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- ピクテ・ゴールド|今、金に注目する背景とは ~米国金利と米ドルの上昇に変化の兆し
・2022年の金価格の下落要因となった米国金利と米ドルの上昇に変化の兆し
・市場では近い将来の米国の金融引き締め策の打ち止めが視野に
・米国金利と米ドルの上昇傾向の一服感により、今後、金の相対的魅力が高まる可能性も
2022年の金価格の下落要因となった米国金利と米ドルの上昇に変化の兆し
金価格は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて安全資産としての金の需要が急速に高まる中、2022年3月上旬に一時、1トロイオンスあたり2,000米ドルを超える水準まで上昇しましたが、その後は、11月初旬まで下落基調が続きました(図表1参照)。
米国では、2022年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を皮切りに、想定を上回って高進するインフレ抑制のため、6会合連続、計3.75%の積極的な利上げが行われてきました(2022年11月2日時点)。
金は、金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある資産です。米国の利上げ開始以降、市場ではその傾向が強く意識されたことから、米国金利や米ドルの上昇が金価格の下落要因となりました。
しかし2022年11月に入り、これまで上昇基調にあった米国金利と米ドルの動きに変化の兆しが見られ、金価格も反発しています。
市場では近い将来の米国の金融引き締め策の打ち止めが視野に
足元、米国金利と米ドルの動きに変化が見られ始めたのは、2022年3月以降、米国では積極的な利上げが行われてきたことで、インフレ率にピークアウトの兆しが見え始めた一方、景気後退懸念が高まりつつあるため、市場参加者が近い将来の利上げペース緩和や利上げ終了が視野に入ってきたと考えていることが影響している可能性があります。
市場参加者による米政策金利の予想を示す米FF(フェデラル・ファンド)金利先物を見ても、2022年11月15日時点で、市場参加者は2023年前半まで緩やかな利上げを予想しているものの、2023年半ばにはピークをつけ、それ以降は利下げを予想していることがわかります(図表2参照)。
米国金利と米ドルの上昇傾向の一服感により、今後、金の相対的魅力が高まる可能性も
米国の政策金利見通しについては、インフレ動向や景気動向などによって大きく変化する可能性もあります。しかし現状では、米国の金融政策の転換が視野に入ってきていることから、足元では米国金利と米ドルの上昇傾向は落ち着きを見せており、今後もこのような傾向が続けば、金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある金の相対的な魅力が高まる可能性があると考えます。
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