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- クアトロ|市場見通しとポートフォリオの状況
● クアトロの基準価額は、リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移しており、2024年は年初来(5月17日まで)で4.9%の上昇となっています。
● 本稿では、現時点における運用チームの市場見通しとポートフォリオの状況(2024年4月末時点)を確認します。
リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移
クアトロの基準価額は、リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移しており、2024年は年初来(5月17日まで)で4.9%の上昇となっています(図表1)。
基準価額の堅調推移をもたらした主な市場要因としては、景気への楽観的な見方や今後の利下げ期待などを背景に、株式市場が上昇したことが挙げられます。2023年11月以降、クアトロではリスク資産の価格上昇トレンドは当面続くとの見方から、キャッシュ・短期金融商品等の比率を極力抑え、市場の動きに対応してきました。以下では、現時点における運用チームの市場見通しとポートフォリオの状況(2024年4月末時点)を確認します。
図表1:クアトロの基準価額の騰落率推移
年次、期間:2013年~2024年(2024年は5月17日まで)、設定来は2013年12月12日(設定日)~2024年5月17日
※基準価額は信託報酬等控除後。換金時の費用・税金等は考慮しておりません。 ※2013年は2013年12月12日(設定日)~2013年12月30日の騰落率を示しています。 ※日本国債:FTSE日本国債指数、世界国債(ヘッジあり):FTSE世界国債指数(円ヘッジ)、米国国債(ヘッジあり):FTSE米国国債指数(円ヘッジ) ※指数はすべてトータル・リターン・ベース※投資対象ファンドによって基準価額に反映する日が1-2日異なるため、比較指数は1営業日前ベースとしています。
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
ポートフォリオの状況(2024年4月末時点)
2024年4月末時点のポートフォリオの構成比は、株式33.3%、債券35.5%、オルタナティブ17.9% 、キャッシュ・短期金融商品等13.3%となっています(図表2)。
株式については、強気姿勢を継続する方針です。米国景気の底堅さを背景に米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測は後退しているものの、2024年4月の株式市場の下落によって相場の過熱感は緩和されており、投資環境は均衡が取れた状況に戻りつつあるとみています。
債券については、同資産が果たす株式に対する分散効果には引き続き期待できると考えています。地域別では、ファンダメンタルズ(基礎的条件)の観点から欧州に対する強気スタンスを継続する一方、米国についても10年国債利回りが5%近辺まで上昇すれば、買いの好機とみています。
オルタナティブでは、ポートフォリオ分散の観点からロング・ショート型戦略、市場中立型戦略、金への投資を継続しています。金については、中長期での強気見通しは変わらないものの、目標とする価格水準に迫る上昇となったことからいったん組入比率を引き下げました。
なお、運用チームは現時点では円に対して中立的な見方をしており、為替ヘッジの比率は、当面、現状の水準を継続する方針です。
図表2:2024年4月末時点のクアトロのポートフォリオ
時点:2024年4月30日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント①欧米先進国の先行きの成長率低下
米国経済は依然として底堅く推移しているものの、金融引き締めがいずれ景気に対する下押し圧力となることは避けられないと考えられます。消費の下支えが弱まり、金利が高止まりした場合、家計と企業のバランスシートは悪化し、成長は徐々に鈍化すると予想しています。株式については、相対的に景気変動に左右されにくいと考えられるクオリティ・グロース株式やディフェンシブ株式を選好しています。債券については、全般に成長率低下が金利低下(債券価格は上昇)につながると見込んでいますが、米国債市場の需給悪化などに起因するデュレーションリスクはコントロールしつつ、組入比率の引き上げを検討していきます。なお、クレジット・リスクを避ける観点から先進国の国債と投資適格債券に注目しています。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表3)。
株式
クオリティ・グロース株式~「ディフェンシブ戦略株式」、「世界スタイル株式(クオリティ重視)」、「デジタル・コミュニケーション関連株式」、「スイス株式」、「ロボティクス関連株式」、「米国株式(先物)」、「欧州株式(先物)」、「英国株式(先物)」
ディフェンシブ株式~「ディフェンシブ戦略株式」、「スイス株式」
債券
「世界ESG関連投資適格社債」、「フランス長期国債(先物)」、「ドイツ長期国債(先物)」、「米国長期国債(先物)」
図表3:2024年4月末時点のクアトロのポートフォリオ~①欧米先進国の先行きの成長率低下
時点:2024年4月30日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント②物価の粘着性と地政学的リスク
世界的にみて、インフレ率は低下していく可能性が高いものの、経済成長に打撃を与えることなく、インフレ率のみが各国・地域の中央銀行が目標とする水準に到達することは困難であると考えています。また、循環的なインフレ圧力が低下している一方で、構造的なインフレ要因(地政学的な緊張の高まりによるサプライチェーンの分断に起因するものなど)は継続しています。緊迫の度合いが引き続き高い地政学的リスクなどを背景に、インフレ抑制はさらに困難になりつつあると認識しています。こうしたなか、FRBなどの主要中央銀行にとって、金融政策のかじ取りがさらに困難な局面となっています。仮に、景気への配慮から金融引き締めを抑制することになれば、インフレ率を高止まりさせるリスクとなりうるため、注意が必要と考えています。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表4) 。
株式
「世界エネルギー株式(ETF)」
債券
「米国長期物価連動国債(現物)」
オルタナティブ
「金」
図表4:2024年4月末時点のクアトロのポートフォリオ~②物価の粘着性と地政学的リスク
時点:2024年4月30日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント③景気の底を通過する中国とその他新興国のボトムアウト期待
今後のポートフォリオ戦略において、地域分散がもたらす分散効果に注目しています。新興国においては、これまで積極的な金融引き締めを行ってきたことで、先進国・地域と比較して早期に金融緩和に軸足を移そうとしています。このため、新興国の景気回復ペースは、先進国・地域と比較して相対的に早いとみていますが、新興国資産全般については、確信度が高まったタイミングで投資比率の引き上げを検討していきます。中国については、漸進的かつ範囲を絞った金融緩和策は、その効果が顕在化するまでに時間を要するとみています。引き続き、中国の政治面・経済面における構造的な課題(米国との対立や不動産セクターの信用不安など)には大きな進展がみられておらず、中央銀行である中国人民銀行は緩和的な政策スタンスを今後も強いられるものと考えています。目先の中国の景気は厳しいと判断するものの、いずれは金融緩和によって中国の景気も緩やかながら回復基調に向かうものと考えており、中国経済のボトムアウトがその他新興国のさらなる成長をけん引することが期待されます。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表5)。
株式
「新興国高配当株式」
債券
「現地通貨建て新興国債券」、「新興国債券(為替ヘッジ)」
図表5:2024年4月末時点のクアトロのポートフォリオ~③景気の底を通過する中国とその他新興国のボトム
アウト期待時点:2024年4月30日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント④注目が続く日本
日本についても同様に、地域分散の観点から注目しています。日本は、景気が悪化していくサイクルにある欧米とは異なる景気局面に位置していると考えています。日本銀行は、2024年3月にマイナス金利政策を解除し、17年ぶりとなる利上げに踏み切ったものの、金融緩和スタンスを継続することで国内経済の回復をサポートする姿勢を維持すると考えています。緩和的な環境が維持されることで、日本資産の魅力が下支えされるものと考えています。
日本株式については、引き続き、バリュエーション(投資価値評価)が相対的に魅力的と考えているほか、継続的な企業統治改革(資本効率の改善に向けた株主還元強化など)が期待されます。日本国債については、逆イールドとなっている主要先進国の多くと比較して相対的に魅力的な利回り(為替ヘッジコスト控除後、ロールダウン効果込み)が期待されます。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表6)。
株式
「日本株式」、「日本株式(先物)」
債券
「日本超長期国債(現物)」
図表6:2024年4月末時点のクアトロのポートフォリオ~④注目が続く日本
時点:2024年4月30日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
基準価額の推移
日次、期間:2013年12月12日(設定日)~2024年5月17日
※基準価額は1万口当たりで表示 ※基準価額は信託報酬等控除後 ※破線はご参考で、将来の値動きを示唆するものではありません。
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