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- クアトロ|市場見通しとポートフォリオの状況
● クアトロの基準価額は、リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移しており、2024年は年初来(7月19日まで)で6.2%の上昇となっています。
● 本稿では、現時点における運用チームの市場見通しとポートフォリオの状況(2024年6月末時点)を確認します。
リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移
クアトロの基準価額は、リスク資産比率を高めたことなどが奏功し、2023年11月以降は概ね堅調に推移しており、2024年は年初来(7月19日まで)で6.2%の上昇となっています(図表1)。クアトロではリスク資産の価格上昇トレンドは当面続くとの見方から、キャッシュ・短期金融商品等の比率を極力抑え、市場の動きに対応してきたことが奏功しました。
運用チームは、2024年後半も引き続き、株式や金などのオルタナティブがリターンをけん引すると考えています。以下では、現時点における運用チームの市場見通しとポートフォリオの状況(2024年6月末時点)を確認します。
図表1:クアトロの基準価額の騰落率推移
年次、期間:2013年~2024年(2024年は7月19日まで)、設定来は2013年12月12日(設定日)~2024年7月19日
※基準価額は信託報酬等控除後。換金時の費用・税金等は考慮しておりません。 ※2013年は2013年12月12日(設定日)~2013年12月30日の騰落率を示しています。 ※日本国債:FTSE日本国債指数、世界国債(ヘッジあり):FTSE世界国債指数(円ヘッジ)、米国国債(ヘッジあり):FTSE米国国債指数(円ヘッジ) ※指数はすべてトータル・リターン・ベース ※投資対象ファンドによって基準価額に反映する日が1-2日異なるため、比較指数は1営業日前ベースとしています。
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
ポートフォリオの状況(2024年6月末時点)
2024年6月末時点のポートフォリオの構成比は、株式34.9%、債券38.5%、オルタナティブ18.4%、キャッシュ・短期金融商品等8.3%となっています(図表2)。
株式については、強気姿勢を継続する方針です。一部の大型ハイテク株への一極集中の動きや世界的な政治リスクの高まりなどが警戒されるものの、幅広い業種での業績改善の動きや欧州中央銀行(ECB)の利下げや米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ転換への期待感などが相場の下支え要因になると思われます。
債券については、同資産が果たす株式に対する分散効果には引き続き期待できると考えています。ファンダメンタルズ(基礎的条件)の観点から、地域別では欧州に対する強気姿勢を継続するものの、米国を筆頭とした先進国の財政悪化懸念や日銀の国債買い入れ減額を警戒しており、債券全般に対しては中立的なスタンスとしています。
オルタナティブでは、ポートフォリオ分散の観点から市場中立型戦略、ロング・ショート型戦略、金への投資を継続しています。金については、①インフレ耐性、②地政学的リスクを背景に底堅い需要が見込まれる点、などを前向きに評価しており、中長期での強気姿勢を継続します。
図表2:2024年6月末時点のクアトロのポートフォリオ
時点:2024年6月28日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント①先進国の先行きの成長率低下
米国経済はこれまで、想定していた以上に底堅く推移してきたものの、金融引き締めがいずれ景気に対する下押し圧力となることは避けられないと考えています。米国では、実質小売売上高は緩やかに減速しており、また住宅の建設活動についても先行きの鈍化が予想されるなど、年後半に向けて成長ペースは緩やかに鈍化するとみています。また、日本でも、日銀が金融政策の正常化を進めるなか、一部で景気鈍化の兆しがみられます。一方、欧州や新興国では、既に利下げが実施されています。今後、金利が高止まりした場合、家計と企業のバランスシートは悪化し、先進国全体の成長は徐々に鈍化すると予想しています。
株式については、相対的に景気変動に左右されにくいと考えられるクオリティ・グロース株式*やディフェンシブ株式**を選好しています(図表3の株式部分参照)。債券については、全般に成長率低下が金利低下(債券価格は上昇)につながると見込んでいますが、米国債市場の需給悪化などに起因するデュレーションリスクはコントロールしつつ、組入比率の引き上げを検討していきます。なお、クレジット・リスクを避ける観点から先進国の国債と投資適格債券に注目しています(図表3の債券部分参照)。
*クオリティ・グロース株式~「世界スタイル株式(クオリティ重視)」、「ディフェンシブ戦略株式」、「世界株式」、「デジタル・コミュニケーション関連株式」、「ロボティクス関連株式」、「日本株式」、「米国株式(先物)」、「日本株式(先物)」 **ディフェンシブ株式~「ディフェンシブ戦略株式」
図表3:2024年6月末時点のクアトロのポートフォリオ~①先進国の先行きの成長率低下
時点:2024年6月28日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント②物価の粘着性と地政学的リスク
世界的にみて、インフレ率は低下していく可能性が高いものの、経済成長に打撃を与えることなく、インフレ率のみが各国・地域の中央銀行が目標とする水準に到達することは困難であると考えています。また、循環的なインフレ圧力が低下している一方で、構造的なインフレ要因(地政学的な緊張の高まりによるサプライチェーンの分断に起因するものなど)は継続しています。緊迫の度合いが引き続き高い地政学的リスクなどを背景に、インフレ抑制はさらに困難になりつつあると認識しています。
こうしたなか、FRBなどの主要中央銀行にとって、金融政策のかじ取りがさらに困難な局面となっています。仮に、景気への配慮から金融引き締めを抑制することになれば、インフレ率を高止まりさせるリスクとなりうるため、注意が必要と考えています。
上記見解のポートフォリオへの反映状況は図表4のとおりです。
図表4:2024年6月末時点のクアトロのポートフォリオ~②物価の粘着性と地政学的リスク
時点:2024年6月28日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
ポイント③金融緩和に軸足を移す新興国と欧州
今後のポートフォリオ戦略において、地域分散がもたらす分散効果に注目しています。米国と比較して、新興国と欧州は早期に金融緩和に軸足を移しています。中国についても、段階的かつ範囲を絞った金融緩和を実施しています。新興国および欧州の景気回復ペースは、その他の先進国と比較して相対的に早いと想定しています。
新興国資産全般については、確信度がさらに高まったタイミングで投資比率の引き上げを検討していきます。中国については、金融緩和の効果が顕在化するまでに時間を要するとみています。引き続き、中国の政治面・経済面における構造的な課題(米国との対立や不動産セクターの信用不安など)には大きな進展はみられておらず、中央銀行である中国人民銀行は今後も緩和的な政策スタンスを強いられるものと考えています。目先の中国の景気は厳しいと判断するものの、いずれは金融緩和によって中国の景気も緩やかながら回復基調に向かうものと考えており、中国経済のボトムアウトがその他新興国のさらなる成長をけん引することが期待されます。
欧州では、ECBが開始した利下げサイクルにより、年後半には景気の底打ちが期待されるとともに、流動性の改善が見込まれることが相場を下支えすると思われます。
上記見解のポートフォリオへの反映状況は図表5のとおりです。
図表5:2024年6月末時点のクアトロのポートフォリオ~③金融緩和に軸足を移す新興国と欧州
時点:2024年6月28日
※構成比は実質比率(マザーファンドの組入比率×マザーファンドにおける当該資産の組入比率)です。マザーファンドにおける当該資産の組入比率は、各投資先ファンドを主な投資対象によって株式、債券、オルタナティブ、短期金融商品等に分類、集計しています。株式と債券の構成比には、マザーファンドの投資先ファンドであるピクテ・デルタ・ファンドの株式、債券、株式先物、債券先物、オプションプレミアムを含めて集計しています。キャッシュ・短期金融商品等には投資先ファンドで保有する現金等の比率を含みません。 ※円資産比率は、当ファンドで保有しているコール・ローン等の比率、円建て資産の比率、為替予約の比率から計算した概算値です。 ※修正デュレーションは、月末時点のウェイト加重平均修正デュレーション(当ファンドに占める債券のウェイト×債券ポートフォリオの修正デュレーション)で、概算値です。 ※[デルタF]で始まる資産は、ピクテ・デルタ・ファンドを通じて投資している株式の現物、先物、オプションプレミアムおよび債券の現物、先物、オプションプレミアムです。
基準価額の推移
日次、期間:2013年12月12日(設定日)~2024年7月19日
※基準価額は1万口当たりで表示 ※基準価額は信託報酬等控除後 ※破線はご参考で、将来の値動きを示唆するものではありません。
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