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- グロイン | 投資先ファンドはEUのSFDR「環境・社会の課題への取組みを促進する」分類に
●投資先ファンドはSFDRの「環境・社会の課題への取組みを促進する」第8条に分類されます。
●当ファンドは投資先ファンドを通じて、ESGの観点を銘柄選別の要素とし、エンゲージメント(対話)などにより、投資先企業のクリーンエネルギーへの移行を促しています。
■ 投資先ファンドはEUのSFDR「環境・社会の課題への取組みを促進する」分類に
欧州では、各運用機関が、欧州連合(EU)のSFDR(サステナブルファイナンス開示規則)の定める基準にそって、自社のファンドがどのように環境・社会などのサステナビリティ(持続可能性)に配慮しているのかを公表することが求められるようになりました。SFDRの主な狙いは、投資家がサステナビリティの観点から金融商品を比較し易くする点にあると考えられます。
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型/1年決算型)(以下、当ファンド)の、投資先ファンド(PGSF-グローバル・ユーティリティーズ・エクイティ・ファンド)は、SFDRの規制対象となっています(詳細は5頁参照)。 ピクテでは、同投資先ファンドをSFDR第8条の「環境・社会の課題への取組みを促進する」金融商品に分類しています。
当ファンドは投資先ファンドを通じて、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点を銘柄選別の要素とし、公益企業へのESGに関するエンゲージメント(対話)などを行い、化石燃料による発電から太陽光・風力などのクリーンエネルギーによる発電へのシフト、「グリーンシフト」を促しています。
■ 当ファンドの投資対象
当ファンドでは、公益企業の銘柄選別において、地球温暖化の脅威に対応するためのクリーンエネルギー政策の本格化や風力や太陽光の発電コスト低下によるクリーンエネルギー拡大の恩恵を受けると考えられる企業に注目し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を要素に入れています。二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロにむけて取り組み、風力や太陽光などのクリーンエネルギーに注力する企業を重視しています。
当ファンドの運用プロセスにおいては、脱炭素化に向けた収益性の高い経営戦略を持ついくつかの候補企業を特定し、エンゲージメント(対話)を行っています。
銘柄選別にあたっては3つの基準を設けています。
銘柄選別基準:
1)石炭、石油発電関連などの新規投資がゼロであること
2)信頼性、透明性の高い脱炭素計画を提示していること
3)その脱炭素計画はパリ協定の基準(二酸化炭素排出量実質ゼロ目標年、2050年など)に沿っており、
かつ検証可能であること
基準の達成度に基づき3つのグループに分類:
まず、基準よりも優れた目標を達成あるいは達成可能な企業を「クリーンエネルギー企業」とし、基準に沿った企業を「クリーンエネルギー・シフト企業」、現在基準に沿ってはいないが、追随すると見込まれる企業を「クリーンエネルギー・シフト候補企業」としています。
■ 長きに亘る信頼関係とピクテのエンゲージメント(対話)
当ファンドの投資先ファンドであるPGSF-グローバル・ユーティリティーズ・エクイティ・ファンドの純資産総額は2022年10月末で約1.2兆円と世界の公益株式関連ファンドの純資産ランキング*で2位の規模となっています。また、各公益銘柄への投資額は上位10銘柄では、400億円台~500億円台となっており、各企業の上位株主となっています。この規模は、弊社のエンゲージメントが効果を上げる可能性が相対的に大きいことを示しています。
ピクテは、「除外」(問題がある資産を投資ポートフォリオから外す)という方法がすべての事例で最善であるとは考えていません。エンゲージメントの方がより望ましい結果をもたらすことが多いからです。ただし、当該銘柄の事業において脱炭素への移行経路が存在せず、社会や環境に対して極めて有害になっており、私たちのコアバリューと相容れない場合には、除外しています。
当運用チームでは、「物言う株主」として、公益企業にクリーンエネルギーへの転換を提言し、公益企業の「グリーンシフト」を促進しています。この結果、二酸化炭素(CO2)排出量の削減が実現し、持続可能な社会の実現に貢献しています。そして、更なる貢献のために、「グリーンシフト」に向けてエンゲージメントを継続しています。
■ エンゲージメント例:ドイツの2大電力企業のひとつRWE
エンゲージメントを行った企業にドイツの電力大手RWEがあります(2022年10月末現在 組入第3位)。当運用チームは、2019年にエンゲージメントを開始しました。当初は、主に石炭を使用した発電を行っていた同社に石炭関連の資産を売却することなどを提言し、その後も同社とのエンゲージメントを継続中です。現在、以下3つの目標を掲げる段階まで、グリーンシフトへの取組みが進展しています。
・ 2030年までに二酸化炭素排出量を2012年比で70%削減すること
・ 2038年までに石炭発電を終了すること
・ 2040年までに「ネットゼロ」目標を達成すること
※上記は2022年10月末現在。※上記は当運用チームによるエンゲージメントの一例を紹介するものです。特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向等を示唆するものでもありません。
■ 公益セクターがCO2排出量削減の鍵を握る
地球温暖化による気候変動の脅威を背景に、その要因となる二酸化炭素を削減しようという世界的な取組みが行われていますが、世界の部門別二酸化炭素(CO2)排出量の割合では、公益業界が多くの割合を占める発電エネルギー部門がおよそ5割と最大です。また、世界の発電に占める、CO2を排出する石炭、天然ガス、石油などの化石燃料による発電の割合は全体の約6割を占めています。加えて、ロシア・ウクライナ紛争など地政学リスクによるエネルギー安全保障問題を解決するためにも、発電源を変える必要があり、状況は変わりつつあります。
■ 「グリーンシフト」と「電化の進展」
環境への取組みに対する意識が高まるなか、温室効果ガス排出削減などのための国際的枠組み「パリ協定」、EUの温室効果ガスの排出削減パッケージ「Fit for 55」、ロシア産の化石燃料からの脱却と温暖化ガス排出削減の両立を目標にした「リパワーEU」、環境関連の税額控除、ガソリン車新車販売廃止など様々な政策が拡大しています。
こうした環境下、化石燃料による発電から、太陽光や風力などのクリーンエネルギーへの移行「グリーンシフト」が加速すると予想されています。また、主要各国でのガソリン車新車販売廃止の目標設定など様々な政策に後押しされ、世界の電気自動車の普及をはじめとした「電化の進展」が加速すると予想されています。この2つは環境に貢献するだけでなく、前者はグリーンシフトを行う企業の利益増に、後者は電力需要が増加する要因となり、公益企業の成長ドライバーになるものと期待されます。
■ SFDR(サステナブルファイナンス開示規則)とは?
SFDRは、欧州連合(EU)の金融機関向けの、EUタクソノミー(持続可能性に貢献する経済活動分類)の概念に基づく規則で、2019年に採択され、2021年3月から部分的に適用開始となりました。
当規則は、金融商品のESGアプローチ、ESG特性またはESG課題などのサステナビリティ(持続可能性)に及ぼす影響度について、金融商品の開示または広告資料が、故意または不注意に投資家を誤解させること(グリーンウォッシュ)を防止し、金融商品の市場におけるサステナビリティについての開示の透明性を向上させるために導入されました。
SFDRの第1条は主題、第2条は定義、第3~5条は運用機関などの会社全体に関する項目、そして第6~11条は金融商品に関わる項目です。 会社全体としてのサステナビリティリスクに関する方針だけでなく、金融商品ごとに環境・社会に関する2段階の情報開示が求められています。
SFDRでは、金融商品を以下の3つに分類し、それぞれ必要な情報を開示することになっています。
第6条:第8条、第9条に該当しない一般的な金融商品
第8条:「環境・社会の課題への取組みを促進する」金融商品
第9条:「サステナブル投資が目的」の金融商品
第8条に分類される金融商品は、一般的に『ライトグリーン』と言われ、ポジティブスクリーニングなど、ESGの視点を組入れた金融商品が該当するとされています。
第9条に分類される金融商品は、一般的に『ダークグリーン』と言われ、インパクト投資、環境・社会テーマ型投資などのサステナブル投資が目的の金融商品が該当するとされています。
金融商品の第8条、第9条の分類は、規制当局などによる承認は不要であり、各運用機関が独自に判断することになりますが、ピクテでは第8条と第9条の分類に関し、環境関連の収入、除外項目の設定など、詳細な要件を設定し、ファンドの分類を行っています。
■ ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した投資の意義
ピクテでは、ESG要因を、投資の機会や投資リスクを評価し、投資リターンを改善するための追加的なツールと捉えています。
気候変動、生物多様性の喪失、人権の侵害など、世界のサステナビリティの課題が投資のリスク・リターン特性に重要な影響を及ぼすようになってきていると考えられます。こうした環境下、企業(発行体)に前向きな変革を促すために投資家の力を活用することが、顧客のために長期の投資判断を向上させ、より持続的な資本主義の形を創ることに資すると確信しています。
ピクテは、ESG関連項目に重大な欠陥が見られる企業を特に注視し、投資対象企業のESGに係る方針、実践および開示が、業界の最高水準となるよう働きかけていきたいと考えます。
企業とのエンゲージメント(対話)は投資家に多くの恩恵をもたらすとも考えます。エンゲージメントにより、投資家としての責務を果たし、世界の重要なサステナビリティの課題に積極的に影響を与えることができるからです。
【用語説明】
※ポジティブスクリーニング:同業他社と比較してポジティブなESG特性を示す企業などに投資すること ※テーマ型投資:クリーンテック、持続可能な農業、ヘルスケア、気候変動など、サステナビリティに関連するテーマに該当する企業を選定し投資すること
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