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- 投資戦略(短縮版) ~ 景気回復の継続を受け、やや強気スタンスを継続
新型コロナの感染状況には警戒を要するものの、製造業を中心に世界経済が緩やかな回復局面にあるとの認識に変わりありません。このため、景気回復を主導する中国や米国の株式に加え、景気感応度の高い製造業の比率が高い日本株式の組入れ比率を高位に保つ方針です。債券については金利上昇圧力が見られるものの、魅力的な水準にまで利回りが上昇すれば、債券の組入比率の引き上げも検討します。
1月の投資実績と市場環境
クアトロの2021年1月29日の基準価額は、前月末比で +76円(+0.63%)の12,127円となりました。 (図表I参照)。 2021年1月の基準価額変動要因の内訳は、株式+77円、 債券+15円、オルタナティブ+19円、先物・オプション+5 円などとなりました。
図表 I:設定来基準価額推移
日次、期間:設定日(2013年12月12日)~2021年1月末
※クアトロの基準価額は、実質的な信託報酬等控除後、また換金時の費用・税金等は考慮しておりません。
世界株式市場は、新型コロナウイルスの感染再拡大やワ クチン接種の遅れに対する懸念などから下落する局面も ありましたが、米バイデン新政権による景気刺激策への期待や情報通信関連企業の良好な決算などを背景に、上 昇しました。
世界債券市場は、12月の米ISM景況感指数が製造業・サービス業共に市場予想を上回ったことや、米国議会で 民主党が実質的に上下両院を支配することとなり財政支 出の拡大が想定されたことなどを背景に、下落(利回りは上昇)しました。
ドル·円為替市場は、米国における財政政策の拡大期待が高まったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)参加者から量的緩和策縮小に関してのコメントが出たことなどから、円安・ドル高となりました。
ユーロ·円為替市場は、イタリアで政局不安が高まったことや、ユーロ圏の経済指標が市場予想を下回ったことなどから、円高·ユーロ安となりました。
図表 II:設定来基準価額と各主要資産のパフォーマンス
日次、円換算、期間:設定日~2021年1月末
図表 III:設定来基準価額と各主要資産のリスク
日次、円換算、年率化、20日移動、期間:設定日(2013年12月12日)~2021年1月末
※クアトロの基準価額は、実質的な信託報酬等控除後、また換金時の費用・税金等は考慮しておりません。※先進国株式:MSCI世界株価指数(配当込み)、世界国債:FTSE世界国債指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数(配当込み)、日本国債:FTSE日本国債指数、1営業日前ベース
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
運用状況と今後の運用方針
当月の投資行動は、株式(図表V①)ではこれまで大きく上昇してきた情報技術関連株の反落リスクに備えて、ナスダック100指数のプットオプションを買増しました。また低ボラティリティ世界株式(ETF)やデジタル・コミュニケーション株式の比率を引下げ、新たにロボティクス株式を組入れることで、ファンドの景気感応度を引上げると共に戦略分散を強化しました。債券(図表V②)では、米国の物価連動国債(ETF)から世界物価連動国債(ETF)への入れ替えると同時に、米国国債先物を中心に保有比率をやや引き下げました。オルタナティブ(図表V③)では、グローバル株式マーケット・ニュートラル戦略を新たに組入れました。
図表 IV:クアトロの投資対象別構成比推移
月次、期間:2013年12月12日~2021年1月末
図表 V:投資対象別構成比(概算値)
2021年1月末(当月末)、2020年12月末(前月末)
※投資対象別構成比は、マザーファンドの各投資先ファンドを主な投資対象によって分類し、債券・株式・コモディティ・オルタナティブ・先物、キャッシュ・短期金融商品等と表示しています。「キャッシュ・短期金融商品等」には、投資先ファンドで保有する現金等の比率は含みません。※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。
収益への寄与度をみると、株式では中国A株(ETF)、世界株式バリュー(ETF) 等やデジタル·コミュニケーション株式を筆頭に、全戦略がプラス寄与となりました(図表VI①)。
オルタナティブでは大中華圏(グレーター·チャイナ)株式やグローバル株式ロング・ショート等がプラス寄与となる一方で、市場中立型欧州株式ロング・ショートやグローバル株式マーケット・ニュートラルがマイナス寄与となりました(図表VI②)。債券では、グローバル転換社債(ETF)、米国の物価連動国債(ETF)や世界物価連動国債(ETF)などがプラスに寄与した一方、米ドル建て新興国債券(円)や米ドル建て公共債(円)などの戦略がマイナス寄与となりました(図表VI③) 。
今後の方針については、新型コロナの感染状況に警戒を要するものの、製造業を中心に世界経済が緩やかな回復局面にあるとの認識に変わりありません。このため、景気回復を主導する中国や米国の株式に加え、景気感応度の高い製造業の比率が高い日本株式の組入れ比率を高位に保つ方針です。債券については金利上昇圧力が見られるものの、緩和的な金融政策が続くとの見方から、魅力的な水準にまで利回りが上昇すれば、債券の組入比率の引き上げも検討します。
図表 VI:組入資産の変動要因
月次、期間:設定日~2021年1月末
設定来実績(年率)
期間:2013年12月12日~2021年1月末
※変動要因は月次ベースおよび設定来の基準価額の変動要因です。基準価額は各月末値です。設定来の基準価額は基準日現在です。※変動要因はマザーファンドの組入ファンドの価格変動を基に委託会社が作成し参考情報として記載しているものです。項目(概算値)ごとに円未満は四捨五入しており、合計が一致しない場合があります。※信託報酬等は、当ファンドの信託報酬や信託事務に要する諸費用等を含みます。その他には、当ファンドで直接行われる為替予約取引の要因等を含みます。※記載の変動要因はマザーファンドの組入比率とマザーファンドの組入ファンドの価格変動および組入比率から算出した組入ファンド別の要因分析を主な投資対象ごとに集計したものです。したがって、組入ファンドの管理報酬等や、為替変動要因、ヘッジコスト、ヘッジ比率の変動による要因等は各投資対象に含まれます。また、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの要因は先物・オプションに、短期金融商品等を主な投資対象とするファンドの要因は、その他に含めています。※設定来実績収益率およびリスク(標準偏差)に用いた基準価額は信託報酬等控除後です。当資料における実績は、税金控除前であり、実際の投資者利回りとは異なります。また、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
図表VII:円資産比率推移(概算値)
月次、期間:2013年12月末~2021年1月末
※円資産の比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率と、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。円建て資産の比率は、各投資先ファンドで組入れている円建て資産と各投資先ファンドの実質組入比率から算出しています。為替予約の比率は、当ファンドで直接行う為替予約の比率です。出所:ピクテ・アセット・マネジメント
株式:景気敏感セクターに注目
【とりわけ堅調な中国、新興国や日本の株式市場に期待感】
新興国市場では、中国がとりわけ注目されます。2020年内に始まった製造業および輸出企業の回復に加え、内需の拡大が、主要経済活動指標をコロナ禍前の水準を大きく上回る水準に押し上げていると考えています。また、新興国全体に関して、輸出量が大幅に回復するなど、回復基調がより鮮明になっています。日本に関しても、製造業を中心に世界経済が緩やかな回復局面にあるなか、景気感応度の高い製造業の比率が多い日本株式が景気回復の恩恵を享受するとも考えています。従って、新興国と日本のオーバーウェイトを継続します。
【楽観的な見解が散見され、株式市場の割高感を警戒】
株式市場全般の長期見通しについては、不透明感が残っていると考えています。多くの投資家は、正常な経済成長ペースへの回帰に加え、低金利環境が長期的に継続することを前提としていると考えています。一方、中央銀行は、将来のいずれかの時点でインフレ圧力の上昇に対応し、金融引き締めを始めなければならないと考えています。また、ピクテのモデルでは、グローバル株式のバリュエーションは割高な水準にあり、楽観的な見解が散見される現在のような状況は、市場にとって極めて大きな問題となる可能性があると考え、展開を見極めていく必要があると考えます。
図表1:中国の主要活動指数
2019年12月=100、期間:2019年12月~2021年1月
出所:ピクテ・アセット・マネジメント
図表2:先進国と新興国の実質輸出額の伸び
前年比
出所:ピクテ・アセット・マネジメント
図表3:市場のボトム付近におけるMSCI ACWI指数のEPS予想
2021年1月27日時点
出所:ピクテ・アセット・マネジメント
【業種別では、ヘルスケア·セクターを引下げ】
経済活動に関する指標は既に改善に転じており、経済の先行きに関して明るい見通しが広がっています。そのようななか、景気回復からの恩恵を受け難いと考えるヘルスケア·セクターをニュートラルに引き下げ、ディフェンシブ·セクターの組入れ比率を落としました。同セクターは足元割高な水準にあると考えています。また、バイデン政権は、規制環境を注視しており、大手医薬品企業が恰好の標的となる公算が大きいと考えていることから、今後の米国の政策動向から特に大きな影響を被ると予想しています。
債券・為替:新興国債券への投資妙味に更なる高まり
【新興国債券、とりわけ中国国債に注目】
中国債券は好利回りの源泉として、引き続き魅力的な投資対象だと考えます。国内経済は、コロナ禍の景気減速局面からV字型の回復を遂げつつあり、米国国債との実質利回り格差は400ベーシスポイント(4%)に拡大しています。また、金融当局は、景気回復の継続に必要な金融支援策を維持し、政策の「急激な変更」は行わない旨を公表していることも中国国債にとってのサポート要因になると考えています。加えて、人民元は2020年5月以降、対ドルで約10%上昇し、2018年6月以来初めて1ドル=6.5人民元を上回っています。人民元に対する強気な見通しから、現地通貨建て新興国債券をフル·オーバーウェイトに引き上げました。
【米国国債のオーバーウェイトを継続】
近い将来、インフレの上昇がFRBに景気対策の縮小を促す公算は小さいと考えます。米国のコア·インフレ率が2022年までに2%に達する可能性は低く、利回りは今後数年をかけて緩やかに上昇するに過ぎないと考えるからです。従って、米国国債のオーバーウェイトを継続します。
図表4:米中10年国債の実質利回り差
2021年1月26日時点
出所:ピクテ・アセット・マネジメント
【先進国社債に対しては慎重な姿勢を保持】
デフォルト·リスクの対価が十分ではないと考える先進国社債に対する慎重な姿勢を維持しています。米国投資適格社債は、実質利回りが0%を下回っていることから、ニュートラルに引き下げました。格付け別に実質利回りを見ると、BBB格債が0.1%とかろうじてプラス圏にありますが、A、AA、AAAは全てマイナス圏に沈んでいます。ユーロ圏では、景気後退(リセッション)となったことや今後の景気回復に対する懸念があるなか、債券の利回りが魅力に欠けるため同地域の社債のニュートラルを維持しています。
【短期的な米ドルの反発を警戒】
米ドルは、(貿易加重ベースの)実効為替レートのピークである2020年3月から10%以上下落しており、短期的には反発する可能性があると考えています。また、FRBの「政府債務の貨幣化(デット·マネタイゼーション)」、による財政赤字の補填に起因するドル安圧力は後退しつつあるように思われます。ピクテの分析は、FRBが2020年の財政赤字の約70%を貨幣化し、通貨を減価させたことを示唆していますが、2021年については、30~35%に低下するものと予想しています。
図表5:各通貨対米ドルレートのフェアバリューからの乖離
2021年1月22日時点
※上記はピクテが独自に開発した通貨評価モデル(インフレ率等様々な指標を用いて、通貨の適正価値を予測)によるフェアバリュー(均衡点)からの乖離度(対米ドル)を見た指標です。
出所:ピクテ・アセット・マネジメント
バリュエーション(相対的価値分析)~全ての主要資産クラスに割高感
図表6:各資産のバリュエーション、過去平均(20年)から見た水準
2021年1月21日時点
※株式:株価純資産倍率(PBR)、12ヵ月先株価収益率(PER)、一株あたり利益トレンドベース株価収益率(PER)、株価売上高倍率(PSR)、ERP(先進国のみ) 現金および債券:利回りー名目GDPトレンド 商品:ブルームバーグスポット価格インデックス/世界インフレ率 通貨:PPPからのかい離 金:スポット価格/ 米国消費者物価指数 物価連動債:利回りー実質GDP成長率 現地通貨建て新興国債券:利回りー消費者物価指数などをもとに算出。
出所:ピクテグループ
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