1月の投資環境

1月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数（現地通貨ベース）で下落しました。

世界株式市場は、米連邦公開市場委員会（FOMC）の議事要旨の内容や米雇用統計で失業率が低下したことなどを受けて米連邦準備制度理事会（FRB）が予想よりも積極的な金融引締めに動くとの見方が強まり、上旬から下落基調となりました。その後も米国金融当局者のインフレ懸念や利上げを巡る発言やウクライナ情勢の緊迫化などを背景に、株式市場は下落しました。月末にかけても1月のFOMCで更なる金融引締めの方針が示されたことなどから世界株式市場は下落し、月を通しても下落しました。

業種別では、情報技術、一般消費財・サービス、ヘルスケアなどが大きく下落しました。一方、エネルギー、金融は上昇、公益、生活必需品などは市場全体に比べ小幅な下落にとどまりました。

水関連企業（現地通貨ベース）の株価は、株式市場が下落するなか、市場の下落以上の下落率となりました。

装置製造・エンジニアリングセクターでは、モニタリング関連企業は、多くの銘柄が売上高と利益の見通しを上方修正したにもかかわらず、大きく売られました。チャイナレッソグループは、水道管交換の旺盛な需要にけん引されたインフラ用プラスチック事業の堅調な需要に支えられ、上昇しました。

上下水道ビジネスセクターは、欧州と新興国のコンセッション関連銘柄および英国の規制下の水道公益事業銘柄に支えられ比較的小幅な下落にとどまりました。カントン・インベストメントは、同社の水関連以外の事業の継続的な回復が評価され上昇しました。アメリカン・ウォーター・ワークスは持続的なインフレ圧力や10年債の利回りの継続的な上昇などの影響を受け大きく下落しました。同社はインフレの影響を最小限に抑える複数のメカニズムがあるため、一桁台後半の利益成長を見込んでいます。

また、環境マネジメント・サービスセクターは、強固な価格決定力を背景に収益率を改善している廃棄物処理銘柄に支えられ比較的小幅な下落にとどまりました。スタンテックは、世界で最も持続可能な企業ランキングで上位となったことが好感され比較的小幅な下落にとどまりました。

今後の見通し

今後の見通しについては、インフレの高まりにより不透明感が増しています。世界各国の購買担当者景気指数（PMI）や企業の景況感にどのように影響を与えるのか不透明感が残ります。価格上昇圧力が持続するかどうかや、米国の連邦準備制度理事会（FRB）や欧州中央銀行（ECB）による金融緩和策縮小や利上げのタイミングや程度、また、それがどのように株式のバリュエーションに影響を及ぼすか等、見極める必要があると考えます。

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。