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- ピクテIFブラジル株|2022年年初来、堅調な推移
2022年年初来のブラジル株式は、相対的な割安感や、資源価格上昇、利上げペースの減速期待などを背景に堅調な推移となっています。ただし、10月には大統領選挙を控え、選挙戦を通して政策動向が大きく変化する可能性やインフレの一段の加速などが、ブラジル株式や通貨レアルの不安定要因となる可能性も残るため、当面は注視が必要と考えます。
2022年年初来、堅調な推移をみせるブラジル株式
世界の株式市場は2022年年初来、値動きが大きくなっています。この背景の1つには、世界的な経済の回復やインフレ高進により、米国をはじめとした主要国の金融引き締め加速観測が高まっていることなどがあります。加えて、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始するなど地政学リスクの高まりもマイナスの影響を及ぼしています。足元では反発の兆しもみられますが、先進国株式も新興国株式も、調整局面を迎えました。
一方、ブラジル株式は2022年年初来、堅調な推移を示しています(MSCIブラジル株価指数(配当込み(ネット))、円ベース)。
① 相対的な割安感
足元のブラジル株式の堅調な株価推移の背景の1つには、相対的なバリュエーション(投資価値評価)水準の魅力があるとみられます。
コロナ・ショックを経て、世界の株式市場は大きく上昇を続けてきており、バリュエーション水準も軒並み高まっていました。こうした中、ブラジル株式の予想株価収益率(PER)や、株価純資産倍率(PBR)といったバリュエーション水準の過去5年間の推移をみると、足元(2022年2月末時点)の水準に割高感はないとみられます。
また、ブラジル株式の足元(2022年2月末時点)の予想PER水準は、新興国株式の市場平均を下回り、また、先進国株式に比べると、相対的な割安感があると考えられます。
② 資源価格上昇は経済にプラス
コロナ・ショックから世界経済が正常化に向かう中で、原油やその他資源価格は上昇基調にありましたが、足元でロシアがウクライナへ軍事侵攻したことを受けて、西側諸国がロシアに対して課した経済制裁などの影響もあり、原油価格の上昇には一段の拍車がかかりました。
ブラジルは、原油や鉱物資源などを豊富に有する資源国です。資源価格の上昇は経済にとってプラスの恩恵をもたらすことが期待され、株式市場および通貨レアルにとってもプラス材料となります。
③ 利上げペースの減速
ブラジル中央銀行は2022年3月の金融政策決定会合で、過去1年間で9会合連続となる利上げを発表し、政策金利は11.75%となりました。しかし、利上げ幅は、前会合の声明で「利上げペースを落とすことが適切と予想する」と述べていた通り、1.0%ポイント(過去3回は1.5%ポイント)とされました。
これまで、景気が厳しい状況にあるものの、干ばつや経済再開に伴うインフレの加速を受け、金融引き締めが優先されてきました。急速な利上げペースが今後は緩やかになるとの期待は、ブラジル経済や株式市場にとってマイナス材料の後退(=プラス材料)と受け止められているとみられます。
当面は値動きが大きくなるリスクも残る
また、ブラジルが抱える財政悪化懸念については、足元では若干後退しており、この点も株式市場や通貨レアルにとって、安心材料になっていると考えられます。22年度予算を巡る議論でも、支持率低迷に苦しむボルソナロ大統領は、財政拡大で人気回復を目論んでいましたが、議会は財政規律の維持を盾にそれを阻止した格好で、当初の想定ほど財政赤字の拡大には至らないとみられています。
ただし、ブラジルは今年10月に大統領選挙を控えています。選挙戦を通して財政をはじめ様々な政策動向は大きく変化する可能性があり、ブラジル株式市場や通貨レアルの不安定材料となる可能性があります。また、インフレが一段と加速した場合には、金融政策も再びインフレ抑制が優先となることも想定されます。こうしたブラジル独自の要因に加えて、当面は引き続き、米国をはじめとした主要国の金融政策やロシア、ウクライナなどの地政学リスク動向にも、警戒が必要と考えます。
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