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- 投資戦略~景気下振れリスクに目配りしつつ、リスクを調整
企業業績は総じて堅調に推移しており、株式市場に対して過度に悲観的になる必要はないものの、物価上昇局面でも利益率を確保できる業種・企業を選別して投資を行う方針です。一方、オミクロン株が実体経済に悪影響を及ぼす可能性に留意し、債券デュレーションを長期化するなど、景気の下振れリスクにも目配りしながらポートフォリオ全体でリスク調整を行う方針です。
11月の運用状況:11月末の基準価額は前月末比で0.02%下落しました
クアトロの2021年11月30日の基準価額は、前月末比で-2円(-0.02%)の12,359円となりました。
図表1:基準価額の推移
日次、期間:設定日(2013年12月12日)~2021年11月末
※基準価額は1万口あたりで表示しています。
※クアトロの基準価額は、実質的な信託報酬等控除後、また換金時の費用・税金等は考慮しておりません。
基準価額の変動要因:株式以外の資産クラスがマイナス要因に
2021年11月の基準価額変動要因は、株式がプラス要因となった一方、オルタナティブ、債券、先物・オプションがいずれもマイナス要因となりました。
図表2:基準価額の変動要因
月次、期間:設定日(2013年12月12日)~2021年11月末
※基準価額の変動要因は1万口あたりで表示しています。
今月の主な投資行動の振り返り
今後の見通し
企業業績は総じて堅調に推移しており、株式市場に対して過度に悲観的になる必要はないものの、物価上昇局面でも利益率を確保できる業種・企業を選別して投資を行う方針です。一方、オミクロン株が実体経済に悪影響を及ぼす可能性に留意し、債券デュレーションを長期化するなど、景気の下振れリスクにも目配りしながらポートフォリオ全体でリスク調整を行う方針です。
資産配分比率決定の分析ポイント:4つの柱
1)マクロ経済分析~経済活動の再開は順調に進む
ピクテの景気循環指標は新型コロナウイルス危機からの経済の回復基調が継続していることを示唆しています。2022年前半にかけてサービス業をけん引役に経済成長が再加速するとみており、2022年通年の世界のGDP(国内総生産)成長率は前年比+4.8%と過去の長期トレンド(+3%程度)を上回ると予想しています。
都市封鎖(ロックダウン)の再発動や新規感染者数の急増を背景とした欧州経済の短期的な下振れが懸念されるものの、先進国経済の回復については見通しの確信度が高まっています。特に、米国の経済成長は、実質ベース・名目ベースの双方で底堅さを維持するとみています。
図表3:世界のGDP成長率実績とピクテ予想
前年比、%
※市場予想は2021年11月11日時点のブルームバーグコンセンサス予想を使用
※(差異)は2022年のピクテ予想と市場予想の差異
出所:CEIC、リフィニティブ・データストリーム、ブルームバーグのデータを使用しピクテ・アセット・マネジメント作成
2)流動性分析~引き続き世界の中央銀行による流動性供給のペースは鈍化
ピクテの流動性指標は、一部の国・地域の中央銀行による量的金融緩和の縮小を背景に、2021年10-12月期の信用供与が大幅に減少することを示唆しています。一方、米国を中心に、民間部門の信用供与の伸びを示す兆候が認められるほか、中国では金融政策が緩和的な方向に転じ始めています。ただし、民間部門における借入増加は、過去の例では、中央銀行による金融引き締めペースを加速させ、金利の上昇要因となっていることには注意が必要です。
図表4:主要国・地域の中央銀行の流動性フロー
月次、期間:2007年1月~2021年10月、6ヵ月移動平均、対名目GDP
※流動性フローは中央銀行の資金供給量(流出入ベース)より算出
出所:リフィニティブ・データストリームのデータを使用しピクテ・アセット・マネジメント作成
3)バリュエーション(相対的価値)分析~株式は割高ながら、堅調な企業業績が株価の下支え要因に
ピクテのバリュエーション指標は主要な資産クラスの多くが過去と比較して割高な水準にあることを示唆しています。
流動性の縮小と実質利回りの上昇が株価収益率(PER)を低下させることが懸念されますが、想定される低下幅の半分程度は今年前半のうちに株価に織り込まれたとみています。企業の利益成長率は早晩鈍化する見通しですが、2022年については前年比+16%(MSCI全世界株価指数の1株あたり利益ベース)を予想しています。株式は割高ながら、堅調な企業業績が株価の下支え要因になるとみています。
図表5:各資産のバリュエーション、過去平均(20年)から見た水準
※株式:株価純資産倍率(PBR)、12ヵ月先株価収益率(PER)、1株あたり利益トレンドベース株価収益率(PER)、株価売上高倍率(PSR)、PEGレシオ、株式リスクプレミアム(先進国のみ) 現金および債券:利回りー名目GDPトレンド 商品:ブルームバーグスポット価格インデックス/世界インフレ率 通貨:PPP(購買力平価)からのかい離 金:スポット価格/米国消費者物価指数 物価連動債:物価連動債利回りー実質GDP成長率 現地通貨建て新興国債券:利回りー消費者物価指数などをもとに算出。
出所:リフィニティブ・データストリームのデータを使用しピクテ・アセット・マネジメント作成
4)センチメント(テクニカル)分析~投資家は債券市場に弱気の姿勢
ピクテのテクニカル指標は、グローバル株式の一段の強気トレンドを示唆する一方、債券に対する弱気トレンドを示唆しています。
流動性環境がこれ以上悪化せず、センチメントが売られすぎの状態になれば、リスク資産への投資比率を引き上げる好機となる可能性があります。ピクテ・センチメントインデックスは、オミクロン株の出現により株価が下落したことなどから2021年11月の1ヵ月間に大きく改善(数値は低下)しましたが、11月末時点では-1.8となっており、売られすぎと判断される-2.0以下には至っていません。
当面は、様々な可能性を考慮し、引き続き慎重な姿勢で臨み、サプライズに強い分散されたポートフォリオとすることを心がけたいと考えています。
図表6:ピクテ流動性・センチメントインデックス
日次、期間:2018年11月30日~2021年11月30日
※世界株式:MSCI ACWI株価指数(ドルベース)
※ピクテ流動性・センチメントインデックスは流動性供給量や世界株式の予想PERなどを使用し、ピクテ・アセット・マネジメントが独自に算出
出所:リフィニティブ・データストリーム、ピクテ・アセット・マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
基準価額の変動要因(各組入資産の寄与度)と騰落率
図表7:基準価額の変動要因(各組入資産の寄与度)と騰落率
月次、期間:設定日(2013年12月12日)~2021年11月末
※基準価額の変動要因は1万口あたりで表示しています。
※外貨建ての指定投資信託証券は円換算して騰落率を計算しています(為替レート:対顧客電信売買相場の仲値)。騰落率は分配金を再投資して計算し、各月末に組入れがある投資信託証券について直近の組入開始日から各月末までの期間の月次の騰落率を表示しています。売買により一旦組入れがなくなった後に再び組入れを開始した場合は、再び組入れる前の期間については騰落率は表示されません。変動要因の各資産の数値は2021年6月末~2021年11月末に保有の資産の表示しているため、資産クラス別の設定来の合計値は各資産の設定来の変動要因と必ずしも一致しません。マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの変動要因は主な投資対象の先物・オプションに含まれます。
組入資産の構成比
図表8:組入資産の構成比
月次、期間:2021年5月末~2021年11月末
※組入比率は、基準日時点の実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該証券の組入比率)。将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
組入資産の構成比と円資産比率
図表9:資産配分比率の推移
月次、期間:2013年12月末~2021年11月末
図表10:円資産比率の推移(概算値)
月次、期間:2013年12月末~2021年11月末
ファンドの特色
※「ポートフォリオ効果」とは、値動きの異なる複数の資産を組み合わせて分散投資をすることで、個々の資産の値動きが相殺され、ポートフォリオ全体としてのリスクが軽減されることをいいます。
参考データ
出所:リフィニティブ・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
【注釈】
※変動要因は月次ベースおよび設定来の基準価額の変動要因です。※変動要因はマザーファンドの組入ファンドの価格変動を基に委託会社が作成し参考情報として記載しているものです。項目(概算値)ごとに円未満は四捨五入しており、合計が一致しない場合があります。
※信託報酬等は、当ファンドの信託報酬や信託事務に要する諸費用等を含みます。その他には、当ファンドで直接行われる為替予約取引の要因等を含みます。
※記載の変動要因はマザーファンドの組入比率とマザーファンドの組入ファンドの価格変動および組入比率から算出した組入ファンド別の要因分析を主な投資対象ごとに集計したものです。したがって、組入ファンドの管理報酬等や、為替変動要因、ヘッジコスト、ヘッジ比率の変動による要因等は各投資対象に含まれます。また、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの要因は先物・オプションに、短期金融商品等を主な投資対象とするファンドの要因は、その他に含めています。
※基準価額は信託報酬等控除後です。信託報酬率は「手続・手数料等」の「ファンドの費用」をご覧ください。
※円資産の比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率と、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。円建て資産の比率は、各投資先ファンドで組入れている円建て資産と各投資先ファンドの実質組入比率から算出しています。為替予約の比率は、当ファンドで直接行う為替予約の比率です。
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、オルタナティブ、債券、短期金融商品等に分類、集計しています。構成比推移の債券と株式にはマザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。株式先物・オプション、債券先物・オプションにはピクテ・デルタ・ファンドの株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。
※組入資産の構成比および円資産の比率は、四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
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●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
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