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- グロイン|ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー問題が欧州におけるグリーンシフトを加速
●ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー問題への対応策として、欧州委員会が「リパワーEU計画」を、北海サミットでは4ヵ国が洋上風力発電の導入を大幅に加速させる誓約(コミットメント)を発表
●欧州のグリーンシフトを大幅に加速させる政策は、当ファンドの欧州の保有銘柄の成長ドライバーに
欧州のグリーンシフトの加速を明確に示すニュースが相次ぐ
ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー問題への対応策として2022年5月18日には欧州委員会(EC)が「リパワーEU計画」(REPower EU Plan)を発表しました。また、デンマークのエスビャウ市で開催された北海サミットでは、ドイツ、オランダ、デンマーク、ベルギーが洋上風力発電の導入を大幅に加速させることを誓約する協定に署名するなど、当ファンドが投資する欧州の電力企業にとって有益な欧州のグリーンシフトの加速を明確に示すニュースが相次いで報道されました。
欧州のエネルギーシステムの変革の背景には、経済的・政治的武器として利用され、欧州にとって年間1,000億ユーロ近い負担となっているロシアの化石燃料への依存を解消し、かつ気候危機に対処するという2つの緊急課題があります。欧州連合(EU)として行動することで、欧州はロシアの化石燃料への依存をより早く段階的に解消することができると考えられます。欧州委員会によると欧州の人々の85%が、ウクライナを支援するために、欧州連合はロシアのガスと石油への依存をできるだけ早く減らすべきだと考えています。
「ロシアの化石燃料への依存」を解消し、「気候危機への対処」を図るための「リパワーEU計画」
「リパワーEU計画」は、欧州圏の「ロシアの化石燃料への依存」を解消し、「気候危機への対処」を図るための策定です。その内容は、再生可能エネルギーの導入加速、エネルギー効率化目標設定、化石燃料の供給多様化計画などです。欧州委員会は主要な枠組みである欧州グリーンディール法の「Fit for 55」のもと、2030年の再生可能エネルギー発電比率の目標の40%から45%への引き上げを提唱しています。これには、2025年までに太陽光発電容量を倍増し、2030年までに600GWを設置することを目指すEUソーラー戦略、新しい公共・商業施設にソーラーパネルを設置する法的義務を伴うソーラールーフトップ構想、ヒートポンプの普及率の倍増、グリーン水素生産容量を1,000万トンにするといった新しい目標が含まれています。欧州委員会は、「リパワーEU計画」の目標を達成するためには、現在から2027年の間に2,100億ユーロの追加投資が必要であると指摘しています。
「リパワーEU計画」は当ファンドの欧州の保有銘柄の成長ドライバーに
「リパワーEU計画」の発表は、欧州委員会が欧州のグリーンシフトを大幅に加速させることを公式に承認したことになります。この計画達成に必要な投資が電力会社にもたらす収益は、欧州の電力セクターの長期的な成長の原動力となるとみられます。特に、この計画はRWE(ドイツ、総合公益事業)、イベルドローラ(スペイン、電力)、EDPレノバベイス(スペイン、独立系発電・エネルギー販売)、およびポルトガル電力公社(ポルトガル、電力)、オーステッド(デンマーク、電力)、フォータム(フィンランド、電力)、エネル(イタリア、電力)など、再生可能エネルギープロジェクトで優れた実績を持つ企業に恩恵をもたらすとみられます。当ファンド はここ数年、グリーン・シフトに注力する企業を高く評価する戦略にシフトしているため、これは当ファンドが組入れている欧州のすべての銘柄にとってプラスのドライバーとなる可能性が高いと考えます。
北海サミットで、ドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークが洋上風力発電増設の誓約に署名
デンマーク・エスビャウ市での北海サミットで、ドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークが、4ヵ国の洋上風力発電容量を少なくとも2030年までに65GW、2050年までに150GWまでに拡大するという誓約に署名しました。現在、2021年(推定)のEU内での洋上風力発電の発電容量は、EU全体の発電容量の約550GWに対して、およそ15GWにしか過ぎません(注)。北海サミットでの洋上風力発電増設の誓約署名は、既存の洋上風力発電増設計画を大幅に加速させるもので、少なくとも1,350億ユーロの投資が必要となると試算されます。この洋上風力発電投資の加速は、特に「ロシアの石油、石炭、ガスを含む」化石燃料を置きかえたいという欧州連合(EU)の意向に起因するものです。これらの洋上風力発電設備は家庭や産業界に電力を供給するだけでなく、洋上風力発電によりグリーン水素を生産する設備の増設にも寄与することになります。(注)出所:国際エネルギー機関(IEA)、IEA Renewables 2021 ( https://www.iea.org/reports/renewables-2021 ) ※無断複製・転写を禁じます。
北海サミットでの洋上風力発増設の誓約署名は洋上風力発電を展開している電力会社にプラス
この誓約の署名による洋上風力発電投資の加速は、RWE、オーステッド、イベルドローラ、EDPレノバベイス、SSE(英国、総合公益事業)など、北海で洋上風力発電事業を展開している当ファンドの投資先の公益企業にとってプラスの推進力となるとみられます。これらの企業は北海でのプロジェクト入札を含む新しい国際化戦略を発表しています。また、グリーン水素生産設備の開発拡大は、エーオン(ドイツ、総合公益事業)やユニパー(ドイツ、独立系発電・エネルギー販売)(フォータムの子会社)などにとって投資機会になるものと期待されます。
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