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- 「グリーンシフト」と「電化の進展」は公益企業の中長期的な成長に寄与
当ファンドは「グリーンシフト」を進めている公益企業に注目しています。1)グリーンシフト(脱炭素)関連政策の拡大、2)風力・太陽光などのクリーンエネルギーによる発電コストの低下などを背景に、 「グリーンシフト」は公益企業の増益に寄与すると期待されます。
■ クリーンエネルギー政策の拡大と発電コスト低下が「グリーンシフト」を促す
地球温暖化の脅威が高まり、環境への取組みに対する意識が高まるなか、ロシア・ウクライナ危機によるエネルギー価格の高騰をきっかけに、エネルギー安全保障に向けてクリーンエネルギー政策が更に加速しています。
温室効果ガス排出削減などのための国際的枠組み「パリ協定」に続き、EU(欧州連合)の温室効果ガスの排出削減パッケージ「Fit for 55」、ロシア産の化石燃料からの脱却と温室効果ガス排出削減の両立を目標にした「リパワーEU」、環境関連の税額控除、ガソリン車新車販売廃止、米国のインフレ抑制法など様々な政策などが相次いで打ち出されています。
加えて、風力・太陽光などのクリーンエネルギーによる発電コストは、エネルギー価格高騰前の2022年時点で、既存の化石燃料による火力発電コストの水準まで低下しており、経済的合理性も伴ってきています。
■ 太陽光・風力などのクリーンエネルギーは発電コストの低下により普及が進む
こうした環境下、化石燃料による発電から、太陽光や風力などのクリーンエネルギーへの移行「グリーンシフト」が加速し、風力・太陽光発電は長期にわたって高い成長が続くと予想されています。
■ 電化の進展
また、主要各国でのガソリン車新車販売廃止の目標設定など様々な政策に後押しされ、世界の電気自動車の普及をはじめとした「電化の進展」が加速すると予想されています。
■ 「グリーンシフト」 と「電化の進展」は公益企業の成長ドライバーになると期待
「グリーンシフト」 と「電化の進展」 は環境に貢献するだけでなく、前者はグリーンシフトを行う企業の利益増に、後者は電力需要が増加する要因となり、公益企業の成長ドライバーになるものと期待されます。
当ファンドでも組入上位(2022年11月末現在)のネクステラ・エナジー(米国)、イベルドローラ(スペイン)、RWE(ドイツ)などの企業は、風力・太陽光発電容量で世界の上位を占めています。これらの企業でも、2021年時点では、依然天然ガスなどによる火力発電も行っていますが、各社、二酸化炭素排出量ネットゼロに向けて目標を掲げており、さらにグリーンシフトが進んでいくとみられます。
当ファンドでは、こうした、クリーンエネルギーに既に注力している公益企業のほか、グリーンシフトを進めている公益企業や今後グリーンシフトが期待される公益企業などに注目して投資を行っています。
■ 銘柄紹介:ネクステラ・エナジー(米国)|クリーンエネルギーの世界的なリーダー
■ 銘柄紹介:イベルドローラ(スペイン) |世界的なクリーンエネルギー電力会社
■ 銘柄紹介:RWE(ドイツ) |洋上風力発電のグローバルリーダー
■ (ご参考~もっと詳しく知る)クリーンエネルギーへのシフトは増益要因?
公益企業の収益のもととなる、公共料金の設定の仕組みは国や地域によって異なります。米国の規制下の電力料金決定の例を簡略化してみると、電力料金はその企業の持つ設備(有形固定資産)の金額に長期金利の水準や利益率等を勘案し算定、認可される一定のレートを掛け、それに燃料費などのコストを加えて決定されます。このため、設備投資を拡大し、発電施設の資産価値が増加すれば、増益要因となる仕組みになっています。
一般的な家庭の電力料金100ドルを例に簡略化して示します(下図参照)。まず、一般的家庭が電力料金を現在100ドル払っているとします。その内訳をみると、①燃料費の45ドルをはじめとした実際の費用部分が85ドルです。この85ドル部分はそのまま価格転嫁するため電力会社の儲けになりません。これに、②設備の金額(電力の料金算定の基礎となる資産価値)に一定のレート(長期金利の水準や
利益率等から算定)を掛けて算出される15ドルが会社の利益です。これを上乗せしたものが現在の電力料金の100ドルとなります。設備の金額は新しい施設が増えるほど増加し、古い施設が増えると、減価償却が進むことで資産価値が減少します。
下図右側は火力から風力、太陽光などのクリーンエネルギーに50%移行したとする場合を簡略化した例です。これらのエネルギーは燃料費はかからないので、全体の燃料費は45ドルから22ドルに低下する一方、新しい設備、資産が増えるので、利益が6割増え24ドルになります。つまり、企業の利益が増加しながら、燃料費の減少により、合計の電力料金は100ドルから90ドルへと10%低下することになります。
火力から風力、太陽光などのクリーンエネルギーへのシフトでは、電力料金の低下が期待でき、消費者にとってメリットとなるため、政治圧力などで料金の値下げを求められる事態になりにくく、一方、企業側も利益の増加が期待でき、好循環が生まれ易い環境となることが期待されます。
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