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- クアトロ|株式と債券の分散効果が復活しており、好ましい運用環境に戻りつつある
● クアトロの2023年年初来(9月13日まで)の騰落率は+2.6%。2023年に入ってからは株式と債券の分散効果が復活しており、クアトロのようなマルチアセット戦略にとって好ましい運用環境に戻りつつある
● 本稿では、以下の4つのポイントに対する独自の見解を整理しつつ、ポートフォリオの状況(2023年8月末時点)を概観する~①欧米先進国の先行きの成長率低下、②物価の粘着性、③中国およびその他新興国のボトムアウト期待、④注目が高まる日本
クアトロのようなマルチアセット戦略にとって好ましい運用環境に戻りつつある
クアトロの2023年9月13日の基準価額は11,387円となり、2023年年初来(9月13日まで)の騰落率は+2.6%となりました。2022年は主要中央銀行が金融引き締めを進めるなか、株式と債券が揃って大きく下落し、分散効果が発揮されにくい難しい局面が続きましたが、2023年に入ってからは株式と債券の分散効果(値動きの逆相関)が復活しており、足元ではクアトロのようなマルチアセット戦略にとって好ましい運用環境に戻りつつあると考えています(図表1)。
図表1:基準価額の推移
日次、期間:2013年12月12日(設定日)~2023年9月13日
※基準価額は1万口当たりで表示 ※基準価額は信託報酬等控除後 ※破線はご参考で、将来の値動きを示唆するものではありません。
金融市場を取り巻く環境は複雑化するも投資方針の大枠はこれまでと変わらず
米国の景気後退懸念が弱まる一方、欧州や中国の景気の先行きに対する不透明感が強まるなど、世界のマクロ経済環境には跛行色が見られます。また米国国債の突然の格下げや、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の柔軟化などによって、金融市場を取り巻く環境は複雑化しています。そのなかにあって、株式と債券の分散効果の復活は一時的なものにとどまらず、クアトロのようなマルチアセット戦略にとって好ましい運用環境に戻りつつあると考えています。2023年後半は、以下の4つのポイントに対する独自の見解に基づきポートフォリオを構築し、リターンの積み上げを目指します。①欧米先進国の先行きの成長率低下、②物価の粘着性、③中国およびその他新興国のボトムアウト期待、④注目が高まる日本。以下では、2023年8月末時点のポートフォリオの全体像を概観したうえで、4つのポイントに対する運用チームの見解およびポートフォリオへの反映状況を確認します。
2023年8月末時点のポートフォリオの構成比は、株式26.2%、債券40.1%、オルタナティブ20.0% 、キャッシュ・短期金融商品等13.6%となっています(図表2)。株式については、先行きの景気後退リスクに配慮しつつも、クオリティの高い株式やディフェンシブ性の強い株式を中心に保有し、30%弱の組入比率を保っています。債券については、これまでと同様に景気が悪化する局面においてリターンの源泉になると考えており、組入比率を引き上げるタイミングを検討していきます。オルタナティブでは、株式や債券などの伝統的資産と合わせ持ちした際の分散効果に期待して金の保有を継続しています。金融市場を取り巻く環境は複雑化していますが、投資方針の大枠はこれまでと変わっていません。
図表2:2023年8月末時点のクアトロのポートフォリオ
時点:2023年8月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント①欧米先進国の先行きの成長率低下
現在の米国を始めとした先進国の経済成長の力強さは、昨年来の金融引き締めの規模からすれば異例と言ってよいと思われます。民間のバランスシートが強固なことなどから、金融引き締めによる景気抑制効果は今のところ本格的に顕在化するに至っていません。一方で、欧米先進国の成長率は今後鈍化していく公算が大きく、金融引き締めが景気に対する一段の下押し圧力になると考えています。このため、リスク資産全般に対する投資スタンスは慎重姿勢を継続しています。株式については、相対的に景気変動に左右されにくいと考えられるクオリティ・グロース株式やディフェンシブ株式を選好しています。債券については、全般に成長率低下が金利低下(債券価格は上昇)につながると見込んでいますが、デュレーションリスクはコントロールしつつ、組入比率の引き上げを検討していきます。なお、クレジット・リスクを避ける観点から先進国の国債、特に欧州国債に注目しています。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表3)。
株式
クオリティ・グロース株式~「世界スタイル株式(クオリティ)」、「デジタルコミュニケーション関連株式」、「スイス株式」、「米国株式(先物)」
ディフェンシブ株式~「世界ESG関連株式」、「スイス株式」
債券
「フランス長期国債(先物)」、「ドイツ長期国債(先物)」、「米国長期国債(先物)」、「スペイン国債(現物)」
図表3:2023年8月末時点のクアトロのポートフォリオ~①欧米先進国の先行きの成長率低下
時点:2023年8月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント②物価の粘着性
世界的にみて、循環的なインフレ圧力が低下している一方で、構造的なインフレ要因(地政学的な緊張の高まりによるサプライチェーンの分断に起因するものなど)は継続しています。このため、インフレの抑制に向けて金利の高止まりが続くとみられることから、先行きの成長率低下は不可避であると考えています。米連邦準備制度理事会(FRB)など主要中央銀行は、金融政策のかじ取りがさらに困難な局面を迎えています。仮に、景気への配慮から金融引き締めを抑制することになれば、インフレ率を高止まりさせるリスクとなりうるため、注意が必要と考えています。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表4) 。
債券
「米国長期物価連動国債(現物)」
オルタナティブ
「金」
いずれもインフレ耐性に優れる点に着目しています。「金」については、前段で述べたとおり、株式や債券などの伝統的資産と合わせ持ちした際の分散効果にも期待しています。
図表4:2023年8月末時点のクアトロのポートフォリオ~②物価の粘着性
時点:2023年8月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント③中国およびその他新興国のボトムアウト期待
中国の政治面・経済面における構造的な課題(米国との対立や不動産セクターの信用不安など)には大きな進展が見られておらず、中央銀行である中国人民銀行は緩和的な政策スタンスの継続を強いられるものと考えています。これにより、いずれは中国の景気も緩やかながら回復基調に向かうものと考えています。加えて、その他新興国の景気回復も見込んでいます。金融引き締めを早期に進めたことから足元では利下げを模索する新興国の中央銀行も出てきていること、中国の景気回復の波及効果が期待されることが背景です。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表5)。
株式
「ブランド関連株式」、「新興国高配当株式」
債券
「現地通貨建て新興国債券」、「新興国債券(為替ヘッジ)」
オルタナティブ
「アジア株式ロング・ショート戦略(為替ヘッジ)」
なお、中国株など、中国への直接的な投資は最小限としています。
図表5:2023年8月末時点のクアトロのポートフォリオ~③中国およびその他新興国のボトムアウト期待
時点:2023年8月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント④注目が高まる日本
イールドカーブ・コントロール(YCC)政策に一部修正が加えられたものの、日本銀行は依然として積極的な金融緩和姿勢を継続しています。加えて、日本は、景気が悪化していくサイクルにある欧米とは異なる景気局面に位置していると考えています。
日本株式については、引き続き、バリュエーション(投資価値評価)が相対的に魅力的と考えているほか、継続的な企業統治改革(資本効率の改善に向けた株主還元強化など)が期待されます。日本国債については、逆イールドとなっている主要先進国と比較して相対的に魅力的な利回り(為替ヘッジコスト控除後、ロールダウン効果込み)が期待されます。オルタナティブでは、バリュエーションおよびインカム水準から日本リートの魅力度が高まったと判断しています。このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表6)。
株式
「日本株式(先物)」、「日本株式(現物)」
債券
「日本中期国債(現物)」、「日本超長期国債(現物)」
オルタナティブ
「日本リート(ETF)」
図表6:2023年8月末時点のクアトロのポートフォリオ~④注目が高まる日本
時点:2023年8月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
※将来の市場環境の変動等により、当資料に記載の内容が変更される場合があります。
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