Article Title
ピクテ・ゴールド|金融不安を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に ~今後の見通しと足元の動き~
2023/03/28

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●米国と欧州の銀行セクターを巡る混乱を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に
●米国の利上げの打ち止めが視野に入ってきたことも金価格の上昇要因に
●米国金利と米ドルの上昇が頭打ちになることで、今後、金の相対的な価値が高まる可能性



Article Body Text

金融不安を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に

金価格は2023年2月以降、1月の米国の雇用者数や消費者物価指数の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測が強まったことなどを受けて下落基調にありました。

しかし、3月に入るとシリコンバレー銀行(SVB)などの米国の銀行が相次いで経営破綻したことや、スイスの金融大手クレディ・スイス・グループの経営難が報じられるなど金融不安が高まり市場が混乱する中で、金価格は2022年4月以来の11ヵ月ぶりとなる1トロイオンスあたり2,000米ドルに迫る高値水準にまで上昇しています(図表1参照)。

米国の利上げの打ち止めが視野に入ってきたことも金価格の上昇要因に

米国やスイスの金融当局は預金者保護や金融機関向け緊急融資枠の設定などにより、信用不安の拡大を阻止する考えを示し、事態の鎮静化を図っていますが、SVBの経営破綻の背景には、インフレ率の高止まりを背景にFRBが急速に金融引き締めを進めてきたことで、SVBが保有する米国国債などの資産に含み損が生じていたことなどが指摘されています。そのため、金融システムや景気への配慮からFRBが金融引き締め姿勢を緩和させるとの観測が強まりました。その後、3月21日から22日にかけて行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが決定されましたが、声明文では引き続きインフレ抑制を重視する姿勢が示された一方で、今後の利上げについて複数回を示す「継続的な」という表現が除外され、利上げサイクルの最終局面にあることが示唆されました。

市場参加者による米政策金利の予想を示す米FF(フェデラル・ファンド)金利先物を見ると、SVBの経営破綻など金融不安が表面化する前の3月8日時点では、利上げ局面における政策金利の最終的な到達点であるターミナルレートは5.7%程度(2023年9月)が予想されていましたが、直近のFOMCが開催された3月22日時点ではターミナルレートは4.9%程度(2023年5月)にまで低下し、次回(5月)のFOMC以降はFRBが利下げに転じると予想していることがわかります(図表2参照)。

このような政策金利見通しの急速な変化に伴い、米国国債の利回りが急低下し、米ドル指数が下落したことも、金価格の上昇要因となりました(図表3、4参照) 。

米国金利と米ドルの上昇が頭打ちになることで、今後、金の相対的な価値が高まる可能性

米国の政策金利見通しについては、インフレ動向や景気動向などによって大きく変化する可能性もあります。しかし、2022年3月以降の積極的な利上げを経て、足元ではインフレ率にピークアウトの兆しが見え始めています。さらに、金利の上昇に伴う景気後退や金融不安の拡大への懸念など、米国経済を取り巻く不確実性が高まっていることから、FRBが金融政策方針を見直す可能性があると考えられます。

米国の金融政策の転換が視野に入ってきていると見られる中では、米国金利と米ドルの上昇余地は限定的なものにとどまると想定されます。そのため、金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある金の相対的な魅力が高まる可能性があると考えます。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)

ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/11/07
タイトル ピクテ・ゴールド|トランプ新政権で重要性が高まる金投資 タグ
日付
2024/11/05
タイトル ピクテ・ゴールド|金との組合わせで高める分散投資効果 タグ
日付
2024/10/25
タイトル 【動画】ピクテ・ゴールド|金価格2,700ドルを超えてなお強いトレンドは継続するのか?<塚本 卓治> タグ
日付
2024/09/26
タイトル 【動画】ピクテ・ゴールド|2,600ドルを超え最高値更新のゴールドと更なる円高リスク<塚本 卓治> タグ
日付
2024/09/20
タイトル ピクテ・ゴールド|米国の利下げと金投資における為替ヘッジの活用 タグ
日付
2024/08/23
タイトル 【動画】ゴールド|混乱する金融市場の中で、堅調さを維持する金価格<塚本卓治> タグ
日付
2024/07/31
タイトル ピクテ・ゴールド|金投資における為替との向き合い方を考える タグ
日付
2024/07/26
タイトル 【動画】ゴールド|金価格、最高値更新の3つの理由<塚本卓治> タグ
日付
2024/07/01
タイトル 【動画】ゴールド|今こそ、長期視点でゴールドを見直す<塚本卓治> タグ
日付
2024/05/21
タイトル 【動画】ゴールド|金価格が“再び”最高値更新 さらなる上昇余地は?<塚本 卓治> タグ
日付
2024/04/26
タイトル 【動画】ゴールド|金価格の更なる上昇シナリオとリスク要因 <塚本 卓治> タグ
日付
2024/04/01
タイトル ピクテ・ゴールド|投資タイミングに左右されにくい金の長期積立投資 タグ
日付
2024/03/26
タイトル 【動画】ゴールド|金価格が最高値更新 今は投資タイミングか?<塚本 卓治> タグ
日付
2024/02/28
タイトル 【動画】ゴールド|金利上昇にもかかわらず 底堅い動きを示す金価格<塚本 卓治> タグ
日付
2024/02/15
タイトル ピクテ・ゴールド|中央銀行の積極的な金購入が継続 タグ
日付
2024/02/09
タイトル ピクテ・ゴールド|長期で物価を上回る上昇を見せてきた金価格 タグ
日付
2024/01/26
タイトル 【動画】ピクテ・ゴールド|2024年 米国の金融政策の転換と、 中央銀行による金購入が 金価格にとってプラスの要因に <塚本 卓治> タグ
日付
2024/01/12
タイトル ピクテ・ゴールド|2024年の金価格を支える主な要因 タグ
日付
2023/12/22
タイトル 【動画】ゴールド|ゴールド最高値更新 2024年の 金相場を占う<塚本 卓治> タグ
日付
2023/12/08
タイトル ピクテ・ゴールド|2024年の貴金属市場の見通し タグ
日付
2023/12/01
タイトル ピクテ・ゴールド|改めて注目したい米国株式と金の組合せ効果 タグ
日付
2023/11/28
タイトル 【動画】ゴールド|金ETF需要に関する投資環境に転換の兆し<塚本 卓治> タグ
日付
2023/11/10
タイトル ピクテ・ゴールド|米国の利上げサイクル終了後の金価格 タグ
日付
2023/11/08
タイトル ピクテ・ゴールド|金需要を後押しする中央銀行の積極的な金購入 タグ
日付
2023/10/30
タイトル 【動画】ゴールド|これからの金価格、注目のポイント<塚本 卓治> タグ
日付
2023/10/25
タイトル ピクテ・ゴールド|金投資の方法を比較~“投資信託”と“現物” タグ
日付
2023/10/11
タイトル ピクテ・ゴールド|中東情勢の不安定化と金価格 タグ
日付
2023/09/27
タイトル 【動画】ゴールド|「税込み1グラム当たり1万円の金価格」は 高いのか?それとも安いのか?<塚本 卓治> タグ
日付
2023/09/12
タイトル 【動画】ゴールド|利上げピークアウト後のポートフォリオにおける金の重要性<塚本 卓治>2023.8 タグ
日付
2023/08/31
タイトル ピクテ・ゴールド|過去最高値を更新した円建ての金価格 タグ
日付
2023/08/29
タイトル ピクテ・ゴールド|改めて注目したい株式と金の組合せ効果 タグ
日付
2023/07/31
タイトル 【動画】ゴールド|金価格が再び最高値を更新するタイミングはいつ訪れるのか?<塚本 卓治> タグ
日付
2023/06/28
タイトル ピクテ・ゴールド|金価格を見通すうえでの重要なポイント タグ
日付
2023/06/27
タイトル 【動画】ゴールド|ゴールドは2,000ドルを超え、最高値を更新するのか?<塚本 卓治> タグ
日付
2023/06/09
タイトル ピクテ・ゴールド|教養としての金投資 タグ
日付
2023/05/29
タイトル 【動画】ゴールド|金価格2000ドル割れの背景と今後の見通し<塚本 卓治> タグ
日付
2023/05/25
タイトル ピクテ・ゴールド|改めて注目したい株式と金の組合せ効果 タグ
日付
2023/05/18
タイトル ピクテ・ゴールド|金需要を後押しする中央銀行の積極的な金購入 タグ
日付
2023/05/01
タイトル ピクテ・ゴールド|米国の利上げサイクル終了後の金価格 タグ
日付
2023/04/25
タイトル 【動画】ゴールド| ゴールド2000ドル越え、この水準をどう見るべきか?<塚本 卓治>2023.4 タグ
日付
2023/04/20
タイトル ピクテ・ゴールド|金投資における為替ヘッジの要否を考える タグ
日付
2023/03/30
タイトル 【動画】ゴールド| 金価格の振り返りと今後の見通し<塚本 卓治>2023.3 タグ
日付
2023/02/28
タイトル 【動画】ゴールド|金を取り巻く投資環境 2023年の4つのシナリオと金価格の見通し<塚本 卓治> タグ
日付
2023/02/27
タイトル ピクテ・ゴールド|改めて注目したい株式と金の組合せ効果 タグ
日付
2023/02/13
タイトル ピクテ・ゴールド|米ドル指数が下落傾向を示す中、米ドルベースの金価格は反発~今後の見通しと足元の動き~ タグ
日付
2023/01/27
タイトル 【動画】ゴールド|2023年のマクロ経済・金融見通しと金価格の見通し <塚本 卓治> タグ
日付
2022/12/22
タイトル ピクテ・ゴールド|米国の利上げ終了後、金価格はどう動いてきたか~過去のデータで振り返る~ タグ
日付
2022/11/18
タイトル ピクテ・ゴールド|今、金に注目する背景とは ~米国金利と米ドルの上昇に変化の兆し タグ
日付
2022/07/14
タイトル ピクテ・ゴールド|金投資の方法を比較~“投資信託”と“現物” タグ
日付
2022/07/06
タイトル ピクテ・ゴールド|改めて注目したい株式と金の組合せ効果 タグ
日付
2022/03/28
タイトル ピクテ・ゴールド|高インフレ下の利上げ局面入りで、金価格はどうなる タグ
日付
2022/03/22
タイトル 「有事の金」だけじゃない、いま金に注目する背景とは タグ
日付
2022/02/10
タイトル 利上げ局面における金価格 タグ
もっと見る