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- 1982年以来の高い11月米国物価上昇率~公益株投資の好機?
コロナショックを経て、木材や銅、石油、天然ガスなど様々な商品価格が大きく上昇し、2021年11月の米国の物価上昇率は前年同月比で+6.8%と、第2次オイルショックの影響を受けた1982年6月以来およそ40年ぶりの高水準となりました。20年余りの過去の実績では商品価格が上昇していた時期には、世界公益株式はより優れたパフォーマンスとなる傾向が見られました。
米国の11月の物価上昇率は1982年以来の高い伸び
コロナショックを経て、木材や銅、石油、天然ガスなど様々な商品価格が大きく上昇したほか、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱もあり、米国などで物価が上昇しています。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の経済的打撃への対応策として2020年以降主要各国‧地域の政府および中央銀行が積極的な財政政策や金融緩和策を実施したこと、2021年に入りワクチン接種の進展などにより、世界的に景気回復が進んだことなどがあげられます。こうしたなか、2021年11月の米国の物価上昇率(米国消費者物価指数(CPI)、前年同月比)は+6.8%となり、7ヵ月連続5%以上を記録し、第2次オイルショックの影響を受けた1982年6月以来およそ40年ぶりの高水準となりました。
商品価格や物価の上昇時に相対的に強い業種
商品価格は物価と連動しますが、物価上昇時の業績や株価が相対的に堅調だった業種について、20年余りの実績でみると、土地、建物、工場などの実物資産、つまり有形固定資産を多く保有する業種があげられます。具体的には、土地や建物を所有していたり、石油や鉄鋼などを在庫として持っていて、その価格の値上がりの恩恵をうける、不動産、エネルギー、素材といった業種です。発電設備、送電網などの有形固定資産を持つ公益もこの一つにあげられます。これらの業種は、総資産に占める有形固定資産の比率が相対的に高いことが特徴です。当ファンドの主な投資対象は公益企業の株式であり、当ファンドの構成銘柄の有形固定資産比率の平均値も相対的に高い水準となっています。
過去の実績では、商品価格や物価の上昇時に公益株式は相対的に優位
下図の青色の折れ線は、公益株式が世界の株式の平均的な動きに対してパフォーマンスが良かったのか、悪かったのかをみたものです。20年余りの過去の実績ではこの動きは、緑の線の商品価格の動きとの連動性が高くなっています。商品価格が上昇していた時期には、世界公益株式はより優れたパフォーマンスとなる傾向がある一方で、商品価格が下落していた時期には、パフォーマンスが劣るといった傾向が見られました。
物価上昇は公益企業の業績にプラスに寄与
公益企業の収益のもととなる、公共料金の設定のしくみは国や地域によって異なりますが、米国の規制下の電力料金の決定の例を簡略化してみると、電力料金はその企業の持つ設備(有形固定資産)の金額に長期金利の水準や利益率等を勘案し算定、認可される一定のレートを掛け、それに燃料費などのコストを加えて決定されます。したがって、これらの要素は物価上昇時に公益企業の増収増益要因となる仕組みになっています。
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