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- 改めて注目したい米国株式と金の組合せ効果
・「金」の価格は株式や債券などの主要資産と異なる値動きをする傾向
・分散効果が期待できる米国株式と金の組合せ
米国株式と金を併せ持つ意味
「金」の価格は株式や債券などの主要資産と異なる値動きをする傾向があります。そのため、他の資産と組合せて持つことで、分散効果や資産全体の運用効率を高めることが期待されます。
一例として日本の投資家にも人気の高い米国株式と金を組合せて投資した場合の効果を見てみましょう。米国株式と金を同額(50%ずつ)保有した場合の過去20年間のパフォーマンスのシミュレーションの結果が図表1と図表2で、図表1は米国株式(円換算)と金(為替ヘッジをしたもの、以下、円ヘッジ)、図表2は米国株式(円換算)と金(為替ヘッジをしていないもの、以下、円換算)を組合せたものです。
米国株式と金を組合せて投資比率をそれぞれ50%に毎月リバランス注1することで、米国株式や金を単体で保有しているよりも値動きが相対的に抑制されたシミュレーション結果となりました。
なお、シミュレーションでは取引時の売買コストや保有コスト等の費用および換金時の税金を考慮していません。実際には途中のリバランス時にも毎回、売買コストや税金がかかり、パフォーマンスの低下要因となります。
注1:図表1、図表2および図表3~図表6では、米国株式と金に投資し、各資産の毎月のパフォーマンスをふまえて相対的に値上がりしている方を一部売却し、相対的に値下がりしている方を買い増すことで投資比率をそれぞれ50%にすることを指します。
米国株式と金の組合せた場合のリスク・リターン
図表3と図表4は縦軸をリターン、横軸をリスクとして米国株式と金(図表3は円ヘッジ、図表4は円換算)および両資産の組合わせを配置したものです。各図表の右側にある資産ほどリスクが高く、上側にある資産ほどリターンが高いことを示します。
図表3を例に見ると、米国株式(緑色)が金(円ヘッジ、黄土色)よりも上方にあることから、過去20年間のシミュレーション期間におけるリターンの水準(年率)は米国株式が相対的に高いことがわかります。一方で、横軸で示される米国株式と金(円ヘッジ)のリスクは同水準となっています。
そして、紫色で示したものが金(円ヘッジ)と米国株式を50%ずつ組み合わせたもの注2ですが、米国株式よりも下方に、また大きく左側に位置しています。これは、金(円ヘッジ)と米国株式を組み合わせることにより、リターンが米国株式よりも若干低下したものの、リスクがより大きく低下したことを示しており、その結果としてリスクあたりのリターンが高まりました。また、図表4に水色で示した金(円換算)と米国株式(円換算)の組合せ注2では、リターンが米国株式よりも若干高い水準となった一方、リスクが大きく低下しており、図表3で示した組合わせと同様にリスクあたりのリターンが向上したことが示されています。
このことから、異なる値動きをする傾向のある米国株式と金は、分散投資とリバランスの効果が期待できる可能性のある組合せと言えます。
注2:米国株式(円換算)と金(円ヘッジ/円換算)を50%ずつ組合せて、投資比率をそれぞれ50%に毎月リバランスしたもの。
金50%+米国株式50%を積立て、リバランスを行った場合
それでは、米国株式と金を積立て、リバランスを行った場合を見てみましょう。
毎月10万円を米国株式に全額投資した場合と、米国株式に5万円(50%)、金(円ヘッジ/円換算)に 5万円(50%)投資し、月次で投資比率のリバランスを行った場合の20年間の積立シミュレーションが図表5です。米国株式と金の同額積立は、分散投資とリバランスを行っていることもあり、20年間のパフォーマンスが良好であった米国株式への全額投資の場合の積立評価金額を下回っています。
一方、米国株式への全額投資は、価格変動が相対的に大きいこともあり、評価金額が積立金額を下回る期間が複数年に及びましたが、米国株式と金の同額積立では、概ね評価金額が積立金額(灰色部分)を上回って推移する結果となったことがわかります(図表6)。
この背景には、金を組合せていたことで、リーマン・ショック時(2008年)のような金融市場の混乱時に米国株式への全額投資よりも下落率が抑えられたことがあげられます。
米国株式に一括投資し、併せて金を積立てた場合
次に米国株式に一括投資し、併せて金の積立てを行った場合を見てみましょう。
図表7と図表8は、米国株式に1,200万円一括投資し、同時に金(図表7は円ヘッジ、図表8は円換算)を毎月5万円、20年間積立てた場合の投資シミュレーション結果です。
円ヘッジと円換算のどちらのケースにおいても、金の累積の積立て額が増加することで、線グラフで示した全資産に占める金の構成比が時間の経過に伴って徐々に高まる傾向が見られますが、シミュレーション期間では相対的に早い段階である2007年頃から金の構成比が急激に高まった局面がありました。金の構成比が高まった要因には、米国株式が下落した場面で金価格が上昇したことなど、金と米国株式が異なる値動きをする傾向が強まったことが考えられますが、このことは、米国株式に対して金の投資金額が相対的に小さい段階においても分散投資効果があることを示唆しています。
以上のように、米国株式と金の組合せをご紹介してきました。世界経済の先行き不透明感が高まっている今、ポートフォリオのリスクを低減させる一助として、金の組合せをご検討されてはいかがでしょうか。
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