株式などを含むその他の株式に対して、パフォーマンスが良かったのか、悪かったのかをみたものです。過去の実績ではこの動きは、灰色の線の商品価格の動きとの連動性が高くなっています。商品価格が上昇していた時期には、有形固定資産(4業種)株式はより優れたパフォーマンスとなる傾向がある一方で、商品価格が下落していた時期には、パフォーマンスが劣るといった傾向が見られました。
この有形固定資産4業種のうち、公益事業の株式(世界公益株式)のみを薄緑の線で示しています。やはり同様に、情報技術(IT)株式などを含むその他の株式に対して、どれだけ、よりパフォーマンスが良かったのか、悪かったのかをみたものですが、過去の実績では、同様に、灰色の商品価格の動きとの連動性が高く、商品価格が上昇していた時期には、公益事業の株式(世界公益株式)がより優れたパフォーマンスとなる傾向がある一方で、商品価格が下落していた時期には、パフォーマンスが劣るといった傾向が見られました。
物価上昇は公益企業の業績にプラスに寄与
公益企業の収益のもととなる、公共料金の設定のしくみは国や地域によって異なりますが、米国の規制下の電力料金の決定の例を簡略化してみると、電力料金はその企業の持つ設備(有形固定資産)の金額に長期金利の水準や利益率等を勘案し算定、認可される一定のレートを掛け、それに燃料費などのコストを加えて決定されます。したがって、これらの要素は物価上昇時に公益企業の増収増益要因となる仕組みになっています。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。