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投資戦略 ~ 米大統領選の結果が確定するまで展開を注視(短縮版)
2020/11/19

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概要

金融市場は米大統領選挙でバイデン候補が勝利を確実とし、米議会選挙で上下両院がねじれ議会となる公算が大きくなったことを受け、極端なリベラル色がない安定した政策運営を好感しています。しかし選挙結果は未だ確定しておらず、今後の展開を注意深く見守る方針です。株式戦略においては、新型コロナウイルスの感染状況が安定しているアジア圏(含む日本)の株式を選好します。



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10月の投資実績と市場環境

クアトロの2020年10月30日の基準価額は、前月末比で -109円(-0.93%)の11,612円となりました(図表I参照)。2020年10月の基準価額変動要因の内訳は、株式-37円、債券-12円、オルタナティブ+8円、先物・オプション-83円などとなりました。

図表 I:設定来基準価額推移

日次、期間:設定日(2013年12月12日)~2020年10月末

※クアトロの基準価額は、実質的な信託報酬等控除後、また換金時の費用・税金等は考慮しておりません。 


世界の株式市場は、目前に迫った米大統領選挙を巡る不透明感の高まりに備えたリスク抑制の動きや、財政支出拡大観測を受けた長期金利の上昇、さらには欧米諸国での新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念などから、下落しました。業種別では、公益やコミュニケーション・サービスが上昇した一方、エネルギー、ヘルスケア、資本財・サービスの下落率が大きくなりました。

世界国債市場は下落(利回りは上昇)しました。米国やドイツで市場予想を上回る経済指標が発表されたことや、米国の追加財政支援策の合意への期待などから世界国債市場は下落(利回りは上昇)しました。さらに、財政政策拡大を支持する米民主党が大統領、議会選挙で優勢との見方などから、世界国債市場は下げ足を強める展開となりました。

ドル・円為替市場は、欧米で新型コロナの感染再拡大への懸念が高まったこと、米大統領と議会選挙で財政拡大を支持する民主党が優勢との見方が強まったことなどから、円高・ドル安が進行しました。ユーロ・円為替市場は、欧州各国で新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻になったことや、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和政策を継続するとの根強い観測などを背景に、円高・ユーロ安が進行しました。

図表 II:設定来基準価額と各主要資産のパフォーマンス

日次、円換算、期間:設定日~2020年10月末

図表 III:設定来基準価額と各主要資産のリスク

日次、円換算、年率化、20日移動、期間:設定日(2013年12月12日)~2020年10月末

※クアトロの基準価額は、実質的な信託報酬等控除後、また換金時の費用・税金等は考慮しておりません。※先進国株式:MSCI世界株価指数(配当込み)、世界国債:FTSE世界国債指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数(配当込み)、日本国債:FTSE日本国債指数、1営業日前ベース
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

運用状況と今後の運用方針

当月の投資行動としては、欧米を中心に新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しており、景気への影響が懸念されることから、先物・オプションにおいて米国やドイツ株の保有比率を引下げました。また、米国大統領選挙に関連する不確実性を考慮し、市場変動の影響を受けづらいオルタナティブ(図表V③)資産への投資比率をやや引上げました。債券(図表V②)部分については、米ドル建て新興国債券(円)の比率を引下げる一方で、中国人民元建て債券(円)の比率を引上げました。また前月から引き続き、世界物価連動国債(ETF) の投資比率を引上げました。

図表 IV:クアトロの投資対象別構成比推移

月次、期間:2013年12月12日~2020年10月末

図表 V:投資対象別構成比(概算値)

2020年10月末(当月末)、2020年9月末(前月末)

※投資対象別構成比は、マザーファンドの各投資先ファンドを主な投資対象によって分類し、債券・株式・コモディティ・オルタナティブ・先物、キャッシュ・短期金融商品等と表示しています。「キャッシュ・短期金融商品等」には、投資先ファンドで保有する現金等の比率は含みません。※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。


収益への寄与度をみると、株式では中国A株 (ETF)やデジタル・コミュニケーション株式がプラス寄与となった一方で、低ボラティリティ世界株式(ETF)、セクターニュートラルクオリティ世界株式(ETF)や生活必需品株式(ETF)など、ほとんどの戦略がマイナス寄与となりました(図表VI①)。


オルタナティブでは大中華圏(グレーター・チャイナ)株式、マルチストラテジー型市場中立やグローバル株式ロング・ショートがプラス寄与となった一方で、フィジカル・ゴールドや欧州株式ロング・ショートがマイナス寄与となりました (図表VI②)。

債券では、ユーロ建て債券(円)、世界債券・通貨絶対収益や先進国高利回り優良国債(円)などがプラスに寄与した一方、米国の物価連動国債(ETF)、米ドル建て公共債(円)や世界物価連動国債(ETF)などの多くの戦略がマイナス寄与となりました(図表VI③) 。

図表 VI:組入資産の変動要因

月次、期間:設定日~2020年10月末

設定来実績(年率)

期間:2013年12月12日~2020年10月末

※変動要因は月次ベースおよび設定来の基準価額の変動要因です。基準価額は各月末値です。設定来の基準価額は基準日現在です。※変動要因はマザーファンドの組入ファンドの価格変動を基に委託会社が作成し参考情報として記載しているものです。項目(概算値)ごとに円未満は四捨五入しており、合計が一致しない場合があります。※信託報酬等は、当ファンドの信託報酬や信託事務に要する諸費用等を含みます。その他には、当ファンドで直接行われる為替予約取引の要因等を含みます。※記載の変動要因はマザーファンドの組入比率とマザーファンドの組入ファンドの価格変動および組入比率から算出した組入ファンド別の要因分析を主な投資対象ごとに集計したものです。したがって、組入ファンドの管理報酬等や、為替変動要因、ヘッジコスト、ヘッジ比率の変動による要因等は各投資対象に含まれます。また、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの要因は先物・オプションに、短期金融商品等を主な投資対象とするファンドの要因は、その他に含めています。※設定来実績収益率およびリスク(標準偏差)に用いた基準価額は信託報酬等控除後です。当資料における実績は、税金控除前であり、実際の投資者利回りとは異なります。また、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

図表VII:円資産比率推移(概算値)

月次、期間:2013年12月末~2020年10月末

※円資産の比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率と、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。円建て資産の比率は、各投資先ファンドで組入れている円建て資産と各投資先ファンドの実質組入比率から算出しています。為替予約の比率は、当ファンドで直接行う為替予約の比率です。
出所:ピクテ・アセット・マネジメント・エス・エイ 

金融市場は米大統領選挙でバイデン候補が勝利を確実とし、米議会選挙で上下両院がねじれ議会となる公算が大きくなったことを受け、極端なリベラル色がない安定した政策運営を好感しています。しかし大統領選挙結果は未だ確定しておらず、今後の展開を注意深く見守る方針です。また株式においては、新型コロナウイルスの感染状況が比較的安定しており、金融・財政政策を追加的に実施する余地も残されていると考えられるアジア圏(含む日本)地域を選好します。

 

米国の政治情勢を巡る不透明感が引き続き強い中、新型コロナウイルスの感染第2波が先進国で猛威を振るっています。投資家の直面する不確実性が増しているのは、追加の景気対策の規模と、それがどこで講じられるかが不明なことです。

従って、こうした事態の少なくとも幾つかが明らかになるまで、主要資産クラス(株式、債券、キャッシュ)のニュートラルを維持します。


 

株式:アジアの魅力が際立つ


【中国の経済活動改善を背景にアジア株式に明るい見通し】

中国の製造業PMIは強い輸出需要を受けてコロナ前の水準をほぼ回復しています。また、小売販売についても、その他分野と比較して回復が遅れているものの、個人消費に改善余地が十分残されていると考えます。また、輸出比率の高い日本経済は、アジア経済回復の恩恵を特に享受する公算が高く、実際に4ヵ月連続で実質輸出が拡大しています。また、魅力的なバリュエーション水準や、北アジア各国と同様、欧州や米国と比べて新型コロナウイルス感染の抑え込みに成功していることも好材料だと考えます。従って、新興国株式のオーバーウェイトを維持し、日本株式をオーバーウェイトに引き上げます。

図表1:中国の主要活動指数

2019年12月=100

図表2:日本の実質輸出

前月比

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

【ユーロ圏は景気後退局面への逆戻りを懸念】

欧州各国は、新型コロナウイルスの感染拡大第2波を受け、感染拡大の抑え込みを急ぐため新たなロックダウン等を含む行動制限を導入しています。これを背景に、ユーロ圏経済が景気後退(リセッション)局面に逆戻りするのではとの懸念が強まっています。ユーロ圏サービス業購買担当者景気指数(PMI)が10月末時点で50を下回る等、域内GDPの大部分を占めるサービス活動が停滞していることに加え、銀行が、不良債権の増加に備えて、融資基準を引き締めていること等を背景に景気に対する懸念が強まっています。また、画期的なパンデミック復興基金(総額約7,500億ユーロ)の実施は2021年半ばを待たねばならず、域内の足元の見通しは不透明さを増しています。こうした状況を勘案し、ユーロ圏株式をオーバーウェイトからニュートラルに引き下げます。

図表3:ユーロ圏サービス及び製造業購買担当者景気指数(PMI)

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

【素材、一般消費財、ヘルスケア及び生活必需品に注目】

景気敏感セクターでは、引き続き素材及び一般消費財セクターを選好します。

また、(景気変動に左右され難い)ディフェンシブ・セクターでは、ヘルスケアならびに生活必需品セクターを選好します。

情報技術(IT)セクターは、規制当局の監視を求める声が強まる米国のIT大手の先行きには暗雲が垂れ込めていること等を背景にニュートラルを維持します。

 

債券・為替:中国市場の重要性

【注目を集める中国国債】

マイナス利回りで取引される債券が増えるにつれて、人民元建て中国債券の魅力が増しています。中国10年国債は、約3%と魅力的な利回りを提供し、米国国債との利回り格差(利回りスプレッド)は過去最高の約250ベーシスポイント(2.5%)に広がっています。また、時価総額約14兆ドルと世界2位の中国債券市場は魅力的な利回り、低いボラティリティ、ポートフォリオの分散効果等を背景に、年初以降大きな資金流入を記録していることに加え、大手指数プロバイダー各社が主力の「世界国債指数」へ中国国債を組み入れることを発表したこと等も今後の資金流入に繋がると考えています。従って、人民元建て中国債券の選好を継続します。

図表4:米中10年国債利回り差と物価上昇率差
2020年11月5日時点

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

【妥当な価格でヘッジ機能を提供する米国国債】

米国国債は、新型コロナウイルスの世界的な流行や大統領選を巡る不確実性がリスク性資産市場を下押し、ボラティリティが上昇する局面にあって、妥当な価格でポートフォリオの分散にも繋がるヘッジ手段を提供すると考えています。また、近い将来、インフレ率の上昇が米国国債市場の下落をもたらす公算は極めて小さいとも考えています。その結果、引き続き米国国債も選好します。

【米連邦準備制度理事会(FRB)が引き続き米国の投資適格社債市場を支えると予測】

社債市場では、引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)の債券買入が下値を支えていることから米国の投資適格社債のオーバーウェイトを継続しています。

【米国ハイイールド債は引き続き慎重姿勢】

これに対し、米国ハイイールド債のデフォルト・リスクが過小評価されていると考えアンダーウェイトを維持しています。

【リスクに直面する環境でディフェンシブ性の高い、米国国債、スイスフラン、ゴールドをオーバーウェイト】

新型コロナウイルス感染再拡大に伴う経済活動停滞の可能性等、多くのリスクに直面する環境では、ディフェンシブ特性を有する資産がポートフォリオ全体の重要な構成要素となります。従って、安全資産であるスイスフラン、ゴールドのオーバーウェイトを維持します。

図表4-1:各資産のバリュエーション、過去平均(20年)から見た水準

2020年10月23日時点

※株式:株価純資産倍率(PBR)、12ヵ月先株価収益率(PER)、一株あたり利益トレンドベース株価収益率(PER)、株価売上高倍率(PSR)、ERP(先進国のみ)、現金、債券:利回りー名目GDPトレンド、商品:ブルームバーグスポット価格インデックス/世界インフレ率、通貨:PPPからの乖離、金:スポット価格/米国消費者物価指数、インフレ連動債:利回りー実質GDP成長率、新興国通貨建て債券:利回りー消費者物価指数などをもとに作成  ※2002年、2009年景気後退前の平均  各資産のバリュエーション、過去平均(20年)から見た水準:過去20年で何%の水準にあるかを表示 
出所:ピクテグループ

個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
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タイトル 投資戦略~景気下振れリスクに目配りしつつ、リスクを調整 タグ
日付
2021/12/22
タイトル 投資戦略(短縮版)~景気下振れリスクに目配りしつつ、リスクを調整 タグ
日付
2021/11/25
タイトル 投資戦略(短縮版)~リスク資産に対して中立的な姿勢を維持 タグ
日付
2021/11/25
タイトル 投資戦略~リスク資産に対して中立的な姿勢を維持 タグ
日付
2021/10/25
タイトル 投資戦略~投資環境の変化への備えを進める タグ
日付
2021/10/25
タイトル 投資戦略(短縮版)~投資環境の変化への備えを進める タグ
日付
2021/10/07
タイトル クアトロの直近の基準価額下落について タグ
日付
2021/09/29
タイトル 投資戦略(短縮版)~投資環境の変化を慎重に見極める方針 タグ
日付
2021/09/29
タイトル 投資戦略~投資環境の変化を慎重に見極める方針 タグ
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