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- クアトロ|2023年後半は、どのようなポートフォリオで リターンの積み上げを目指すか
● クアトロの2023年年初来(6月28日まで)の騰落率は+3.5% 。2023年3月以降、株式と債券の分散効果が復活し、クアトロのパフォーマンスは好転
● 2023年後半は、以下の4つのポイントに対する独自の見解に基づきポートフォリオを構築し、リターンの積み上げを目指す~①欧米先進国の成長率低下、②物価の粘着性、③中国およびその他新興国の回復、④注目が高まる日本
パフォーマンス好転の背景にある株式と債券の分散効果の復活
クアトロの2023年6月28日の基準価額は11,492円となり、2023年年初来(6月28日まで)の騰落率は+3.5%となりました。2022年は主要中央銀行が金融引き締めを進めるなか、株式と債券が揃って大きく下落し、分散効果が発揮されにくい難しい局面が続きましたが、2023年3月以降は株式と債券の分散効果(値動きの逆相関)が復活しており、足元でクアトロのパフォーマンスは好転しています(図表1)。
図表1:基準価額の推移
日次、期間:2013年12月12日(設定日)~2023年6月28日
※基準価額は1万口当たりで表示 ※基準価額は信託報酬等控除後 ※破線はご参考で、将来の値動きを示唆するものではありません。
2023年後半は、どのようなポートフォリオでリターンの積み上げを目指すか
クアトロのパフォーマンス好転の背景にある株式と債券の分散効果の復活は、一時的なものにとどまらないと考えています。主要中央銀行による金融引き締めが終わりに近づいていると考えられるためです。2023年後半は、以下の4つのポイントに対する独自の見解に基づきポートフォリオを構築し、リターンの積み上げを目指します。①欧米先進国の成長率低下、②物価の粘着性、③中国およびその他新興国の回復、④注目が高まる日本。以下では、2023年5月末時点のポートフォリオの全体像を概観したうえで、4つのポイントに対する運用チームの見解およびポートフォリオへの反映状況を確認します。
2023年5月末時点のポートフォリオの構成比は、株式28.2%、債券40.7%、オルタナティブ20.0%、キャッシュ・短期金融商品等11.0%となっています(図表2)。株式については、先行きの景気後退リスクに配慮しつつも、ディフェンシブ性の強い株式やクオリティの高い株式を中心に保有し、30%程度の組入比率を保っています。債券については、景気が悪化する局面においてリターンの源泉になると考えており、キャッシュ・短期金融商品等から債券へと組入れをシフトしてきました。オルタナティブについては、株式や債券などの伝統的資産と合わせ持ちした際の分散効果に期待して金の保有を継続しています。
円資産(円建て資産や円ヘッジの外貨建て資産)比率は2023年5月末時点で72%程度としており、過去平均の83%程度(月末ベース、2013年12月末~2023年5月末)と比較すると、外貨の実質的な比率を高めています。
図表2:2023年5月末時点のクアトロのポートフォリオ
時点:2023年5月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント①欧米先進国の成長率低下
米地方銀行破綻以前から欧米先進国の成長率は鈍化しており、銀行が融資を控えることで、景気には一段の下押し圧力が掛かるとみています。これは、ポートフォリオ全体のリスク抑制を継続する背景となっています。株式については、景気変動に左右されにくいと考えられるディフェンシブ株式やクオリティ・グロース株式を選好しています。債券については、全般に成長率低下が金利低下(債券価格は上昇)につながると見込んでいますが、クレジット・リスクを避ける観点から先進国の国債に注目しています。
このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表3)。
株式
ディフェンシブ株式~「世界スタイル株式(クオリティ・低ボラティリティ)」、「世界ESG関連株式」、「スイス株式」
クオリティ・グロース株式~「世界スタイル株式(クオリティ・低ボラティリティ)」、「デジタルコミュニケーション関連株式」、「スイス株式」、「米国ナスダック(先物)」
債券
「米ドル建てソブリン債(為替ヘッジ)」、「ドイツ長期国債(先物)」、「米国超長期国債(先物)」、「フランス長期国債(先物)」
図表3:2023年5月末時点のクアトロのポートフォリオ~①欧米先進国の成長率低下
時点:2023年5月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント②物価の粘着性
世界的にみて、循環的なインフレ圧力が低下している一方で、構造的なインフレ要因(地政学的な緊張の高まりによるサプライチェーンの分断に起因するものなど)は継続しています。こうしたなか、米国のみならずその他先進国の銀行業界が直面するストレスが、米連邦準備制度理事会(FRB)など中央銀行の金融引き締めを抑制することになれば、インフレを高止まりさせるリスクとなりうるため注意が必要と考えています。
このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表4) 。
債券
「米国長期物価連動国債(現物)」
オルタナティブ
「金」
いずれもインフレ耐性に優れる点に着目しています。「金」については、前段で述べたとおり、株式や債券などの伝統的資産と合わせ持ちした際の分散効果にも期待しています。
図表4:2023年5月末時点のクアトロのポートフォリオ~②物価の粘着性
時点:2023年5月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント③中国およびその他新興国の回復
世界第2位の経済大国である中国は、構造的な課題(米国との対立や不動産セクターの信用不安など)を抱えています。一方で、「ゼロコロナ」政策の解除により経済活動が再開され、景気は緩やかながら回復基調にあると考えています。中国の景気回復の影響は、その他新興国に波及すると期待されます。中国の金融政策については、中央銀行である中国人民銀行が緩和的な政策スタンスを継続するとみています。
このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表5)。
株式
「ブランド関連株式」、「新興国高配当株式」、「アジア(除く日本)株式」
債券
「現地通貨建て新興国債券」、「新興国債券(為替ヘッジ)」、「新興国短期社債(為替ヘッジ)」
オルタナティブ
「アジア株式ロング・ショート戦略(為替ヘッジ)」
いずれも欧米先進国と新興国との成長率格差が拡がるとみられることや米ドル安の可能性を見込むことなどが背景にあります。
図表5:2023年5月末時点のクアトロのポートフォリオ~③中国およびその他新興国の回復
時点:2023年5月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント④注目が高まる日本
日本に関しては、その他地域と比較して経済活動の再開が遅かったことや日本銀行が積極的な金融緩和姿勢を続けていることを踏まえると、景気が悪化していくサイクルにある欧米とは異なる景気局面に位置していると考えています。株式については、バリュエーション(投資価値評価)が相対的に魅力的と考えているほか、継続的な企業統治改革(資本効率の改善に向けた株主還元強化など)が期待されることなどから、海外投資家のアンダーウェイト(ベンチマークより低い投資比率)解消の恩恵を受けるとみています。債券については、逆イールドとなっている主要先進国と比較して相対的に魅力的な利回り(為替ヘッジコスト控除後、ロールダウン効果込み)が期待されます。
このような見解に基づき、以下をポートフォリオに組入れています(図表6)。
株式
「日本株式(先物)」、「日本株式(現物)」
債券
「日本超長期国債(現物)」、「日本中期国債(現物)」
なお、日本銀行が積極的な金融緩和姿勢を続けていることなどを踏まえ、過去平均と比較して外貨の実質的な比率を高めており、2023年5月末時点の円資産(円建て資産や円ヘッジの外貨建て資産)比率は72%程度となっています。
図表6:2023年5月末時点のクアトロのポートフォリオ~④注目が高まる日本
時点:2023年5月31日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
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