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- 電力需要拡大とグリーンシフトによる設備投資拡大が公益株式にプラスに寄与
●電力需要拡大とグリーンシフトによる設備投資拡大は公益株式にプラス
●米国の規制下の公益事業では、設備投資の拡大は利益増要因に
●当ファンドは規制環境が良好で収益見通しが安定した米国の公益銘柄を中心に保有
■ 電力需要拡大とグリーンシフトによる設備投資拡大は公益株式にプラス
経済的合理性や世界的なネットゼロを推進する政策の動きなどを背景に、風力、太陽光発電設備の拡大が予想されています。加えて、AI(人工知能)関連、データセンターや電気自動車(EV)の増加などが寄与し、電力需要の拡大も予想されています。風力、太陽光発電などのクリーンエネルギーの発電コストは技術革新による発電効率化や発電施設の大規模化等により低下し、これまでの石炭などの化石燃料による発電に対して経済合理性が伴う(=低コストで発電できる)ようになったことから、クリーンエネルギーへのシフトが進んでおり、移行を進める公益企業の増益に寄与するようになってきています。
過去の実績では、世界公益株式のパフォーマンスは設備投資と連動性が高くなっています。この背景には、主な規制下の公益事業では設備投資による新規設備の増加により、電力料金認可の元になる資産額が増加することに加えて、多くの場合、発電容量も増加することから、設備投資の拡大は、増益につながりやすく、株価の上昇要因になると考えられます。
世界の公益企業の設備投資は、拡大が予想されており、公益株式のパフォーマンスにプラスに寄与すると期待されます。
■ 世界的に風力や太陽光発電中心に電力設備の拡大が予想
こうした環境下、世界的に風力や太陽光発電中心に電力設備の拡大が予想されています。
■ 米国の規制下の公益事業では、設備投資の拡大は利益増要因に
一般的に世界の規制下の公益事業では、発電などのコストに加えて、そこから得られる利益水準も考慮して、電力料金などの公共料金が各国・地域の規制当局によって決められています。
規制下の電力料金をはじめとした公共料金の計算方法は複雑で国や地域によって異なりますが、当ファンドの投資比率の高い、米国の規制下の電力料金決定の例を簡略化してみると、料金は発電施設等の設備の金額(資産価値、レートベース)に対して一定の利益を確保する算定レート(長期金利の水準や利益率等などを勘案し算定)を掛けて、燃料費などのコストをプラスして設定されます。このため、設備投資を拡大し、発電施設の資産価値が増加すれば、増益要因となる仕組みになっています。
米国の規制下では、電力不足による停電や設備の老朽化による事故などを防ぐため、公益企業に設備投資を増やすと電力料金の値上げが可能になり、利益を増やすことができる仕組みを提供することで、状況に応じて公益企業の設備の更新や拡大を促しています。
■ 規制環境が良好で収益見通しが安定した米国の公益銘柄を中心に保有
当ファンドでは、現在、規制環境が良好で収益見通しが安定した米国の公益銘柄を中心に保有しています。また、クリーンエネルギー事業に注力、あるいは移行している公益銘柄に注目しています。
■ (ご参考) グリーンシフトによって公益企業の利益が増加する仕組み(詳細編)
一般的な家庭の電力料金の例を用いて、グリーンシフトによって公益企業(電力会社)の利益が増加する仕組みを簡略化して示してみます。
一般的な家庭が電力料金を現在100ドル払っているとします(下図参照)。
その内訳をみると、①燃料費の45ドルをはじめとした費用部分が85ドルです。この85ドル部分はかかった費用をそのまま価格転嫁しているため電力会社の利益になりません。②レートベースつまり電力の料金算定の基礎となる設備の金額(資産価値)に一定のレートを掛けて算出される15ドルが電力会社の利益です。かかった費用(85ドル)とレートベースをもとに算出された利益(15ドル)の合計が現在の電力料金の100ドルとなります。電力の料金算定の基礎となる資産価値は新しい施設が増えるほど増加し、古い施設は、減価償却が進むことで資産価値が減少します。
次に、火力から風力、太陽光などのクリーンエネルギーに50%移行したとする場合を簡略化した例で表します。これらのエネルギーは燃料費はかからないので、燃料費は45ドルから22ドルに低下することになります。一方、クリーンエネルギーによる発電施設への投資により、新しい設備(=資産)が増え、レートべースが増えることになり、利益は24ドルに増加(+60%)となります。電力会社の利益が増加する一方、燃料費等の減少により、電力料金は100ドルから90ドルへと10%低下することになります。
火力から風力、太陽光などのクリーンエネルギーへのシフトでは、電力料金の低下が期待でき、消費者にとってもメリットがあるため、電力料金を認可する役割を担う規制当局が政治圧力などにより、電力料金の値下げを求めるような事態になりにくく、一方、電力会社側も利益の増加が期待できるという、好循環が生まれやすい環境となることが期待されます。
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