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- 成長株中心に株価が調整するなか世界公益株式は底堅く推移
主要各国・地域の流動性供給が縮小に向かう中、世界株式市場は、これまで上昇をけん引してきた世界情報技術(IT)株式などの成長株を中心に続落しています。一方、株価収益率(PER)の拡大が成長株等に比べて限定的である世界公益株式は底堅く推移しています。
世界公益株式は底堅く推移
2022年年初、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で早期利上げの可能性が示唆され、予想よりタカ派的との受け止めが広がったことをきっかけにインフレや金利上昇への警戒感から世界の株式市場は大きく下落しています。
特に、これまでの上昇率が大きかった世界情報技術(IT)株式をはじめとした成長株を中心に下落が大きくなっています。コロナショック後の主要国・地域の経済・財政政策、新型コロナウイルスのワクチン、新薬の開発などによる景気回復期待から、世界情報技術(IT)株式などの成長株中心に資金が流入し、株価収益率(PER)も拡大していたため、株価調整時には資金が流出しやすい環境となったことなどが一因としてあげられます。
一方、世界公益株式は、相対的に小幅な下落にとどまり、底堅く推移しています。足元の世界的な株価下落の影響が比較的少ない背景として、これまで株価が穏やかに推移してきたことに加え、株価収益率(PER)も大きく上昇していないことなどがあるとみられます。
ネクステラ・エナジーなどを買い増し
直近1ヵ月間(2021年12月24日~2022年1月26日)では、当ファンドの組入れのなかでも、風力発電に強みを持つネクステラ・エナジー(米国、電力、2021年12月末組入1位、組入比率4.7%)や、オーステッド(デンマーク、電力、同16位、同2.7%)などは利益成長期待が高く、株価収益率(PER)の水準も上昇していたことから、相対的に株価の下落率が大きく、公益セクターの株価や当ファンドの基準価額にマイナスに寄与しました。
しかしながら、こうした環境下における株価の調整は投資機会であると捉え、当ファンドでもネクステラ・エナジーなどの利益成長が期待できるにもかかわらず株価の下落率が大きかった銘柄を買い増しました。世界的な脱炭素化の政策は、引き続き風力発電への移行などをはじめとしたグリーンシフトのトレンドに変わりないとみています。例えば、ネクステラ・エネジーが大きく事業展開している米国では、再生可能エネルギーの普及が進んでおり、将来的な再生可能エネルギープロジェクトの受注見通しは良好であるとみています。
(ご参考)ウクライナ情勢の緊迫化について~大きな懸念なし
ウクライナ情勢の緊迫化に関しては、情勢の悪化は発電源である天然ガスの価格を押し上げ、電力価格の上昇要因となります。政府や規制当局による値下げ圧力がない限りは、燃料費は電力価格に転嫁できるため公益企業への直接的なマイナスの影響はないと考えます。
主力の発電源である天然ガスの価格が上昇すると、電力の市場価格が上昇しますが、クリーンエネルギーによる発電コストは変わらないため、クリーンエネルギー発電中心の発電事業者にとって、天然ガス価格の上昇は利益増加要因となります。欧州ではこうした電力会社の利益に対する課税などの政治圧力がかかり、その影響が懸念されました。
こうした政治的圧力の影響が懸念されるフランスやイタリアの電力銘柄などは組入比率を既に引き下げています。他の欧州銘柄に関してはその懸念は少ないとみています。
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