- Article Title
- 生成AI利用拡大による電力需要増で注目が集まる公益株
●世界公益株式は5月に年初来高値を更新し、直近では主要株式を上回って推移
●生成AI等の普及などを背景にした電力需要増加などが寄与し、良好な利益見通し、割安な株価水準が投資機会を提供するとみる
■ 世界公益株式は5月に年初来高値を更新し、直近では主要株式を上回って推移
世界公益株式は、5月に年初来高値を更新し、直近3ヵ月(2024年2月26日~5月27日)では主要金融資産を上回って上昇しています。膨大なデータを処理する生成AI(人工知能)の利用が広がり、電力消費の多いデータセンターの建設が相次いでおり、関連する公益銘柄に注目が集まったことが、株価の押し上げ要因の一つになっていると考えられます。実際、関連する公益銘柄の一つネクステラ・エナジー(米国)は同期間で+45%(円ベース)となっています。
■ 投資環境見通し①~生成AI等の普及が電力消費量増加に寄与する可能性
生成AI等が普及すると電力消費量が大幅に増加することが予想されています。生成AIが質問に答えるには「グーグル」の一般的な検索の約10倍の電力を使うとされます。また、データセンターは膨大なデータを多数のサーバーで同時に計算処理し、サーバーの発熱によるシステムダウンを防ぐための冷却設備が必要で、大量の電力を消費します。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年から2026年にかけて世界のデータセンターやAI、暗号資産の電力需要は年平均最大で23%増加し、460TWhから2026年には620TWh~1,050TWhへ拡大する見込みです。増加分は最小でスウェーデン、最大でドイツ1国あたりの年間電力消費量に相当します。
先進国の電力需要はエネルギー効率の改善で近年ほぼ横ばいでしたが、AIの普及が電力需要の拡大を後押しし、公益企業の中長期的な成長に寄与すると期待されます。
■ 投資環境見通し②~底堅い世界公益企業の業績見通し
生成AI等の普及などを背景にした電力需要の増加による設備投資の増加や電力価格の上昇期待なども寄与し、公益企業(MSCI世界公益株価指数)の1株当たり利益(EPS)市場予想(12ヵ月先)は、増加しています。
■ 投資環境見通し③~ PERは過去平均や世界株式と比べて割安な水準
2024年5月24日時点の世界公益株式の予想株価収益率(PER)は15.1倍と世界株式の18.6倍と比べて低い水準にあり、過去との比較においても、世界公益株式は相対的に割安感が高まっています。
■ 投資環境見通し(まとめ)
1)生成AI等の普及が電力消費量増加に寄与する可能性があり、
2)底堅い世界公益企業の業績見通しに、さらなる追い風の可能性が期待されるなか、
3)現在、世界公益株式株価の予想PERは相対的に歴史的な割安水準となっています。
加えて、当ファンドの主要組入銘柄の主要事業である、規制下の公益事業は、その資産・負債の長期性から債券の代替の投資資産として扱われる傾向があり、長期金利の急上昇時には株価が下落する傾向が見られます。このため今後欧米の金融緩和が進んだ場合には、株価へのマイナスの影響が後退すると考えられます。
こうした現在の市場環境は公益セクターのファンダメンタルズに追い風となり、中長期的な投資機会を提供するとみています。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。